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【LOTUS CUP JAPAN 2022】Rd.3 @ スポーツランドSUGO レースレポート

2022/08/02

■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2022年シーズン第3戦が7月24日(日)に宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。
シリーズ唯一の東北開催となる第3戦にはクラス1に3台、クラス2に6台という計9台がエントリー。
賞典外のゲストドライバーとして、自動車雑誌『Tipo』編集長の佐藤考洋選手がクラス1に、モータージャーナリストとして活躍する橋本洋平選手がクラス2に参戦する。
多くのドライバーにとって菅生を走るのは1年ぶり。
練習走行から精力的ラップを重ね、日曜日の予選に挑んだ。
若干の風はあるものの、青空が広がる絶好のレース日和のもと、午前9時30分に20分の予選がスタート。
いち早くコースインしたのは、前戦富士でマシントラブルから思うような走行ができなかった、クラス1ランキング首位の清水友一選手だった。
清水選手は最初のアタックラップで、昨年自身が記録したコースレコードをコンマ5秒近くも縮める1’33.598を叩き出すと、早々にピットへと引き上げた。

遅れてコースインした佐藤考洋選手は、制御系のトラブルもあり1’34.600と清水選手のタイムに届かず。
清水選手が開幕戦の鈴鹿以来となるポールポジションを獲得。
2番手に佐藤選手を挟み、今回が菅生初挑戦となった佐野順平選手が、3番手タイムの1’36.652を記録している。


クラス2は、予選序盤で飯田敏雄選手が1’36.652、長澤宏昭選手が1’37.674と、こちらも昨年のコースレコードを上回るタイムをマーク。
ふたりはこの1本のみでピットへ戻った一方、「練習走行ができなかったのでプラクティスのつもりで走った」と語る荒田良浩選手は周回を続け、1’38.065までタイムを伸ばして見せる。
ピットで待機していた橋本洋平選手は、予選中盤にコースイン。
飯田選手と長澤選手のタイムを大きく上まわる1’36.164を刻んで、クラスポールポジションを獲得。
以下、2番手に飯田選手、3番手に長澤選手、4番手に荒田選手のオーダーで予選を終えている。

■コメント
Class 1
予選1位 #10清水友一
「予定通りの予選になりました。
この天候と路面では、いくら走ってもタイムは出ないと思うので、1周で決めようと思っていました。
菅生は高低差もありますし、やっぱり楽しいですね。
決勝はじっくり佐藤選手と見合いながら、スタートを切って、先頭に立てれば、そのまま行きたいですね」
予選2位 #33佐野順平
「今回が初めて走る菅生なので、まだ全然慣れていません。
金曜日から練習走行をスタートして、なかなか1分38秒台を切れなかったんですが、予選で1分36秒台を出すことができました。
決勝でもさらにタイムを伸ばしたいですね。
初めて走る菅生は掴みどころがなくて難しいです。
もともと富士がホームなので、キャラクターの違いに戸惑っています」
Class1賞典外 #2佐藤考洋
「予選は予期していなかった制御系のトラブルがアタックラップで出てしまい、不発に終わってしまいました。
ただ、トラブルを抜きにしても、清水選手のタイムには届かなかった気がします。
素晴らしいタイムでした。
菅生は高速コーナーや複合コーナーがあって、ロータスの特性を活かせるレイアウトです。
攻めていても本当に楽しいです。
決勝は清水選手といい勝負ができたらいいと思っています」

Class2
予選1位 #1飯田敏雄
「予選は抑えすぎてしまいました。
後から思うと、もう少し行けた気がします。
練習走行では激しい雨もありましたが、今日はとても気持ちのいいコンディションで走ることができました。
決勝はパワー差もありますし、気温も高い。
厳しいレースを予想しています。
レース後半のことを考えて走らないと、色々とタレてくる可能性があると思っています」
予選2位 #24長澤宏昭
「練習では調子が悪かったんですが、昨日橋本選手から色々と教わったことで、予選で良い走りができました。
理論的にコーナーにアプローチする方法で、それまでの自分の走り方とは全く異なりました。
予選は気温も高かったですし、エンジンも空冷なので、最初の1周で決めるつもりで挑みました。
決勝は橋本選手や飯田選手とはタイム差があるので、しっかり2位をキープして、どうなるかですね」
予選3位 #15荒田良浩
「予選は練習不足のわりには悪くない走りができました。
あまり練習走行ができていなかったので、プラクティスのつもりで走りました(笑)。
菅生は速度域が高いですし、楽しいですね。
予選はロータス横浜で1-2-3だったので、決勝もこのままのポジションで帰ってきたいです」
クラス2賞典外 #21橋本洋平
「予選はニュータイヤの旨いところを使うことができました。
前回の富士では、予選が上手くいかなかったので、今回はそこを考えて挑みました。
練習走行よりもコンマ9秒ほど早いタイムだったので、大成功です。
あらためて、ロータスで走る菅生は楽しいですね。
高速コーナーがたくさんあるので、スリリリングでありながら、そこを上手くクリアできた時の気持ちよさがあります。
決勝はなんとかこのポジションを守ってフィニッシュしたいです」

