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【LOTUS CUP JAPAN 2019】RD.5 @ 富士スピードウェイ レースレポート

2019/11/19



 

■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2019年シーズン第5戦が11月17日(日)に、静岡県・富士スピードウェイで開催された。富士でのロータス・カップ開催は、「JAPAN LOTUS DAY 2019」内で、エキシビションとして行われた特別戦以来、今シーズン2度目。3月の鈴鹿で開幕したシリーズの最終戦には、クラス1が4台、クラス2が5台の合計9台がエントリーした。今回、ゲストドライバーは前戦に続き自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋氏が参戦を果たしている。

 

秋らしい雲ひとつない晴天に恵まれ、午前9時10分に20分間の予選がスタートした。いち早く1’53.566の好タイムを刻んだのは、カーナンバー1を背負った飯田敏雄選手。現在、ポイントリーダーの山本健一選手は、最初のアタックはクリアラップを取れずに1’55.204に留まるが、続く2回目のアタックで飯田選手を上回る1’53.044を叩き出す。3番手には来シーズンからの本格参戦を計画し、今回は荒田良浩選手のマシンで参戦する清水友一選手。「とにかくマシンを壊さないように」を心がけたと語り、1’55.336で3番手につける。一方、賞典外ながらも抜群のスピードを見せてきた佐藤選手は、思うようなアタックをすることできない。残り10分を切った段階で1’54.444をマークし、清水選手を上回るが、上位ふたりには届かなかった。トップの山本選手、2番手の飯田選手ともに、自身のタイムを更新することはなく、このまま予選終了。山本選手が3戦連続のポールポジションを獲得。飯田選手が僅差の2位につけ、以下、3位佐藤選手、4位清水選手のオーダーで予選を終えている。

 



 

クラス2は2戦ぶりの参戦となる松尾修選手が、2’01.783の好タイムを記録し、予選トップを獲得した。このレースにタイトルが掛かっている秋葉有一選手は、最終アタックでミスを喫したこともあり、2’02.158と松尾選手のタイムに届かず、予選2位。3位に2’05.046のIKURO MATSUBA選手が続いた。現在クラス2のポイントリーダーの西面一選手は予コースオフからマシンをウォールにヒットし、2’06.421で予選4番手に沈む。決勝では秋葉選手が2位以上かつ、西面選手を上回る順位でフィニッシュすると、逆転で秋葉選手の連覇が決まる。

 



 

■コメント

Class 1

予選1位 #48 山本健一

「最初のアタックラップで決めて、早々に戻ろうと思っていたんですが、クリアラップが取れませんでした。それもあって、2回目の計測でのタイムになりました。それでも、も富士での自己ベストをかなり更新できたので、満足しています。決勝はスタートをしっかり決めて、ポールトゥウィンで最終戦を締めくくれたらと思っています」

 

予選3位 #47 飯田敏雄

「富士はやっぱりドライがいいですね。やっと少しだけ、自分の走りが戻りつつある……といった感じです。公式練習もあまり気持ちよく走れず、何かリセットできないかと、新品タイヤを履いて走りました。あまり気負いなく走ったのが良かったのかもしれません。ナンバー1ゼッケンで走るのは最後ですし、楽しんで走ります」

 

予選4位 #15 清水友一

「エキシージでのレースは難しいですね。前回と同じように来年に向けての参戦になります。決勝はやれることをやりたいと思っています」

 

Class2

予選1位 #77 松尾 修

「今日はこれまでの練習走行の自己ベストを2秒も更新しました。調子も良くて、気持ちよく走れましたね。富士はかなり練習しましたし、タイヤのグリップも良くて、予選トップが獲得できて嬉しいです。秋葉選手も速いですし、決勝はいいバトルができるといいですね」

 

予選2位 #16 秋葉有一

「いつもは1周でアタックをやめるんですが、今回はフロントブレーキのローターとブレーキを変更したので、慣らしのために、何周も走りました。松尾選手が速いのは分かっていましたし、最後にフルアタックを掛けたんですが、13コーナーの先でスピンしてしまいました。決勝はタイトル争いが掛かっているので、最低限この順位を守ってフィニッシュしたいです」

 

予選3位 #19 IKURO MATSUBA

「久々に晴れの予選となって、最高でした。路面の状況もよくて、楽しく走ることができました。上位のふたりに付いて行こうとしましたが、速かったですね。決勝はギヤが渋くなっているのが心配ですが、頑張ります」

 

ゲストドライバー(賞典外)

予選1位 #2 佐藤考洋

「失敗しまくってしまって、タイムが出ませんでしたね。クリアラップが取れなかったり、自分自身のミスもあったりで、アタックもあまりできませんでした。新品タイヤを履いたことで、クルマのバランスが少し変わってしまって、乗りにくかった印象です。ミスとアタックを繰り返して、そのまま予選が終わってしまいました。ドライ・ドライで行われるロータス・カップは久しぶりなので、決勝も楽しみにしています」

 



 

