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LOTUS CUP JAPAN 2018 第1戦 レースレポート

2018/05/01

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 JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2018年シーズン開幕戦が4月15日(日)にツインリンクもてぎで開催された。18年シーズンのLOTUS Cup Japanは、もてぎでの開幕戦からスタートし、第2戦富士スピードウェイ(5月13日)、第3戦スポーツランドSUGO(7月29日)、第4戦富士(9月2日)、第5戦岡山国際サーキット(10月14日)、第6戦富士(11月4日)という、全6戦が予定されている。 注目は初開催となる第5戦の岡山。2月3日にロータス広島がオープンしたこともあり、西日本での開催が実現した。各地の選手がより参戦しやすくなったと言えるだろう。また、第4戦の富士は「JAPAN LOTUS DAY」内のエキシビションレースという特別戦扱いとなる。シリーズポイントが同ポイントだった場合に、このエキシビションレースの順位が適用される。 クラス区分は、従来の「エキシージS(V6)/エキシージスポーツ350」によるクラス1に加え、V6 3500ccスーパーチャージャーエンジンを搭載した「エキシージスポーツ380/エキシージCUP380」限定の「クラスA」が新たなトップカテゴリーとして設定された。クラス2には「エリーゼSPRINT220(2ZR)」と「エリーゼSPORT220(2ZR)」が、クラス3には「エリーゼSPRINT(1ZR)」と「エリーゼSPORT」がそれぞれ追加されている。開幕戦はクラス1に賞典外の選手を含む6台、クラス2に1台という7台がエントリーした。 もうひとつ大きなトピックが横浜ゴムから供給されるワンメイクタイヤの変更。18年シーズンから、エキシージスポーツ380/CUP380、エキシージS(V6)/エキシージスポーツ350の指定タイヤが「ADVAN NEOVA AD08R」から「ADVAN A052」となった。このタイヤを予選から決勝まで使用する。YAZB9173
■予選
予選は午前9時45分にスタート。直前まで降り続いていた雨は予選スタート時点ではほぼ上がっており、事前に他のレースの予選も行われたことで、レコードラインの路面はどんどん乾いていく。それでも予選の10分間を終えるまで、リヤタイヤからは水しぶきが上がるようなウエットコンディションでのアタックとなった。

 幸先よくトップタイムをマークしたのは、ゲストドライバーとして賞典外で参加した雑誌「Tipo」の編集長・佐藤孝洋だった。佐藤は周回を重ねるたびに約1秒ずつタイムアップを果たし、いち早く2分19秒台に突入する。後続では荒田良浩もタイムアップしていくが、クリアラップを取れなかったため、ピットイン。タイヤの内圧を調整して再びコースインし、佐藤に迫る作戦だ。昨年シリーズ2位の草野誠二、エキシージに乗り換えて2年目の飯田敏雄はともに20秒台の壁をなかなか破れない。

 予選も終盤に差し掛かり、最終ラップ前に荒田が佐藤をとらえ、0.634秒上回る2’18″234というタイムをマークする。しかしその直後、ホームストレートに戻ってきた佐藤は、その荒田のタイムをを0.5秒上回る2’17″854をたたき出して予選が終了。佐藤がポールポジションを獲得し、荒田が2位、飯田が2’20″281で3位、草野が2’20″665で4位につける。ここから少し離れて、東浩平が2’23″993で5位、Kaber McLeanが0.5秒差の2’24″421で6位。今回、1台のみの出走となったクラス2の秋葉有一は、次戦以降をにらんでデータ収集のための参戦。おろしたてのニューマシンをいたわり、予選タイムのみ記録、1周だけで予選を終えている。

■コメント
Class 1
予選1位 #2 佐藤孝洋
「雨がやんだので、コンディションがどんどん良くなるだろうと考えていました。予選終盤にタイムが上がってくると思ったので、僕自身は最初から慣らすつもりで早めに入って、最後まで走ろうというプランです。予想通りラストラップにいいタイムが出ましたね。あまり大きな失敗もなく走れたのは予定通りでしたが、トップは取れると思ってはいなかったので、これは予定外でした。(笑)」

予選2位 #15 荒田良浩
「ウエットでしたが、だいぶ乾いてきている箇所もあったので、ドライ時のラインで丁寧に走ってみました。そんなに滑るという感覚はありませんでしたね。午後はドライになりそうですし、路面は徐々に良くなってきています。予選は出ていく順番を間違えて渋滞していたので、途中でピットに入りました。これでアタックが1周しかできませんでした。あともう1周はしたかったです。」

予選3位 #47 飯田敏雄
「一昨年の段階で初めて今年の仕様ができあがって、いま慣れている最中です。ようやく面白くなってきた感じです。今日は雨でしたが、結構楽しく走れました。草野選手の後ろにずっとついて走っていたので、タイムはまあまあです。それよりも走る距離を伸ばすことの方が大事かなと思っています。コースとしては、去年の(最終戦)もてぎは台風で土砂降りだったので、それに比べたら今日はドライみたいなものですよね。(笑)」

予選4位 #55 草野誠二
「雨が降るんだったら、降ってもらいたかったという感じでした。このようなコンディションでの練習はしていなかったので、難しい路面に感じました。ハードウエットならもうちょっと変わったと思うんですが……。マシンはドライ仕様になっているので、ドライならなんとか上位にいければと思っています。ここには勝ちに来ているので、決勝はなんとか勝ちたいですね」

