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【LOTUS CUP JAPAN 2021】Rd.4 @ ツインリンクもてぎ レースレポート

2021/11/30



 

■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2021年シーズン第4戦が11月28日(日)に、栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。第3戦から約3カ月弱のインターバルで開催される最終戦には、クラス1に6台、クラス2に9台という計15台がエントリー。賞典外のゲストドライバーとして、自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋がクラス1、プロドライバーの柴田優作がクラス2に参戦する。

 



 

緊急事態宣言解除後、初のロータス・カップ開催となったが、今回も事前の体温・問診票提出、ピットエリア各所に消毒液の設置、マスク装着やソーシャルディスタンスの確保などを徹底。ドライバーズブリーフィングも、引き続きリモートで行われるなど、厳格な感染対策が施行されている。

第3戦を終えた段階でシーズン3連勝を決めた小林一景選手が、最終戦を残してクラス1のタイトルを確定。一方、クラス2はランキングトップの飯田敏雄選手が50点、2番手の篠原祐二選手が48点と、わずか2点差で最終戦を迎えた。計算上はランキング3番手のパパシュー選手、4番手の長澤宏昭選手まで可能性を残しているが、タイトル争いはほぼこのふたりに絞られたと言ってもいいだろう。

秋らしい好天に恵まれ、コンディションはドライ。気温は3℃前後と低いが、暖かな日差しが注ぐなか、9時30分から15分間の予選が行われた。一番にコースへと飛び出したのは、小林選手のシーズン4連勝を阻止し、一矢報いたい清水友一選手。清水選手は前戦のポールタイムを大きく上回る2’05.709を刻み、浅井健人選手も2’06.748と好タイムで続く。その直後、小林選手が清水選手のタイムをさらに上回る、2’05.372をたたき出して、リザルトボードのトップに躍り出た。その後、小林選手のコースレコードタイムを上回るドライバーは現れず、開幕戦富士以来となるポールポジションを決めた。2番手に清水選手、3番手に浅井選手、4番手にはゲストドライバーの佐藤のオーダーで予選を終えている。

 



クラス2は実に9年ぶりのロータス・カップ参戦となった柴田が、2’11.572でトップタイムを記録。柴田が賞典外となるため、2’11.658を記録した長澤宏昭選手がクラスポールポジション獲得した。長澤選手は決勝キャンセルとなった昨年の菅生以来となる予選トップとなっている。シーズン序盤はクラス1に参戦していた荒田良浩選手が、2’11.720で2番手タイム。アタックラップ1回目で痛恨のスピンを喫してしまった飯田選手が、2’12.036で3番手。「緊張があった」と振り返る篠原選手が2’12.937の4番手に終わり、決勝に向けて飯田選手が一歩アドバンテージを握った形だ。

 



 

■コメント

Class 1

予選1位 #11 小林一景選手

「コンディションがすごく良くて、クルマも調子良かったので、前日の練習からのいいフィーリングを持ってドライブしたら、コースレコードを出せた感じです。自分でもびっくりするようなタイムになりました。全勝はもちろんですが、毎戦優勝を目指して戦っているので、スタートをうまくまとめて、リードできるように頑張りたいです」

 



予選2位 #1 清水友一選手

「気合が入りすぎたのか、アウトラップでタイヤ温めすぎて、思ったよりも内圧が上がってしまいました。いつも3周目にベストを出すんですが、この3周目でオーバーラン気味になったのも痛かったです。昨年の自分と変わらないタイムになってしまいました。まだ、上げられたと思うので残念です。決勝はスタートでどう決められるかが、重要ですね」

 

予選3位 #38 浅井健人選手

「自己ベストを大幅に更新できました。こまでタイムが出ていると思っていなかったので、びっくりしています。コースインした時にタイヤが冷えている感覚があったので、アウトラップでいかにタイヤへと熱を入れるかを意識しました。決勝は後ろに佐藤選手がいて、レースの経験も豊富なので、この順位を守るのは難しそうですが、まずはレースを楽しみたいです」

 

Class2



予選1位 #24 長澤宏昭選手

「クルマに任せて、素直に走った結果です。無理もなく、結果的にタイムが出たという印象です。ポールを獲ったのは中止になった昨年の菅生以来なので、それ自体はとても嬉しいですね。飯田選手と篠原選手のタイトル争いの邪魔にならないように、自分としてはシリーズ3位をしっかり狙えるよう、ひとつでも上でフィニッシュできるようにベストを尽くします」

