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【LOTUS CUP JAPAN 2019】RD.4 @ ツインリンクもてぎ レースレポート

2019/10/08



 

■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「Lotus Cup Japan」、2019年シーズン第4戦が10月6日(日)に、栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。もてぎでのロータス・カップ開催は、第2戦に続き今シーズン2度目。様々コーナーが組み合わせられたテクニカルなサーキットには、クラス1が4台、クラス2が4台の合計8台がエントリーした。ゲストドライバーは自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋が、今シーズン4回目の参戦を果たしている。

朝から時折強く降り続いた雨により、コンディションはウェット。午前9時15分に昨年のチャンピオンである飯田敏雄選手を先頭にコースインし、15分の予選がスタートした。18℃と低い気温のなか、各選手は路面状況を確かめるようにアウトラップを走行する。まず、飯田選手が2’21.912と基準となるタイムをマーク。続いて佐藤が2’21.597、現在ポイントリーダーの山本健一選手が2’21.795とタイムを重ねていく。

飯田選手は2’20.840にタイムを縮めると、そのままピットイン。すると走行を続けていた山本選手が20秒台を切る、2’19.629を叩き出し、一気にトップに立った。山本選手と同様に走行を続けた佐藤も19秒台に入る、2’19.976をマーク。山本選手はさらに2’18.188までタイムを削って見せた。周回ごとにタイムを更新した佐藤は、山本選手から0.146秒差の2’18.334にまで迫るが、一歩届かず。

 



 

残り3分を切った段階で、飯田選手が再びコースへと戻り、ファイナルアタックに賭ける。予選終了直前、飯田選手は各セクターで自己ベストを更新しながら走行するが、2’19.202と18秒台に入れず。この結果、山本選手がポールポジション、2番手に佐藤、3番手に飯田選手のオーダーとなった。今回、初めてロータス・カップに参戦となった清水友一選手は、マシンの感触を確かめながら2’21.176を記録し、4番手で予選を終えている。

クラス2は秋葉有一選手が開始早々に2’39.993のタイムを記録。このままポールかと思われたが、予選後半に入り、西面一選手が2’39.596をマークして、リザルトボードのトップに立つ。予選終了直前にコースに復帰した秋葉選手は、最後に2’35.738とベストタイムを叩き出し、予選トップの座を手にした。2番手に西面選手、3番手にIKURO MATSUBA選手、4番手に大屋彰利選手が入っている。

 



■コメント

Class 1

予選1位 #48 山本健一選手

「ドライで行われた練習走行で調子が良かったので、晴れのまま走りたかったです。ウェットでもてぎを走った時のことを思い出しながら、アタックしました。ポールポジションからのスタートは難しいですが、しっかり決めたいと思います」

 

予選3位 #47 飯田敏雄選手

「自分の中でドライビングが分からなくなってしまっています。タイムが出せない状況から抜け出せない状況ですね。昨年は楽しく乗れていたんですが、今は悩みの中にあります。ライバルとのタイム差よりも、自分との戦いです。自分の問題をしっかり解決しないと、戦うこともできません。自分の走りを上手くできれば、上に行けるはずです」

 

予選4位 #15 清水友一選手

「初めてロータス・カップに参戦させて頂きました。今回はお借りしているクルマなので、慎重に走りました。来シーズンからフル参戦を予定しています。これまではクラブマンレースを中心に走ってきました。ロータス・カップは内容もハイレベルで、全てが勉強になります。決勝はできる限りのことをやりたいと思っています」

 

Class2

予選1位 #16 秋葉有一選手

「タイムを記録したあと、一度ピットに入って周りの様子を見たんですが、ちょっと危なかったので、もう一度アタックに戻りました。コースインした時点で残り3分だったので、のんびりアウトラップを走っていたら、危なかったです(笑)。コンディションはフルウェットで、気をつけないと飛び出す危険がありました。決勝はウェットへと気持ちを切り替えて、抜かれないように頑張ります」

 

予選2位 #16 西面 一選手

「もう少しいけるかと思いましたが……。必ず最後に秋葉選手が来るのは分かっていました(笑)。とりあえず、僕は走行距離を稼ぐことを考えて走りました。コンディションは厳しかったです。少しグリップさせることを意識しすぎたかもしれません。決勝はなんとか秋葉選手についていくことを考えて走ります」

 

ゲストドライバー(賞典外)

予選1位 #2 佐藤考洋

「もう少しコンディションが良くなると思ったんですが、誰か雨男がいるのかもしれませんね(笑)。フルウェットだったので、なるべく距離を走ってコンディションに慣れた方がいいと判断しました。アタックラップで前走車に引っかかったのは、残念ですが、感触としては悪くないタイムだと思います。昨日の練習走行はドライで走っていますし、決勝は晴れても、ウェットでも問題ありません。全員が安全にレースを楽しめればと、思っています」