Class2
予選1位 #16 秋葉有一
「クラス2は1台だけなのでどんなタイムを出してもグリッドは最後尾なんです。コンディションも午後は晴れるという状況の中でリスクを冒す理由もないので、とりあえず1周だけタイムを出してそのまま引き上げてきました。ご覧の通り屋根もないですし、雨に降られてもつらいですしね(笑)。クルマも新しくなってまだまったくフィーリングがつかめていないので、いかに早く慣れるかというところです。」

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■決勝
 LOTUS Cup Japan開幕戦決勝レースが、4月15日(日)に栃木県・ツインリンクもてぎの10周にて行われた。1列目は2分20秒を切っている佐藤孝洋と荒田良浩のふたり。2列目には2分20秒台で並ぶ飯田敏雄と草野誠二が並ぶ。6番グリッドの予定だったKaber McLeanは、フォーメーションラップ時の進路を誤り、ピットスタートとなった。

 雨は完全に上がっており、路面コンディションは予選以上に回復。それでもレコードライン以外は、まだ濡れた箇所もある。緊張のスタートを決めたのは、3番グリッドの飯田。会心のホールショットで佐藤に並び、そのまま1〜2コーナーでイン側につけてトップに躍り出る。しかし、130RからS字にかけて佐藤が迫り、V字コーナーではアウト側から飯田にかぶせてトップを奪い返した。するとバックストレートで抜群の伸びを見せた飯田が90度コーナーでインに飛び込み、最終のS字ではラインがクロスし再び佐藤が前に出る。

 オープニングラップから僅差のバトルを繰り広げる佐藤と飯田だったが、その後方から3位につける荒田がファステストタイムを奪取して追い上げ、上位3台がほぼ等間隔に並ぶ展開に。昨年シリーズ2位の草野は「タイヤのグリップもあまり感じないし、なんだかスピードが出なかった」という状態で、単独で4位を走行している。

 上位3台が膠着状態となった5周目、90度コーナーで2位の飯田に3位の荒田が迫るが、荒田が突っ込みすぎてやや離されてしまった。荒田はなおも数周をかけて詰め寄ったが、9周目の3コーナーでアウト側にはらみ、優勝争いからは脱落。2台での一騎打ちとなった9周目、飯田がこのレースのファステストタイムで佐藤にプレッシャーをかけるが、追撃もここまで。

 ほぼドライコンディションとなったファイナルラップでも、佐藤は着実な走りを見せ、そのままトップでフィニッシュ。佐藤は賞典外のため、クラス1は飯田が自身初優勝を達成。2位は荒田、3位は不調を感じつつもしっかり完走した草野。決勝で徐々に走り方に慣れていったという東が4位、ピットスタートのMcLeanが5位という結果となった。クラス2の秋葉はシェイクダウンとなったエリーゼを慎重に操りながら、着実にタイムを詰めてフィニッシュ。シリーズポイントにはカウントされないものの、クラス連覇に向けて価値ある勝利を手にしている。

 

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■コメント
Class 1
優勝 #47 飯田 敏雄 選手
「まだ信じられません。正直、いきなり勝てるとは思っていませんでした。スタートが決まって、トップに立てたのでそこからは頑張りました。今日は雨でもあったので、ストレートでスピードを伸ばせるように意識して走りました。それもあって、ホームストレートやバックストレートで佐藤選手にも追いつけて、いい勝負ができました。クルマを変えたばかりで、ほとんど今日がシェイクダウンみたいなものだったんですが、タイヤも含めて走りやすかったです。ロータス横浜の皆さんに感謝です。幸先いいスタートが切れたので、次も勝ちたいと思います。」

2位 #15 荒田 良浩 選手
「ロータス横浜で1-2フィニッシュできたので、良かったです。今回、ターゲットは佐藤選手だったので、勝てなかったのが残念でした。本当は3台で絡めたら、もっと面白かったかもしれないですね。まだ少しドライビングに波があって、もっと練習しないとダメですね。練習した時間の順番です(笑)。去年がシリーズ3位だったので、今シーズンはやっぱり1番を取りたいです。」

3位 #55 草野 誠二 選手
「全然ダメでしたね。タイヤがまったくグリップしなかったので、足回りが悪いのか、どこかおかしいのか……。あまりにも差がありすぎるので……。もうちょっと速いはずだと思うんですけどね。もう少しウェットでの練習をしたいですし、あとはクルマをもう1回見直すつもりです。次の富士ではなんとか勝ちたいですね。」

賞典#2 佐藤 考洋 選手
「今日は完璧でした。ポールポジションから勝てて良かったです。飯田選手が素晴らしいスタートを決めましたが、あの状況だとアウト側の方が有利かなと思っていました。路面が乾いてきていましたし、内側は誰も通らないので……。自分の速いセクションがあったので、落ち着いてそこを狙って抜きました。あとは直線では飯田さんがいいスピードに乗っていたので、失敗しないように冷静に落ちついて走りました。路面がどんどん良くなってきていたので、最後までタイムも上がりましたね」

Class2
予選1位 #16 秋葉 有一 選手
「とりあえずクルマ自体がまだよく分かっていませんでしたし、コンディションも微妙だったので、無理をしないというのが大前提でした。路面がウェットだったので、ESPを切らないようにして走りました。今日のようなコンディションでは、この方がリスクが少なくて速いだろうと考えたんです。丁寧なドライブをすることで、クルマに対する無駄な負荷も避けらますから。今回の10周の間に、少しずつ新しいクルマについて、学習できたのかなと思っています。」

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