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【LOTUS CUP JAPAN 2019】RD.3 @ スポーツランドSUGO レースレポート

2019/07/29


 

■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2019年シーズン第3戦が7月28日(日)に宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。開幕戦の鈴鹿から4か月、シリーズ唯一の東北開催となる仙台ラウンドは、トップカテゴリーのクラス1に5台、エリーゼ中心のクラス2に参戦する2台を加えた、7台のエントリーとなった。また、クラス1にはモータージャーナリストでレーシングドライバーの桂伸一が賞典外のゲストドライバーとして参戦する。夜半に降った雨の影響から朝のうちは路面にウェットが残り、コース上にも霧が立ち込めていたが、予選の段階で青空が戻ってきた。コース上の一部がウェットとなっているものの、ライン上はドライ。午前9時に20分間の公式予選がスタートし、ポイントリーダーの飯田敏雄選手を先頭に各車が次々とコースインした。


最初のアタックラップで飯田選手が、早くも昨年の予選タイムを大きく上回る1’34.997を記録。前戦でシリーズ初勝利を飾った山本健一選手が1’35.400、荒田良浩選手が1’36.188で続く。飯田選手、山本選手、荒田選手がアタックを切り上げて早々にピットへと戻る一方、残り時間12分を切った段階で、路面がさらに乾くことを待っていた桂伸一選手がコースイン。路面状況を確かめるように2周走行した桂だったが、再度ピットへと戻り、マシンチェック後にアタックへと向かう。


前日の練習走行ではトップタイムを刻んでいた桂だったが、1’35.468と飯田選手と山本選手のタイムに一歩届かず。「1回のアタックで終わる予定だったが、ミスがあったので再度チャレンジした」と振り返った飯田選手は、残り2分の段階で再びコースへと復帰するが、こちらも自身のベストラップを更新することができずに終了。この結果、飯田選手が今シーズン初のポールポジションを獲得。2番手に山本選手、3番手に桂、4番手に荒田選手、5番手にTAKASHI ITO選手というオーダーで予選を終えた。

 


 

クラス2は1’44.586のタイムを早々に叩き出した、昨年のシリーズチャンピオン秋葉有一選手が予選トップ。予選時間いっぱいを使って走行を続けた西面一選手が1’46.128までタイムを縮め、2番手に入っている。

 

■コメント

Class 1
予選1位 #1 飯田敏雄選手

「菅生は難しくて、危険ですが、やはり楽しいですね。久々のドライになったのも良かったですね。予選ではあまり走らず、1回の走行に集中しようと、練習の段階から考えていました。でも、1回目のアタックラップでミスをしてしまったので、もう一度コースインしたんですが、タイムを上げることができませんでした。決勝はドライになりそうなので、狭いコースですし、ミスをしないように気をつけたいです」

 

予選2位 #48 山本健一選手

「路面は心配していたウェットでなく、ライン上はドライでした。タイムについては、練習走行時よりも、ニュータイヤということで1秒くらい縮めることができました。鈴鹿、もてぎ、今回の菅生と、足回りのセッティングを変えてもらったことで、だいぶ乗りやすくなりました。自分の走りに集中できています。決勝は、できれば2連勝を狙っていきたいです」

 

予選3位 #15 荒田良浩選手

「完全にドライコンディションでしたね。前日まで練習していたことをきちんとやりたかったんですが、それができませんでした(笑)。決勝は2号車の桂さんには勝ちたいと思っています」

 


予選4位 #54 TAKASHI ITO選手

「疲れました。昨晩は雨だったので、ウェットを心配していましたが、ドライになって良かったです」

 

Class2
予選1位 #16 秋葉有一選手

「1回のみのアタックは、事前から決めていました。今回、ニュータイヤを入れたので、できるだけ決勝に向けて温存したかったからです。土曜日の練習走行で少し使ってしまったんですが、コンディションを理解することができました。コンディションはほぼドライで、少し気をつける箇所があったくらいです。菅生はチャレンジングで、日本中のサーキットでは一番好きな場所です。決勝は西面選手がどんどん速くなっているので、油断せずにしっかり気を引き締めて走りたいです」

 

予選2位 #16 西面 一選手

「菅生を走るのは今回が初めてなんですが、やっと楽しめるようになってきました。秋葉選手の2秒以内が目標だったので、決勝はついていくことが目標です。とりあえずコースをしっかり覚えるしかないので、タイヤのことは考えず、ひたすら走行を続けました。高低差があって難しいんですが、すごく面白さを感じました。緑の中を走り続けるので、とても気持ちが良かったです」

 

賞典外 #2 桂伸一

「以前、LOTUS CUP JAPANに参戦経験がありますが、エキシージで参戦するのは今回が初めてです。菅生の最終コーナーからの登りにかけてのスピードに驚きました。スーパーチャージャーや排気量の大きさを実感しましたね。やはり『111』とは違います。ロータスはミドシップのセオリー通りのドライブを求められます。ステアリングを切った状態でアクセルオフの時は良く曲がりますが、オフの状態が長すぎるとリヤがオーバーステアに変わっていきます。その見極めの難しさがありますが、そこに面白さがあります。ロータス使いの皆さんが揃っているので、決勝はそう簡単に行かないと思っています」

 


 

