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LOTUS F1-F1 オーストラリアGP

2012/06/25



今週末に開幕-F1 オーストラリアGP

シーズン開幕前だというのに2012年は歴史に残る年となった。ほとんどのVIPドライバーが名を連ね、6名のワールドチャンピオンがスターティンググリッドに並ぶなど、これまでなかったことだ。

言葉少ない芸術家キミ・ライコネンがラリー参戦を終え、ロータスF1チームで復帰を果たした。彼が2007年にフェラーリでタイトルを勝ち取った時、参戦しているチャンピオンは他にコンキスタドール、フェルナンド・アロンソ一人だけだった。しかし今や、3期連続優勝を狙うベビーフェイスの異端児セバスチャン・ベッテル、気まぐれなルイス・ハミルトン、ミスター・スムース、ジェンソン・バトン、そして、まるで若いファイターと戦うロッキー・バルボアが体重検査を受けるかのような43歳ミヒャエル・シューマッハがいる。それをカムバックと呼ばないことだ。(シューマッハの走りは黄金時代を彷彿とさせる。)
彼らは14の世界タイトルを戦ったが、2012年のトロフィーも有名な彼らのうち誰かが獲得し、そのスイスの別荘に置かれることになるだろう。

F1マシンはもちろん技術的に世界で最も進んでおり、最も高価で、速く走ることを考えて作られたレーシング・マシンだ。クラッシュ・ストラクチャーのレギュレーション変更のため、今年はまるでドアマンと喧嘩するような状況になりそうだ。ノーズはカモノハシのくちばしのような形状で、マクラーレンのMP4-27だけがこの「手続」対応を見落とし、美的要素を保っている。しかしマクラーレンは本当に見落としたのだろうか。カモノハシであろうがなかろうが、最速のマシンは見栄えが美しいであろうし、テストではロータスのE20がリードしている。

 


ロータスは大人しく見えて自信たっぷりだ。プレシーズンテストを最速で締めくくり、ロータスE20は速く信頼性が高いようだ。フロントサ スペンションストラットの一つでの設計上の問題点が、危うくチームの準備作業を台なしにしかけたり、はたまたその問題を解決するために奔走して何週間ものテストに費やしたりしたが、チームはこれらの課題を糧として彼ら全員が自分達の能力を確信するに至っていた。

近年マクラーレンはシーズンをゆったりとスタートし過ぎるあまり自らの首を締めてきた。過去2年間君臨し続けたレッドブル・レーシングは、今回再優勝の最有力候補と目されている。最多の優勝回数を誇る長寿チームのフェラーリはプレシーズンテストに苦戦しており、前半シーズンに行われたメルセデスGPから伝わってくる熱気を感じているかもしれない。

そんな混乱の渦中でロータスは不透明ではあるものの、彼らの目標はチャンピオンシップを上位4位入賞で終えることである。去年のGP2チャンピオンシップに勝利してフルタイムのF1に戻ってくるキミ・ライコネン、そしてチームメイトのロマン・グロージャンはオーストラリアで大量のポイント…はたまた表彰台を取るために躍起になっている。そしてシーズン経過してもなおレッドブルを追撃して離れないこと、これこそがチームにとっての課題となる。

3月18日メルボルンで開幕し11月25日サンパウロで終了となる20レースに及ぶこのシーズンは、前代未聞の巨大で長いシーズンとなるだろう。