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LOTUS SGT-EVORA 鈴鹿テストレポート

2015/03/11

 

鈴鹿テスト DAY 1
待望のシェイクダウンテストを終え得た S-GT EVORA(No.2 CarsTokaiDream28/ドライバーは加藤寛規・高橋一穂)は、3月5/6日の2日間に渡って開催された、鈴鹿サーキットでのメーカーテストに参加しました。 午前と午後で各2時間半ずつ、合計5時間のテストが2日間。開幕までの時間のなさを取り戻す絶好の機会でS-GT EVORAは、最初から非凡な走りを見せました。
ドライバーは、加藤寛規選手。シェイクダウン時そのままの状態で走ったタイムは2分4秒台から始まり、2分2秒台へ。ここから車高やエアロパーツのセッティングを変更し、あっさりと2分00秒830までタイムを更新したのです。 その後は高橋一穂選手も初めてS-GT EVORAのステアリングを握り、その感触を確かめました。タイムは2分05秒329まで伸び、ここから習熟段階に入りたいところでしたが、チームとしてはセットアップを優先。午後の走りに備えて加藤選手にステアリングを託しました。

午後は加藤選手によるセットアップが更に進み、新たなサスペンションパーツの試走やサードダンパーのセット変更を確認。そして遂に今回のメインテーマであるタイヤテストへとメニューが進みました。 しかし、ここで予想もしないアクシデントがS-GT EVORAを襲います。 1セット目のタイヤでは2分00秒259、2セット目のタイヤでは1分59秒646と、素晴らしいペースで快走していた加藤選手は、鈴鹿最速のコーナーである130Rでまさかのコースアウト。ランオフエリアのコンクリート部分をも使い減速を試みたものの、S-GT EVORAはグラベルを超えてスポンジバリアに激突してしまいました。 幸いにして加藤選手は無事、クラッシュの原因も、マシンやドライバーの過失ではない、ということがわかりました。しかしGT500クラス用のセッションで赤旗を出したことにより(GT300マシンは相乗りという形でした)、その後の走行は出場できなくなってしまいました。 とはいえマシンもウイングが大きく破損しており、チームとしても午後の走行は残り1時間半を残してキャンセル。これを修復するために、ガレージへとマシンを戻すことになりました。


鈴鹿テスト   DAY 2
テスト初日の走行でウイングを破損したSGTーEVORAは、ムーンクラフトカーズのスタッフによる徹夜の修復作業で、何事もなかったかのように2日目のテストに姿を現しました。 SGTーEVORA用の大型ウイングが破損したことで代わりに取り付けられたのは、これよりもやや小振りなウイング。同じマザーシャシーをベースに作られるトヨタ86用のパーツで、チームがセットアップの選択肢のひとつとしてストックしていたものでした。  ウイングひとつで徹夜の作業となった理由は、まずムーンクラフト本社から鈴鹿までウイングを搬入する必要があったため。そしてウイングの取り付けステー部分をいちから作り直したためです。空力性能はSGTーEVORAの生命線。これを取り付けるステーは高い精度で作られる必要があります。これをいちから作成し、SGTーEVORAのボディにフィットさせるために、メカニックたちの高い技術が求められる夜となりました。

鈴鹿用ではないウイングで、走行安全性やダウンフォースの影響はどれくらいあるのか…。そんな心配をよそに、テスト2日目で最初にステアリングを握った加藤選手は1分59秒524をマーク。これは初日のベストを超えるタイムであり、改めてSGTーEVORAのポテンシャルの高さを思い知ることとなりました。 初日でやり残したメニューを淡々と消化する加藤選手でしたが、その後もタイムは1分59秒173までアップ。ドライバーとしてもマシンの特性をある程度つかんだところで、高橋選手にステアリングを託すこととなりました。

午前中のセッションが残り1時間を切ったところで高橋選手がピットアウト。 しかし、ここで今回2度目の悲劇がチームを襲いました。 ピットロードを出たところでマシンはコントロールを失い、不運にもピット側のガードレールにフロント部分をヒット。速度は低かったものの当たり所が悪く、そのダメージはモノコック部分にまで及んでしまいました。 このアクシデントによって鈴鹿のテストは終了。カーボンモノコックの修復は短期間で行えるものではなく、予定していた岡山国際サーキットでの合同テスト(3月14/15日)もキャンセルせざるを得なくなりました。 ただしSGTーEVORAの走りは、チームの予想をも大きく超える素晴らしいものであることがわかりました。

 

 

4月4日から始まる開幕戦までわずかな時間しか残されていませんが、スタッフもロータス・ファンのみなさまにその勇姿を再び見せるべく、現在修復に励んでおりますので、引き続き応援のほど宜しくお願い申し上げます。開幕戦までの状況も、可能な限りこの場でお伝えするつもりです。