Lotus logo

【LOTUS CUP JAPAN 2020】Rd.2 @ ツインリンクもてぎ レースレポート

2020/12/01



■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2020年シーズン第2戦が11月29日(日)に栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて大幅にカレンダーを変更した2020年シーズン。濃霧から決勝中止となった開幕戦菅生、9月に開催された事実上の開幕戦、ツインリンクもてぎに続き、今回の第2戦が最終戦となり、各クラスのタイトルが決定する。

様々コーナーが組み合わせられたテクニカルなレイアウトが特徴となるツインリンクもてぎ・ラウンドには、クラス1が7台、クラス2が6台の合計13台がエントリー。今回もクラス2には篠原祐二選手と高橋基夫選手という2名のニューカマーが加わった。篠原選手はタイトル獲得経験を持ち、2012年以来のシリーズ復帰となる。また、ゲストドライバーとして前回のもてぎラウンドでトップフィニッシュを果たした自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋が、EXIGE SPORT 350のステアリングを握る。

 

薄日がさす中、午前8時30分に15分間で行われる予選がスタート。今シーズン初めてドライコンディションとなり、さらに気温も低く、これまでの記録を大きく上回るタイムが予想された。前回初優勝した清水友一選手が先頭でコースインし、各車は丁寧にタイヤを温めつつアタックラップに挑む。

まず、2018年の王者 飯田敏雄選手が2’06.231の好タイムを叩き出して、リザルトボードのトップに躍り出た。直後、飯田選手のタイムを大きく凌ぐコースレコードの2’05.788を記録したのが、勢いに乗る清水選手だ。さらに、荒田良浩選手も2’06.280とタイムを伸ばして、清水選手、飯田選手に続く3番手に飛び込んできた。上位3台は一度ピットへと戻り、飯田選手のみが残り5分を切った段階で再度アタックに挑むが、清水選手のトップタイムを更新することができない。

このまま予選が終了し、清水選手がうれしいポールポジションを獲得。2番手に飯田選手、3番手に荒田選手、4番手に佐藤が続く。菅生以来の登場となった太田哲也選手が2’08.660のタイムを記録し、5番手に入った。



クラス2はコースレコードを大きく更新する2’12.360を記録した秋葉有一選手がポールポジションを獲得。現在ランキング3番手の秋葉選手は、逆転タイトルのために予選トップと優勝を揃える必要があり、その条件をひとつクリアした形だ。2番手は現在ランキングトップの長澤宏昭選手。彼が決勝で2位以上に入れば、秋葉選手の順位に関係なくタイトルが決まる。3番手には久々のロータス・カップ参戦となった篠原選手が入っている。

 



■コメント
Class 1

予選1位 #15 清水友一選手

「2分5秒代には自分でも驚いています。3周目でベストを出すという練習をしていたので、それが良い方向につながりました。路面コンディションも良くて、それにも助けられましたね。僕は昨年から参戦をスタートしたので、ツインリンクもてぎの予選をドライで走るのは初めてです。飯田選手も荒田選手も速いので、決勝はやれることをしっかりやるつもりです」

 

予選2位 #47 飯田敏雄選手

「予想はしていましたが、これまでにないタイムが出ましたね。すごく楽しい予選でしたが、自分としてはいくつかミスがあったので、ちょっともったいなかったです。最後にもう1回アタックしたんですが、ダメでしたね。決勝はレースを楽しみたいです」

 

予選3位 #15 荒田良浩選手

「2周目でなんとかタイムを出せて良かったです。改めて、今シーズンはレベルが上がりましたね。2分6秒代は狙っていたんですが、清水選手は2分5秒代も出しましたから。クルマもドライバーもレベルが上がっているので、決勝が楽しみです。ロータス横浜の3人で表彰台に立てるように、決勝も頑張ります」

 

