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【LOTUS CUP JAPAN 2019】Rd.1 レースレポート

2019/03/20

 


 

■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「Lotus Cup Japan」、2019年シーズン開幕戦が3月16(土)〜17日(日)に三重県・鈴鹿サーキットで開催された。19年シーズンのLotus Cup Japanは、鈴鹿での開幕戦を皮切りに、第2戦ツインリンクもてぎ(7月7日)、第3戦スポーツランドSUGO(7月28日)、特別戦富士スピードウェイ(9月8日)第4戦ツインリンクもてぎ(10月6日)、第5戦富士スピードウェイ(11月17日)という、全6戦が予定されている。

 

開幕戦の鈴鹿は2年ぶりのカレンダー復帰となり、F1グランプリと同じフルコースを使用。今シーズン唯一、予選を土曜日、決勝を日曜日という2デイで開催される。また、9月8日の富士は「JAPAN LOTUS DAY」内のエキシビションレースという特別戦扱いとなる。シリーズポイントが同ポイントだった場合、このエキシビションレースの順位が適用される形だ。昨シーズン最終戦富士から4カ月という短いインターバルで開催された鈴鹿ラウンド、トップカテゴリーのクラス1には5台が参戦。クラス2の3台を加えた、8台のエントリーとなった。クラス1には、昨年の第5戦岡山国際サーキット以来となる、自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋が賞典外のゲストドライバーとして参戦する。

 

3月16日、16時10分、20分間の公式予選がスタートした。直前に局地的な降雨に見舞われたたものの、コース全体が濡れることはなく、コンディションはほぼドライとなった。また、テントが大きく揺れるほどの強風が吹いているが、走行に大きな影響はなさそうだ。開始直後、いきなり好ラップを叩き出したのは、ゲストドライバーの佐藤考洋。予選前に「新品タイヤということもあるし、最初の1〜2周が勝負」と語っていたとおり、最初のアタックラップで2’20.867を記録する。同じく早いタイミングでのタイムを狙っていたのが昨シーズンの王者、飯田敏雄選手だった。佐藤には届かなかったものの、2周目に2番手に飛び込む2’21.309を刻んで見せる。

 

すると、上位ふたりは早々にアタックを切り上げてピットイン。その後、激しく争ったのが、ロータスでの経験豊富な草野誠二選手と今回がシリーズデビュー戦となる山本健一選手。コース上が団子状態となりクリアラップを取るのが難しいなか、最終アタックで山本選手がベストラップを記録するが、序盤に2’22.105を記録していた草野選手にわずか0.044秒届かない。この結果、ポールポジションは賞典外で参戦する佐藤が獲得。以下、2位に飯田選手、3位に草野選手、4位に山本選手、5位に荒田良浩選手というオーダーで予選を終えた。クラス2はレースデビュー戦となる西面一選手とIKURO MATSUBA選手の争い。6周目に2’24’893を記録した西面選手が嬉しい予選トップを手にしている。

 

■コメント
Class 1
予選1位 #1 飯田敏雄選手

「無心で走れたことが好タイムにつながったと思います。鈴鹿での走行を楽しむことができました。私の場合は、肩の力が抜けている方が良い結果につながっています。予選は上手くいきましたが、なかなか思うようにいかないのがレースです。狙いどおりと言うよりは、ただがむしゃらに走ったのが良かったのでしょう。明日は雨が降ってくれるといいですね。ウェットが得意というわけではなく、駆け引きが増えて面白くなるからです」

 

予選2位 #55 草野誠二選手

「力が均衡しているので、前に行かれてしまうと、ちょっと抜けない感じがします。だからこそスタートが大切になります。ユーズドタイヤで練習をしてきたこともあって、ニュータイヤにちょっと慣れていませんでした。鈴鹿はスピードレンジが他のサーキットと比べて5~10km/h速いので、思った以上に怖さがありました。そのアベレージスピードに体に合わせていかないと、これ以上は速く走れない印象です」

 

予選3位 #48 山本健一選手

「練習走行の印象だと、もう少しいけるかと思いましたが、ミスが多く前にいけませんでした。新品タイヤでの走行に慣れるまで、時間がかかってしまいました。結局ベストは最終ラップでしたから……。それでも修正すべき点が分かったので、決勝ではそこを修正していきたいです。うまく修正できれば、良いタイムが出せそうです。Lotus Cup Japanも初めてですし、エキシージでのレースも初めてです。エリーゼ・スーパーカップには以前出場しています。エキシージはエンジンパワーも凄いし、ボディも大きい。でも、思っていた以上に乗りやすいですね」

 

Class2
予選1位 #22 西面 一選手

「今回が初レースです。このレースに出るために、昨年末にライセンスを取得したばかりです。本音を言うと、予選はもっとうまく走りたかったのですが、ヘアピンで失敗してしまいました。経験値のなさがでてしまったのでしょう。本当は決勝を考えて、タイヤをマネージメントをすべきだったんですが、使い切ってしまいました。今年は5戦を予定しています。経験を積むことが目標になります」

 

賞典外 #2  佐藤考洋

「タイムが出せて、正直嬉しいです。やってきことが結果につながりました。新品タイヤでタイムを出すならば、最初の1〜2周しかないと考えていたんですが、1周目のアタックラップでタイムが出せましたね。もう少し走ることも考えましたが、コースが詰まっていたので、タイヤにグリップが残っているうちに走行をやめました。決勝は落ち着いてドライブするのみ。ただ鈴鹿ではウェットでの走行経験がないので、天候が少し気がかりです。クルマは壊せないので、雨が降ったら安全運転です。できればドライコンディションで走りたいですね。逃げきりたいです」