 



 

■決勝

Lotus Cup Japan第4戦決勝レースが、ツインリンクもてぎ10周で争われた。予選の段階で強く降っていた雨は上がり、路面コンディションが刻一刻と変化するなか、13時5分に8台が一斉にスタートを切った。

 



 

ポールポジションの山本健一選手はホールショットを決めて、1コーナーをトップでクリア。予選3番手の飯田敏雄は抜群の蹴り出しで、1コーナーで佐藤をかわして、2番手に浮上する。しかし、佐藤は続く2コーナーで差を詰めると3コーナーでイン側に飛び込み、飯田選手から2番手の座を取り返す。

勢いに乗る佐藤はトップの山本選手との差を縮め、3周目ヘアピンでイン側に入ると、ダウンヒルストレートでオーバーテイク。少しずつ路面が乾きつつあるなか、予選を上回るペースで佐藤と山本選手によるテールトゥノーズのバトルが展開される。すると、5周目の最終コーナーでリヤが逃げた佐藤に対して、その隙を見逃さなかった山本選手がストレートでパス。8周目の1コーナーでは佐藤が、山本選手のイン側に入ると、そのままサイドバイサイドの攻防が続き、4コーナーの立ち上がりでついに佐藤がトップに立った。

 



 

佐藤と山本選手による僅差の争いはファイナルラップまで続くが、佐藤が山本選手を抑え切ってトップフィニッシュを果たした。佐藤が賞典外となるため、山本選手が優勝を手にし、第2戦から続く連勝記録を3に伸ばしている。その後方、飯田選手と初参戦の清水選手による3番手争いは、ペースの上がらない飯田選手を4周目に清水選手がパス。清水選手が初レースで2位、飯田選手が3位でレースを終えた。

クラス2は予選トップの秋葉有一選手が順調にレースをリードするが、予選2番手の西面一選手も離れることなく、2番手でピタリとつける。順調にラップを重ねていた秋葉選手だったが、8周目の90°コーナーでまさかのスピン。直後につけていた西面選手が巻き込まれることなくトップに立つ。西面選手は残りの周回もミスなく走りきり、開幕戦以来となるシーズン2勝目を飾った。

 



 

第2戦から連勝を続けてきた秋葉選手は、スピン後も2番手をキープして、表彰台を確保した。1周目にスピンを喫しながらも、IKURO MATSUBA選手が3位表彰台。大屋彰利選手は4位でレースを走りきっている。

 





 

Class 1

優勝 #48 山本健一

「今までで一番レースを堪能できて楽しかったんですが、結果的に負けてしまったので(笑)。コンディションはどんどん回復していく感じでした。ただ、どのくらい良くなったかが分からなくて、その点で佐藤選手は経験豊富でしたね。抜きにくいもてぎですが、佐藤選手もフェアなので、安心してバトルができました。次の富士はレースカレンダーで一番走りなれているので、安定したコンディションを願っています」

 

2位 #15 清水友一

「すごく楽しかったです。結構路面とタイヤと、相談しながらのレースでした。今回は練習のつもりで走っていたので、冷静にドライビングできたと思います。ロータスという本当に純粋なスポーツカーでレースを戦うことで、モータースポーツの一番原点を味わえました。そこにこのシリーズの魅力があると思います。手応えはまだまだです。これから頑張ります」

Class2

優勝 #16 西面 一

「緊張感のあるレースでした。秋葉選手についていくことを考えてレースを戦っていました。路面のコンディションが変わるなか、後半はマシンのコントロールが本当に難しかったです。前を走る秋葉選手も苦労していましたし、とにかく離されないようにと頑張りました。スピンはまさにレースの綾で、今回はたまたま僕の方に運があっただけです」

 

2位 #16 秋葉有一

「参りました。路面コンディションがどんどん変わるなかで、ウェット寄りのセッティングが乾きつつある路面に合わずに苦戦しました。西面選手からプレッシャーを掛けられていましたが、あと1周だったので、もったいなかったですね。今回のレースは反省して、次のレースに掛けたいと思います」

 

賞典外 #2 佐藤考洋

「予選タイムは僅差だったので、接近戦になると思っていました。路面が乾きつつあるなか、場所によってグリップが変わる難しさがありました。僕が得意なところと、山本選手の得意なところがあって、自分の得意なところは絶対に守って、そこでマージンを築きました。サイドバイサイドのレースは信頼がないとできません。そう言った意味でも、ロータス・カップならではのすごく楽しいレースでしたね」

 

Class1表彰式の様子

 

Class2表彰式の様子

 

最終戦は11月17日(日)富士スピードウェイにて開催致します。
年間チャンピオンには誰が輝くのか…最後まで目が離せません!