Class2

予選1位 #16 秋葉有一選手

「ポールポジションを獲るのであれば、圧倒的なタイムを出して凹ませるくらいじゃないと、決勝を有利に戦えないと思っていました。とにかく集中して、一発のアタックに掛けました。コンディションはすごく良かったです。昨日までのイメージだと、2分13秒台を想定していたんですが、12秒台は自分でも驚きました。決勝はまずはトップでフィニッシュして、他の皆さんに長澤選手の包囲網を築いてもらうしかありません」

 

予選2位 #24 長澤宏昭選手

「2分13秒台はコースレコードだし、ポールポジションを獲れたかと思いましたが、秋葉選手は異次元の速さでした。今朝は路面コンディションが良くて、皆さんがいいタイムで走れていましたね。潔く予選は負けを認めて、決勝は頭を切り替えてつつ、頑張ります。タイトルは2位以上が条件なので、いかにミスなく秋葉選手に付いていくかですね」

 

予選3位 #20 篠原祐二選手

「8年ぶりのロータス・カップです。2008年と2009年は10連勝してタイトルも獲得しました。でも、久しぶりですし、皆さんの胸を借りるつもりできました。今回はレンタカーなんですが、きちんとセットアップもできているし、エリーゼのポテンシャルも高くて、パッと乗ってもきちんと走れるのは魅力ですね。前のおふたりはチャンピオン争いをされているので、胸を借りつつ、邪魔をしないようにしたいです」

 

予選 4位
賞典外 #2 佐藤考洋

「予選はクリアラップが取れなかったりで、満足のいくアタックができませんでした。タイムは皆さんレコードタイムが出ていて、凄かったですね。自分としてはさすがに2分5秒台はちょっと考えていなかったですね。路面コンディションも良かったですし、気温が低かったことで、エンジンのパワー感もありました。それが上手く合致したんだと思います。ツインリンクもてぎのドライコンディションを走るのは久しぶりですし、決勝は2番手以降が拮抗しているので楽しみです」

 



■決勝

LOTUS CUP JAPAN 第2戦決勝レースが、ツインリンクもてぎ10周で争われた。天候は曇りで路面コンディションはドライ、11時15分に13台が一斉にスタートを切った。

フロントロウの清水友一選手と飯田敏雄選手はまずまずの蹴り出し、その後方では予選4番手の佐藤考洋が抜群のダッシュを披露し、荒田良浩選手をパスして3番手に浮上する。佐藤は続く2コーナーでは飯田選手を抜き、さらにヘアピンではシフトミスを喫した清水選手を捉えて、1周目で首位に立った。予選では思うようにタイムを記録できなかった佐藤だったが、その後のラップでもコンスタントに1分7秒台のタイムを刻み、2位以下との差を周回ごとに広げていく。

 



 

2番手争いは、清水選手、飯田選手、荒田選手が等間隔で隊列を組む展開に。ペースを上げた飯田選手が一気に清水選手との差を詰めると、コーナーごとにその差をつめて、6周目にはダウンヒルからサイドバイサイドの熾烈なバトルへと持ち込む。この白熱の展開を制した飯田選手が清水選手をパスし、7周目に2番手へと浮上する。

レースは佐藤を先頭に、飯田選手、清水選手、荒田選手のオーダーでフィニッシュ。トップの佐藤が賞典外となるため、2位でレースを走り切った飯田選手が今シーズン初勝利を手にした。そして、2位に入った清水選手は、嬉しいクラス1タイトルを獲得した。3位は荒田選手、4位には今回がロータス・カップ決勝初出走となった太田哲也選手が入っている。

 



クラス2は予選トップの秋葉有一選手を、2番グリッドからスタートした長澤宏昭選手が1周目の2コーナーでパス。このレースで優勝するしかタイトルの望みのない秋葉選手だったが、続くV字コーナーで痛恨のスピン。なんとかリスタートしたものの、エンジントラブルが重なり、2周目のS字でマシンを止めた。