 

予選2位 #15 荒田良浩選手

「今日はコンディションも良いので、1分11秒代が出ると思っていました。自分でもこのタイムで走れて良かったです。予選はロータス横浜が1-2-3なので、このままの3人で表彰台に上がりたいですね」

 

予選3位 #47 飯田敏雄選手

「緊張感があって、ちょっと踏みすぎてしまいました。一番大事なアタックラップでスピンです。タイムを狙っていたんですが、ミスしてしまいました。それでも篠原選手の前で予選を終えられたことにはほっとしていますが、レースは水物。予選ではなく決勝が一番大事なので、しっかり頑張りたいです」

 

Class 1賞典外 #2 佐藤考洋

「予選アタックは失敗してしまって、タイヤの美味しいところを使うことができませんでした。最終的にべストラップが4周目に出ているので、完全にアタックを失敗したということですね。それでも2分5秒台は見えていませんでしたから、皆さんの速さにビックリしています。気温が大きかったと思いますが、僕はそこに合わせられませんでしたね。決勝はトップのふたりが速いので、そこに付いていけるように、セットアップを調整して挑みたいと思います」

 

Class2賞典外 #2 柴田優作

「ロータス・カップに参戦するのは2012年以来になります。昨日、このクルマを初めてドライブしましたが、すでにセットアップも決まっていたので、ほぼ何も触らずに走れました。ただ、新品タイヤで走るのが初めてだったので、もう少しうまくアジャストできたような気もします。ポールポジションからのスタートになりますが、皆さんとレースを楽しみながら、クリーンなバトルができればと思っています。タイトル争いも掛かっているので、しっかりミラーで確認しながら、しっかり走りたいですね」

 



 

■決勝

LOTUS Cup Japan第4戦決勝レースが、11月28日(日)に栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。予選に続き、少し風はあるものの決勝のコンディションはドライ。12時5分から10周によるレースがスタートした。

 

セーフティカー先導のフォーメーションラップを経て、大きな混乱もなく一斉にスタート。ポールポジションの小林一景選手が危なげなくホールショットを決めた一方、予選4番手の佐藤考洋が抜群の蹴りだしで、清水友一選手と浅井健人選手をパスして2番手に浮上する。清水選手は1周目の3コーナーで佐藤を捉えて再び2位を獲り返し、清水選手と佐藤による2番手争いは、テールトゥノーズでレース終盤まで続く。後方からプレッシャーをかけ続けた佐藤は、5周目のダウンヒルの立ち上がりでシフトミスを喫した清水選手の隙を見逃さずにオーバーテイク、2番手を得た。

 



 

トップの小林選手はレース序盤からファステストラップを更新し、一時は2秒以上のリードを確保。終盤はいくつかミスがあったものの、最終的に、2位の佐藤に1.734秒差をつけてフィニッシュ。シーズン全勝を飾り、ロータス・カップ初タイトルに華を添えた。佐藤が賞典外となるため、3番手でゴールした清水選手が2位。「スタートで失敗してしまった」と振り返った浅井選手が3位表彰台を得ている。

 

クラス2はポールポジションの柴田優作が圧倒的なペースでレースをリード。飯田敏雄選手は、スタートで長澤宏昭選手と荒田良浩選手を捉えて、2番手に浮上。タイトルを争う篠原祐二選手も同様にポジションを上げるが、コンスタントに2分12秒代のラップを刻む飯田選手が、周回ごとに篠原選手との差を拡大する。レースは賞典外の柴田が、首位のポジションを守り切ってトップでゴール。篠原選手に7.993秒もの差をつけて優勝を手にした飯田選手が、第2戦菅生以来となる2勝目でうれしいクラス2王座を決めた。最終ラップまで続いた長澤選手と荒田選手による3位争いは、荒田選手の猛攻を凌ぎ切った長澤選手が制し、シリーズランキングでも飯田選手、篠原選手に続く3位を獲得した。

 



 

■コメント

Class 1

 



 