 


 

■決勝
Lotus Cup Japan開幕戦決勝レースが、3月17日(日)に三重県・鈴鹿サーキット(フルコース)8周で行われた。昼過ぎから夕方にかけて強く雨が降るとの予報どおり、午前11時ごろから雨が降り始め、コース上は水しぶきが立ち上がるフルウェット状態に。その後、雨は止み、一部にウェットは残っているものの路面は少しずつ乾きつつある。

 

管制内システムの不具合を理由に、10分遅れでスタート進行に。選手はウェット混じりの路面コンディションを確かめながら、慎重にフォーメーションラップを走行し、定刻から15分遅れの16時に決勝が幕を開けた。2番グリッドから猛然とダッシュをかけた飯田敏雄選手が、イン側からポールの佐藤考洋を抜いて、一気にトップに立つ。その後方では草野誠二選手を山本健一選手がかわし、3位に浮上。5位の荒田良浩選手が僅差で草野選手に続く。スタート直後に首位の座を譲った佐藤だったが、飯田選手の背後から隙を伺う。2周目のシケインで佐藤が飯田選手をとらえると、一気に引き離して独走。3番手争いは山本選手が4周目で区間新の走りを見せ、草野選手と荒田選手に大きく差をつける。4周目以降は佐藤、飯田選手、山本選手の間隔が広がり、それぞれが単独での走行となった。

 

一方、4番手争いは草野選手と荒田選手のデッドヒートの様相に。気温が下がり路面にウェットが残ったため、後半はどの選手も慎重な走りを余儀なくされ、そのままのポジションでフィニッシュ。トップでレースを終えた佐藤が賞典外となり、2位の飯田選手が優勝。昨年のチャンピオンが幸先良く、シーズン開幕を制した。2位はシリーズ初参戦の山本選手が嬉しい表彰台。最後まで荒田選手を抑えきった草野選手が、3位の座を手にしている。

 

クラス2は予選トップの西面一選手が1周目の最終コーナーで痛恨のスピン。すぐにエンジンを再始動してコースに復帰するも、IKURO MATSUBA選手にトップの座を奪われてしまう。「西面選手がすぐに追ってこなかったので、タイヤのことを考え慎重になりすぎてしまった」と振り返ったMATSUBA選手を、3周目に西面選手が抜き返す。その後、西面選手とMATSUBA選手のバトルはファイナルラップまでもつれ込んだが、西面選手がポジションを守りきり、デビューウィンを達成。3位の大屋彰利選手もすべての周回で、自己ベストを塗り替える好走を見せている。

 


 

■コメント
Class 1
優勝 #1 飯田敏雄選手

「スタートは良かったんですが、佐藤選手との経験値の差が出てしまいました。ウェットコンディションでなかったことも、少し残念です。路面は予測していなかった場所で滑ったり、正直怖い思いもしました。平常心で挑もうと思いましたが、無理でした。後ろを気にしないようにすればするほど気になってしまって……。バックミラーを見たら草野選手ではなく、山本選手が迫ってきて、焦りました。とにかく最高の仲間に恵まれているので、ここで自分の腕を磨いていきたいです」

 

2位 #48 山本健一選手

「路面が不安定で、所々ヒヤリとした箇所がありました。コンディションの影響もありましたが、走りに余裕がなかったですね。前を走る飯田選手を一生懸命追いかけましたが、プレッシャーをかけるまでに至りませんでした。でも、緊張感があって、いい勉強になりました。自分としては予選の成績が残念でしたが、ひとつでも上の順位にいきたいと思っていたので結果はうれしいです」

 

3位 #55 草野誠二選手

「こんな所で滑るのかと思うことも多く、非常に難しいレースでした。雨上がりのコンディションがこれほど難しいことが分かりましたし、すごく勉強になりました。順位を落としてしまったのは正直情けないです。予選序盤にタイムが出なかったので、フルに走ってタイヤを使ってしまったことが敗因です。もう少し予選の戦い方を考えないといけませんね。鈴鹿は一番苦手としているコースなので、次戦からはもっと良い成績を狙います」

 

Class2
 優勝 #22 西面 一選手

「鈴鹿は抜きどころがなくて一度前に出られたら難しくなると思い、スタートで逃げ切る予定でした。でも、派手にスピンしてしまいました。ある意味、予定通りですね(笑)。ただ、このコンディションで、MATSUBA選手がスピードを加減したのも分かったので、チャンスがあると思いプッシュしました。抜くことができましたが、その後もピタリと後ろにつけられて怖かったです。それでも拮抗したレースを戦えて、楽しかったです」

 

賞典外 #2 佐藤考洋

「スタート直後は失敗したと焦りましたが、飯田選手がウェットになった路面を探りながら走っていることが分かったので、これなら挽回できると思いました。レースでの経験値という点では私の方がありますから、それがアドバンテージになったのだと思います。この路面コンディションなら焦ることはないし、問題なくいけると思いました。こうやって素晴らしいクルマを用意して頂いた方のおかげで走ることができましたので、結果を残せて良かったです。機会がありましたら、ぜひ参戦させて頂きたいです」

 

 

 


 

今シーズンも熱いバトルに注目です。