首位の長澤選手の後方には今回が8年ぶりのロータス・カップ参戦となる篠原祐二選手が終盤テールトゥノーズにまで迫るが、オーバーテイクには至らない。このまま長澤選手が僅差ながらもトップでゴール。前戦に続く連勝を決め、初参戦のシーズンでクラス2タイトルを獲得した。2位には篠原選手、3位にはパパシュー選手が続いている。

 



 

Class 1

優勝 #47 飯田敏雄選手

「2位の清水選手は、普段からものすごく練習をしていました。やはり練習に勝るものはないと実感しています。練習の段階からタイムも出ていましたし、予選も素晴らしかったです。バトルはみんなのレベルが拮抗していたので、すごく楽しかったです。あらためて、天気の良いレースはいいですね。とても気持ちよかったです。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2戦のみになってしまいましたが、このようにレースを開催をして頂き、感謝しています」

 

2位 #15 清水友一選手

「優勝は逃しましたが、タイトルを獲得することができました。最後は飯田選手と接戦になりましたが、無理をするよりも2位を死守することを考えました。今年は2戦しかなかったので、本番は来年かと思っています。またしっかり練習して挑みたいです。厳しい世の中の状況ですが、こうやってレースが開催できましたし、それが一番だと思います」

 

3位 #15 荒田良浩選手

「トップ4台が最後までバトルができて、観てる方も楽しかったはずです。こんなに気持ちよく晴れるのはロータス・カップでも初めてじゃないですか(笑)。4台が絡んだバトルもできましたし、ジェントルで、これがロータス・カップだと思いました。このような状況で開催できただけでも良かったと思います」

 



 

Class2

優勝 #24 長澤宏昭選手

「初参戦となった菅生でポールポジションを取れたのですが、レースが中止になってしまいました。『残り2戦で勝てたらいいな……』と思っていたら、それが実現しました。ポールポジションは取れませんでしたが、レースには集中できていました。サポートしてくれたチームの皆さんのおかげで安心して走れました。それが一番の勝因です。来シーズンもチャレンジして、年間6戦でタイトルを狙いたいと思います」

 

2位 #20 篠原祐二選手

「前も後ろもエリーゼというのが、走りながらすごく楽しかったです。予選から決勝はセットアップを変えたのが、ハマってくれました。何度か前に行くチャンスがあったんですけど、モノにはできませんでしたね。久々に帰ってきたのに表彰台に立てたのが夢のようです。また機会があれば、ぜひ出たいです」

 

3位 #77 パパシュー選手

「予選の走りは悪くなかったんですが、トップの3人が凄いタイムで付いていけませんでした。決勝はチャンスがあると思っていたんですが、抜きどころでシフトミスをしてしまったのが悔しいです。それからシフトの調子が悪くなってしまったので、痛恨のシフトミスでした。ロータスでのレースは本当に楽しいです。クラス2はタイムが拮抗していますから、レースしているという実感があります」

 



 

トップフィニッシュ

賞典外 #2 佐藤考洋

「スタートが上手くいって、1周目で3台をパスすることができました。プッシュできるところはプッシュして、いい流れで後続を引き離すことができましたね。後ろで熾烈なバトルがあったので、少し楽になったと思います。今年は、レースをこうやって開催できたことが奇跡のようなもので、主催者の努力は本当に大変だったと思います。そして、参加者の皆さんも感染対策を徹底されていました。この厳しい状況の中で、参戦台数が増えたのは、ロータス・カップの魅力だと思います。来年ももっと台数が増えて盛り上がって欲しいですね。最後に、久しぶりにドライレースでトップチェッカーを切れたのは最高でした(笑)」

 

今シーズンはJAF戦2戦で最終戦を迎えた、LOTUS CUP JAPAN。来シーズンは4月のイベントで特別戦、5月に富士スピードウェイにて開幕戦を迎える予定となっております。新規参加者が続々と増えているLOTUS CUP JAPANを来シーズンも応援、宜しくお願い致します!