優勝 #11 小林一景選手

「今回はスタートで抜かれず、さらに後ろでバトルしてくれたので、戦いやすい展開になりました。ただ、中盤以降は自分のミスもあって、後ろの佐藤選手の接近を許してしまいました。毎戦毎戦『勝とう』と思って頑張ってきたので、4戦全勝もですが、最終戦で勝てたことが今は何よりも嬉しいです。クラス1はクルマが速くて面白かったです。ただ、もう少し多くの台数が参戦してくれていれば、良かったですね」

 



2位 #1 清水友一選手

「決勝は佐藤選手が素晴らしいスタートを決めて、予定と違う展開になりました。今シーズン振り返ると、小林選手が参戦したことで、かなり刺激になりました。本当に手強いドライバーでしたし、自分としてはいくつか課題が見つかったと思うので、それをクリアして来シーズンに挑みたいと思っています」

 

3位 #38 浅井健人選手

「スタートで失敗してしまって、どうなることかと思いました。今回の最終戦は少し空回りしてしまいましたね。今シーズンは開幕戦の富士に参加できなくて不安がありましたが、かなり練習を積んで、残り3戦に挑むことができました。練習でできないことは、本番でもできないと実感しています。今回、予選は決まったんですが、決勝はたくさんの課題が残りました。来シーズンはもっとしっかりトレーニングして、ライバルに負けないように頑張りたいです」

 

Class2

 



 



優勝 #47 飯田敏雄選手

「嬉しいです。今年は少し、自分としても成長を感じることができました。昨日、ゲストの柴田選手から色々と教えていただいて、自分のダメなところを修正することができました。自信を持てたので、『ベストを尽くすだけ』だと、迷いがなくなりました。決勝は目の前に柴田選手が走っていたので、追いかけることで勉強にもなりましたし、ドライブに集中することができました。後ろやタイムはまったく見ずに、ひたすら集中力を切らさずに前を追うことができたと思います」

 



2位 #5 篠原祐二選手

「悔しいですね。自分では100%で走って、力及ばずという感じです。ロータス・カップは、皆さんがクルマ好き、レースが好き、週末に楽しむことが好きという、昔と変わらない雰囲気に溢れていました。そういった人たちと一緒に過ごす時間はかけがえないものだと実感しています。スポット参戦と違って、シーズンを通して参戦すると、最終戦への緊張感が生まれたり、学びや楽しさも多いですね。来年はもう1回チャンピオンを目指そうと思っています」

 



3位 #24 長澤宏昭選手

「クリーンなバトルで、楽しかったです。今シーズンは4戦中3戦でトラブルに見舞われたので、最後にトラブルフリーで走れたのが大きかったです。エンジョイはしましたが、やはり悔しさも残りました。ただ、ロータス横浜のチームメイトである飯田選手がタイトルを獲得できたし、ランキング3位に入れたので、チームとしては良かったですね。また、来シーズンに向けて、準備を進めたいと思います」

 



Class 1賞典外 #2 佐藤考洋

「楽しいバトルになりました。蹴り出しが良く、スタートが完璧に決まって、前に出ることができました。予選のタイムは圧倒的に清水選手が良かったので、そこからは無理をせずに、小林選手と清水選手についていこうと考えました。今シーズンは小林選手という若いドライバーが参戦したことで、すごく面白いシーズンになりましたね。かなり速くて、僕としては太刀打ちできないままに終わったのは悔しいですが……(笑)。クラス2も最後まで僅差の争いになりましたし、来シーズンも面白くなりそうな予感がしています」

 

Class2賞典外 #2 柴田優作

「レース自体は、クラス2トップからスタートして、安定したペースのままフィニッシュできました。前を走るクラス1も、後ろのクラス2もマナーを守った上でのクリーンな良いバトルをしていて、素晴らしかったですね。参加者の皆さんからは『ドライビングの参考になった』と言っていただけて、すごく嬉しいですし、また皆さんと走れたらと思っています」

 

今シーズンもたくさんの熱いバトルを見せてくれたドライバー達。来シーズンに向かって各々が次の課題へ進んでおります。来年もLOTUS CUP JAPANを宜しくお願い致します!

 

ポイントランキングはこちら:http://www.lotus-cars.jp/motorsport/lotus-cup/images/results/pdf/2021/pointranking.pdf?20211130