■決勝

LOTUS CUP JAPAN第3戦決勝レースが7月28日(日)に宮城県・スポーツランドSUGO10周で行われた。

予報は一部ウェットが残っていたが、午後には快晴の天候となり、コンデディションもフルドライ。強い日差しが照りつけるなか、午後1時15分にレッドシグナルがブラックアウトし、7台が一斉にスタートした。抜群の蹴り出しを見せたのは予選2番手の山本健一選手。ストレートでポールポジションの飯田敏雄選手をかわすと、トップで1コーナーをクリアする。山本選手、飯田選手に続いたのは、予選3番手の桂伸一、少し遅れて荒田良浩選手とTAKASHI ITO選手が続く。トップに立った山本選手は飯田選手を引き離すべくペースを上げ、周回ごとにその差を開いていく。3番手につける桂も前を走る飯田選手を追うが、なかなか差を縮めることができない。

 


 

レース中盤、「飯田選手の存在を気にしすぎてタイヤを使いすぎてしまった」と振り返った山本選手を、飯田選手が1秒差以内にまで迫る。落ち着きを取り戻した山本選手は、冷静に1分36秒台のタイムを取り戻し、終わってみれば飯田選手との差を2.046秒に広げてトップフィニッシュ。前戦ツインリンクもてぎに続き、2連勝を飾った。前のふたりを追った桂だったが、思うようにペースを上げられず、3番手でレースを走り切っている。白熱を極めたのは、荒田選手とTAKASHI ITO選手による4番手争い。テールトゥノーズの接戦が終盤まで続いたが、ベテランの荒田選手がTAKASHI ITO選手を抑えきり、4番手でフィニッシュ。先にゴールした桂が賞典外となるため、優勝した山本選手、2位の飯田選手に続き、荒田選手が3位表彰台を手にしている。

 


 

クラス2は予選トップの秋葉有一選手がスタートでストール。西面一選手の先行を許してしまうが、秋葉選手は1周目の最終コーナーで一気に差を詰めると、ストレート後の1コーナーでアウト側から並び、西面選手をパス。その後は終始安定したラップを刻み、西面選手との差を拡大して、シーズン2連勝を飾った。

 


 



■コメント

Class 1
優勝 #48 山本健一選手

「スタートがこれ以上にないくらいに決まりました。飯田選手に先に行かれてしまうと、抜くのが難しいコースなので、それが良い結果につながりました。後ろの飯田選手と距離がつかず離れずだったので、少し焦りがあって、タイヤを酷使してしまいました。後半、タイヤのタレがいつもより厳しかったです。やはりプレッシャーがあって、無理のあるドライブをしていたと思います。ここでしっかりポイントを獲れたので、気持ち的には楽になった気がします。後半戦も頑張ります」

 

2位 #1 飯田敏雄選手

「改めて、初心に帰る必要があると感じました。焦る気持ちにより、クルマを雑に扱っている気がします。ここ2戦くらい、丁寧なドライブができていないので、そこを詰めていかないと勝てないです。エキシージは丁寧なドライブが必要だと痛感しているので、それを解決する必要があります。次は頑張ります」

 

3位 #15 荒田良浩選手

「TAKASHI ITO選手が迫ってきていたので、抑えるのに必死でした。クルマはアンダーステアがきつくて、これ以上踏めない状態でした。でも、バトルができて楽しかったです。菅生は高速サーキットですが、キチンと曲げなければならない、テクニカルなコースですし、すごくいい経験になりました」

 

4位  #54 TAKASHI ITO選手

「荒田選手には遊んでいただいて、すごく楽しかったです。オーバーテイクするチャンスは一切なかったです(笑)。菅生は高速コーナーが多いので、一瞬も気が抜けませんでした。次に向けてしっかり練習します」

 

Class2
優勝 #16 秋葉有一選手

「スタートでストール気味になってしまって、西面選手に先行されてしまったんですが、2周目の1コーナーでブレーキ勝負を頑張って、抜くことができました。2ワイドになりましたが、フェアにお互いがラインをキープしてのバトルになりましたね。その後は、後ろを見ながら走りました。それにしても気温が高く、想像していたよりも体力的にもキツかったです。良い汗がかけました(笑)」

 

2位 #16 西面 一選手

「悔しいです(笑)。面白いコースなので、色々得るものが大きかったです。それでも、やはり前との差をもう少し詰めたかったですね。それが目標だったので。ブレーキにかなり負担が掛かっていたみたいなので、そのあたりを次戦につなげたいです」

 

賞典外 #2 桂伸一

「高速パレードに終わりましたね(笑)。スタートは良かったんですが、前車との差が等間隔になった状態から、バックストレッチで3速から4速へのシフトアップを3回もミスして、その都度離されてしまいました。でも、付いていくのがやっとでしたね。お話を聞くと、レース中に何度かミスしているそうなんですが、後ろから見ていると、しっかり走らせていて、改めて巧さを感じましたね。自分としては、ミッドシップの楽しさと難しさを味わったレースでした。菅生という場所も含めて、レースを堪能することができました。せっかくスポーツカーを買ったならば、一般道ではなく、サーキットで安全にクスマの能力を楽しんで欲しいです。LOTUS CUP JAPANはアットホームですし、自分の練習を発揮する場として面白さが詰まっています。僕も色々な意味で精神も鍛えられました(笑)」

 

次戦は9月8日(日)JAPAN LOTUS DAYにてエキシビションとして開催致します。お楽しみに!