■決勝

LOTUS CUP JAPAN第5戦決勝レースが、富士スピードウェイ10周で争われた。予選に続いて晴天が広がり、ロータス・カップとしては久々に予選・決勝ともにドライコンディションで行われることになった。抜群の蹴り出しを見せた飯田敏雄選手は1コーナーにポールポジションの山本健一選手に迫るポジションで侵入すると、2コーナーで前に出る。さらに予選4番手からスタートした清水友一選手も山本選手に遅いかかかり、2番手に浮上した。その後方、予選3番手の佐藤考洋選手はセンサートラブルから、無念のピットイン。優勝争いは飯田選手、清水選手、山本選手に絞られることになった。

スタートで出遅れた山本選手だったが、1周目のストレートで前を行く清水選手をパス。さらに2周目の最終コーナーで前を走る飯田選手を射程圏内に捉え、ストレートでスリップストリームに入り、そのままオーバーテイクを披露。早々にトップに復帰した。続く、3周目は予選タイムに近い1分35秒台にペースを上げて、一気に飯田選手を引き離して見せる。山本選手は「前半でプッシュし過ぎてしまって、中盤以降はかなり厳しかった」と振り返り、8周目のダンロップコーナーでは飯田選手にインに飛び込まれるシーンもあったが、しっかりと首位の座をキープ。残り2周はペースを取り戻し、4連勝を達成した。そして、ロータス・カップ初参戦のシーズンながらも、見事クラス1タイトルを獲得している。2位に入ったのは昨年の王者、飯田選手。「苦しいシーズンだったが、ようやく最後に光が見えた」と笑顔で振り返った。3位は来シーズンからの本格参戦を計画している清水選手。トラブルを解消した上でコースに復帰した佐藤選手は、4位でレースを走り切っている。

 



 



 

クラス2は2番グリッドの秋葉有一選手が抜群のスタートを決めて、松尾修選手をパス。「レースは10周あるので、落ち着いて後ろから狙いました」と語った松尾選手が、2周目のストレートで秋葉選手を抜いてトップに浮上。そのままペースを落とすことなく、後続を引き離し、嬉しいロータス・カップ初勝利を手にした。優勝こそ逃したものの2位に入った秋葉選手は、このレースを4位で終えた西面一選手と同ポイントながらも、選手権規定により2018年に続きクラス2連覇を達成。また、3位表彰台はIKURO MATSUBA選手が手にしている。

 



 



Class 1

優勝 #48 山本健一

「かなり激しい展開のレースになりました。スタート失敗したのが痛かったです。中盤以降は苦しく、またやられるかな……と思いながら、なんとか落ち着きを取り戻して、先頭でチェッカーを受けることができました。ロータス・カップは高いレベルでのコントロールを求められるので、スキルは確実に上達します。ワンメイクということで、クルマの性能差がなく、毎回接戦が繰り広げられています。本当に楽しいレースですし、自分自身が成長できるシリーズだと思います」

 

2位 #47 飯田敏雄

「やっと少し元に戻ってきた感じがあります。バトルができて楽しかったです。今年は自分の心の弱さが出てしまいました。自分自身で迷路に入ってしまい、客観的に見られなくなってしまいました。楽しもうと思っても、ゼッケン1番つけているプレッシャーもありました。もちろん優勝争いもしたいですが、レースを楽しまない意味がありません。そのバランスが課題です」

 

3位 #15 清水友一

「やれるだけやりました。スタートは良かったんですが、その後ミスしてしまいました。今回が2回目のレース参戦ですが、ロータスは楽しいですね。あらためて操る楽しさを感じました。来シーズンは最初から頑張れるように、しっかり練習したいと思います」

 

Class2

優勝 #77 松尾 修

「スタートで秋葉選手が速かったので、1周目は後ろにつきました。10周あったので、落ち着いて走れました。ロータス・カップは本当に面白いです。予選から決勝にかけて、とてもいいムードのなかでレースを楽しむことができました。来シーズンは、タイトルを掛けてフル参戦を考えています」

 

2位 #16 秋葉有一

「松尾選手を抑えることができたのが1周目だけで、苦しいレースでした。クルマ作りをもっとしっかりやらないとと思いました。自分の伸びしろを作れるきっかけになりました。今年は、クラス2の参戦台数が5台になったのは大きかったです。これで来年が参戦したい人がさらに増えると、バトルも多くなって、さらに盛り上がってくるはずです」

 

3位 #19 IKURO MATSUBA

「やっぱり前の2台は速いですね。なんとか追っていったんですが、4周目からは離されてしまいました。まだまだ上のレベルは高かったです。今シーズンはクラス2に変更して、自分の年齢と体力に見合ったレースを楽しめました。エリーゼは軽いですし、レーシングカーとして熟成されています。また来年も頑張ります」

 

賞典外 #2 佐藤考洋

「センサーに異常が出てしまいました。走ることもできたんですが、ABSの警告ランプが付いていたので、ピットに入りました。スタート進行のピットアウトの段階で警告が出て、グリット上では修正できませんでした。今シーズンは5戦も走ることができましたし、とても楽しかったです。みなさんシーズン当初よりもかなり速くなっていますね。練習をしっかり積んで、進化していると実感しました。レース自体も無駄な接触がなく、フェアで面白い。改めて素晴らしいジェントルマンレースだと感じました」

 

今シーズンの最終戦も終了し、選手たちは来シーズンへの意気込みを語られてました。来シーズンも宜しくお願い致します!