■決勝
「LOTUS Cup Japan」第3戦決勝レースが、7月24日(日)に宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。
午前中の予選と比較すると湿度が上がり、雲が広がっているものの、コンディションはドライ。
13時50分からフォーメーションラップを開始し、全車グリッドに整列すると、10周のレースがスタートした。
レッドシグナルがブラックアウトすると、ポールポジションの清水友一選手が抜群の蹴り出しでホールショットを決める。
2番手佐藤考洋選手を従えて順調に走行していた清水選手だったが、1周目の最終コーナーで制御系トラブルから、まさかのスピン。
グラベルまで侵入し、これで一気にクラス3番手まで順位を落としてしまう。
予想外の展開でトップに立った佐藤選手は、コンスタントに1分36秒台のラップタイムを並べ、2番手以下との差を周回ごとに拡大。
3番手の清水選手はトラブルの後遺症を抱えながらも、前を行く佐野順平選手を4周目のS字コーナーでパスし、2番手に順位を戻した。
順調に走行を続けた佐藤選手は、清水選手に20秒以上の大差をつけてフィニッシュ。
ゲストドライバーの佐藤選手が賞典外となるため、清水選手が開幕戦鈴鹿以来となるシーズン2勝目を獲得した。
菅生での初レースをしっかり走り切った佐野選手も、2位表彰台を得ている。
クラス2は切れ味鋭いスタートを見せた橋本洋平選手が、途中クラス1の混乱に巻き込まれながら、一度も首位の座を譲ることなくトップを快走。
スタートで2番手に浮上した長澤宏昭選手に対し、5周目のストレートでスリップに入った飯田敏雄選手が一気に差を詰める。
飯田選手は1コーナーのブレーキング勝負では前に行けなかったものの、ヘアピンの進入で長澤選手をオーバーテイク。
さらに3番手に順位を落とした長澤選手の背後には荒田良浩選手が迫り、最終ラップまでテールトゥノーズのバトルが続く。
レースは橋本選手が一度もポジションを譲ることなく、トップでフィニッシュ。
橋本選手も佐藤選手同様に賞典外となるため、優勝は飯田選手。
荒田選手のプッシュを最後まで守り切った長澤選手が、2位表彰台を手にした。

■コメント
Class 1
決勝1位 #10清水友一
「1周目の最終コーナーで制御系のトラブルでスピンしました。
それ以降はエンジンが6500回転までしか上がらない状況でしたが、走り切れて良かったです。
それでも菅生でのレースは面白いですね。
決勝は厳しい展開になりましたが、今回は予選で良い走りができたので満足しています(笑)」
決勝2位 #33佐野順平
「清水選手がマシントラブルで失速したこともあって、思わぬチャンスが転がり込んできたんですが、自分自身が内圧調整をミスしてしまって、まったくペースがあがりませんでした。
それでも菅生でのレースはとても楽しかったです。
まだ、ロータスに乗り換えて1カ月ですが、次までにはしっかりと慣れて、勝負ができるようにしたいですね」
Class1賞典外 #2佐藤考洋
清水選手が1周目の最終コーナーでスピンしてしまったので、かなり楽な展開になりました。
バトルができれば……と思っていたので、残念です。
菅生のコースレイアウトは高速コーナーも低速コーナーもあって、ロータスでの走行に適しています。
今回も心からドライブを楽しむことができました。
次のロータス・デイは、清水選手とクリーンなバトルを楽しめることを願っています」

Class 2
決勝1位 #1飯田敏雄
「激しいバトルもあって、とてもタフなレースでした。
それぞれが速い箇所と遅い箇所が違うので、なかなかオーバーテイクができませんでしたね。
第1戦も相手のミスによって転がり込んできましたし、優勝しましたが、もう少し自分としては完成度を高めたいです。
スタートもミスしましたし、楽しいレースでしたが、反省の多いレースでした」
決勝2位 #24長澤宏昭
「クラス2はいつも接戦で面白い展開になりますね。
飯田選手や荒田選手ともいいバトルができました。
予選でのタイム差が1秒近くあったので、決勝は離されると思っていたんですが、自分自身が予選から決勝までに成長できたことを実感しました。
レース前に橋本選手やエンジニアの渡邊信太郎さんから教えていただいたことを、レースでも実践することができました。
冷静に走れたことが、今回の2位につながったと思います」
決勝3位 #15荒田良浩
「見ていた人にも楽しんでいただけたと思います。
これからもみんなで接戦で楽しめるようなレースができればと思います。
次回も期待していてください。
エリーゼで菅生を走るのが今回が初めてなんです。
今回はあまり練習の時間が取れなくて、決勝も練習のつもりで走りました。
ただ、だいぶ慣れてきたので、決勝のペースを考えると、予選でもそれなりのタイムが出せると思います」
クラス2賞典外 #21橋本洋平
「1周目の最終コーナーでスピンした車両があったので、登りストレートで減速したら、集団に飲み込まれてしまいました。
スタートはうまくいったんですが、アドバンテージがすべて帳消しになってしまいしたね(笑)。
後ろからの追い上げもあって、かなりしんどいレースでした。
菅生でのレースは面白いからこそ、危ない箇所もあります。
気温も高く、長い時間を走るとタイヤやブレーキがタレてくるので、その辺りをコントロールしながらのレースになりました」



「LOTUS CUP JAPAN 特別戦 @ 富士スピードウェイ」は10月9日に「JAPAN LOTUS DAY2022」との同時開催!お楽しみに!

リザルトやポイントランキングは下記リンクよりご確認下さい。
http://www.lotus-cars.jp/motorsport/lotus-cup/results.html