Lotus logo

SUPER GT 2019 第6戦 IN AUTOPOLIS 300KM レースレポート

2019/09/10


9月7日(土)/8日(日)の2日間にかけて、スーパーGT 6戦「AUTOPOLIS GT 300KM RACE」が開催されました。鈴鹿10時間耐久レースでの戦いを終えたばかりのチームは、迅速にシンティアム・アップル・ロータス(SGT LOTUS EVORA)をリフレッシュ。加藤寛規/高橋一穂選手と共に九州ラウンドを闘いました。

■公式練習走行

8:50から始まった公式練習走行では、まずエースドライバーである加藤寛規選手がドライバーを担当。タイヤ選択を中心としたマシンセッティングを行いました。
加藤選手は、序盤から1分46秒412の好タイムをマークして4番手に浮上。途中2回の赤旗中断を挟みながらも、順調にメニューをこなしました。また高橋選手も加藤選手からアドバイスを受けながらこれを着実に修正し、走りを整えて行きました。そしてGT300クラスの占有走行になると、加藤選手は1分45秒084のタイムをマーク。SGT EVORAは遂にトップへと浮上しました。これは午後から開催される予選への、さい先の良いスタートとなりました。


■公式予選1回目

14:30から始まった公式予選1回目(Q1)は、加藤選手が担当しました。
およそ1分間遅れてコースへと躍り出たSGT EVORAは、いつもより積極的にフロントタイヤを暖めながら、アタックへと備えます。そして3周目にアタックを開始した加藤選手は、公式練習走行を上回る1分44秒803をマーク。いきなりタイムボードのトップに、シンティアム・アップル・ロータスの名前を押し上げました。「最初から2周目で狙っていた」という加藤選手は、さらにセクター1、セクター2でもベストを更新。しかし終盤でアタックをやめていた車輌に行く手を塞がれる形となり、残念ながらアタックを中断してしまいました。その後もう一度アタックを試みましたがすでにタイヤのピークは終わりを迎えており、タイムは1分45秒台に。結局翌周にマシンをピットへと戻しましたが、SGT EVORAのタイムが破られることはありませんでした。

■公式予選2回目(Q2)

公式予選2回目は、15:15から始まりました。
高橋選手も加藤選手と同じく、短いウォームアップからのアタックを行うために前後との間隔を取ってコースイン。そしてまず4周目には、1分48秒596を刻みました。そして翌周はセクター1、セクター2共にベストを更新。しかしセクター3では逆にタイムを落としてしまい、ベストは更新したものの1分48秒491で16番手となりました。コーチでもある加藤選手いわく「失敗したのはその後の加速に一番影響するコーナーで、ここをまとめられていれば46秒台も可能だった」とその走りを評価。また「そのほかのコーナーは課題をクリアできて来ているので、決勝レースでその走りを維持して欲しい」と、高橋選手にエールを送りました。

 


■決勝レース

天候に恵まれた予選とは違い、日曜日の決勝レースは、厳しい闘いとなりました。
チームはレース中盤から雨が降ることを想定し、スタートドライバーに高橋選手を起用。ジェントルマンドライバーである高橋選手をなるべくよいコンディションで走らせ、ウェット路面を加藤選手に託す作戦を立てました。

16番手からスタートしたSGT EVORAは、オープニングラップでGT3勢に飲み込まれ、いきなり大きく順位を落としてしまいました。しかし2周目に一台のGT500マシンがクラッシュを喫し、オフィシャルはセーフティカーを導入。この結果ライバルたちとの差を開くことなく、高橋選手は体勢を整え直しました。ここで高橋選手は、セーフティカーランが終わった周に1分51秒台をすぐにマーク。その後若干ペースを落としながらも、ライバルたちに食らいつきました。しかし14周目を過ぎたあたりから雨が降り出し、19周目の1コーナーで痛恨のコースアウト。幸いマシンにダメージはなく、高橋選手は戦列に復帰しましたが、その後は難しい路面状況にペースを上げることができず、26周を終えて加藤選手へとバトンを渡しました。

交代した加藤選手にとっても、厳しい状況は続きました。
局地的には雨が激しさを増しながらも、まだまだ路面的にはレインタイヤを履く状況ではなかったのです。
こうした難しいコンディションと、復帰したトラフィックの中でSGT EVORAのペースはなかなか上がりませんでした。「オフィシャルからもブルーフラッグを振られてしまうような状況だった」という加藤選手のコメントが、その状況を物語っています。その後はさらに雨が激しさを増し、遂に45周を終えた時点で加藤選手はピットイン。レインタイヤに履き替えましたが、これによって勝負権は完全に失われてしまいました。
ここでチームはプランを切り替えました。最善の走りを尽くしながらも次戦の戦いを見越した走行データを収集し、路面が乾いてきた終盤にはスリックタイヤへと履き替えて周回をこなしたのでした。
それでもレースは最後まで走りきり、SGT EVORAは23位まで順位を回復してチェッカーを受けました。マザーシャシーにとっては非常に厳しいコンディションとなった九州ラウンドでしたが、チームは次戦へとつながる走りでこれを締め括りました。

■チーフエンジニア 渡邊信太郎

「今回はジェントルマンドライバーにとって、最も厳しいコンディションだったと思います。それでも一回目のセーフティーカー明けの5周ほどは、トップが遅かったこともあり高橋選手も集団について行く走りができていました。今後こうした走りを持続させることができれば、チャンスは訪れると思います。次戦もがんばりますので、応援をよろしくお願いします!」

■ドライバー 加藤寛規選手

「自分のスティントはコースに出たタイミングも悪かったし、天候も安定しない状況だったのでペースを上げることができませんでした。こうした路面だと、マザーシャシーには厳しいですね。もっと早い段階で雨が降ってきてくれれば、想定した闘い方もできたと思います。しかしデータ的にも明るい材料が得られたので、これを次戦に活かして行きたいと思います。」

■ドライバー 高橋一穂選手

「今回はピックアップにとても苦しみました。もっと走り出しからプッシュして、タイヤかすを落とすように走れないといけないのですが、とても難しかったです。当然かもしれないですが、加藤選手はそれがしっかりできているんです。これを自分にとっての大きな課題として、次戦につなげたいと思います。」