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スーパーGT 第1戦 岡山GT300kmレース 公式予選レポート

2015/04/04


金曜日の時点で強い雨に見舞われた岡山国際サーキット。しかし予選が行われる土曜日は、路面は濡れた状態ながらも朝の時点ではくもり空を保ち、2015年最初のスーパーGT、岡山ラウンドは無事に開幕しました。

公式練習
9時から公式練習走行がスタート。No.2 SGTーEVORAのステアリングを最初に握ったのは加藤寛規選手。鈴鹿でのクラッシュ以来、初めての走行となりましたが、インターミディエイトタイヤ(淺溝のレインタイヤ)で順調に周回を重ね、30分を過ぎた時点で1分37秒723をマーク、全体でも4番手につける好スタートを切りました。その後は高橋選手が走行を開始。徐々にマシンに慣れながら1分42秒台までタイムを上げて行きましたが、路面が乾くに従ってインターミディエイトタイヤの消耗が激しくなり、ピットイン。スリックタイヤに交換すると同時に、そのグリップを確かめるべく加藤選手が再びス

テアリングを握りました。ドライ路面になってからのタイムはトップ勢が1分28秒台に突入。この時点で加藤選手はまだタイヤを暖めきっておらず、1分36秒741で19番手でしたが、コースでは2度に渡りGT500マシンがコースアウトし、2回の赤旗中断となりました。

走行再開後は加藤選手が周回を重ね、タイムも1分28秒962までアップ。ここから高橋選手に再びマシンを託したとき、マイナートラブルが発生しました。スターターシステムの故障によりエンジンを始動させることができなくなってしまったのです。その修復のため、No.2 SGT-EVORAの走行はこれで終了。GT300クラスの占有時間も走ることができず、No.2 SGT-EVORAは31周を走り、GT300クラス16位でした。少しでもマイレージを伸ばしたいNo.2 SGT-EVORAにとっては、マイナートラブルが惜しまれる結果となりました。

公式予選
14時50分から定刻通り予選が開始されました。スーパーGTの予選は、F1と同じノックアウト方式。参加台数は28台、そのうち1回目の予選(Q1)を通過した13台が予選2回目(Q2)へと進出することができ、残りのマシンはQ1の順位でグリッドに着きます。ピットでは、予選直前までシリアスな状況が続いていました。公式練習走行中に発生したスタータートラブルが深刻化し、マシンのリアセクションはバラバラに分解されていたのです。しかしメカニックの迅速な処置により、No.2 SGT-EVORAは無事にコースイン。Q1ドライバーは加藤寛規選手が務めました。

Q1は12位までが27秒台にひしめき合う大接戦となりました。しかしSGT-EVORAは最後まで十分にタイヤを発熱させることができず、1分28秒302で17位。わずかに3番手届かず、Q1を敗退する結果となってしまいました。

 

Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス

チーフエンジニア : 渡邊信太郎
Q:練習走行後に発生したスターターのトラブルは大丈夫だったのですか?
「無事に直りました。SGT-EVORAはマザーシャシーマシンでも唯一のミドシップなので、スターターのシステムがTOYOTA 86勢とは違って複雑なんです。そのリンク機構が壊れてしまったんですが、手持ちのスペアパーツで修復しました。決勝も走れると思いますよ」

Q:公式練習走行では、持ち込みタイヤを発動させるのに苦労していたようですが?
「今回持ち込んだタイヤは、僕らのマシンに対して(構造が)硬かったんです。SGT-EVORAはフロントにエンジンがないため、フロント荷重が軽いのはある程度想定していたのですが、予選ではさらにリアタイヤも荷重を掛け切れていないことがわかりました。
これは3月に行われた岡山のテストを走れなかったことが響いていますね。タイヤは鈴鹿でタイムが出たものをベースに、開幕戦を想定してヨコハマゴムが準備してくれたものです。テストができていれば、より良い方向性を見出すことができたと思います。」

Q:鈴鹿と岡山ではどのようにコース特性が違うのですか?
「簡単にいうと、鈴鹿は中高速コーナーが多く、速度が高いためにダウンフォースが大きくかかります。逆に岡山は低中速コーナーが多いので、メカニカルグリップを上げることが大切になってきます。どのコースもダウンフォースとメカニカルグリップのバランスをうまくミックスさせながらセッティングするのですが、今回はそのどちらにおいても荷重をタイヤにうまくかけることができないため、タイヤのグリップが引き出しにくかったんですね。
それでもドライバーとディスカッションを重ねながら、対策は進めています。明日は雨の可能性もありますが、無事にレースを終えたいですね」

ドライバー:加藤寛規選手
「公式練習走行で気になった部分に改善を施して望んだんですが、まだ少し足りていなかったかな…。また我々が思っていたのと違うところにも問題が出ていて、まだまだやりたいことが山ほどありますね。根本的には、タイヤをもっと発動させたい。でも今週は、あるもので対処しなくてはいけないですから、できることをしっかりやるだけです。その確認が取れたのだけでも良かったですよ」

ドライバー:高橋一穂選手
「とにかく自分はマイレージが稼げていないのでね…。順位はどうあれ、予選で少しでも走れれば良かったんですが。でも加藤選手であの順位だったので、(17位という結果)はもう仕方ないと思います。明日もフリー走行とウォームアップ走行があるので、そこで少しでも多く走りたいですね。ただ雨の可能性も高いので、とにかく壊さないように。このあとに控えるSUGOのテストは、マシンを熟成させる意味でも絶対に走らなくてはいけないですから」

 


2015.04.04