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【SGT-EVORA】SUPER GT 2021 第6戦 IN AUTOPOLIS, AUTOPOLIS GT 300KM RACE レースレポート

2021/10/25


10月23日(土)から24日(日)の2日間にかけて、スーパーGT第6戦「AUTOPOLIS GT 300KM RACE」が開催されました。
残すところもあと3戦となった今季のスーパーGT。前戦でポイント獲得が叶わなかったmuta Racing LOTUS EVORA MCは、コーナリングコースであるオートポリスで挽回を期すべく、加藤寛規/阪口良平選手と共に300kmのレースを全力で戦いました。


■公式練習走行

土曜日の9:15から開催された公式練習走行は、まず予選Q1を担当する加藤選手がmuta RACING LOTUS EVORA MC(以下SGT EVORA)を走らせました。今大会の舞台となるオートポリスは、SGT EVORAにとって最も実力を発揮できるコースのひとつです。2019年の大会では決勝レースのリザルトこそ23番手となりましたが、公式練習走行では1分45秒308をマークしてトップに。予選Q1では加藤選手が1分44秒803までタイムを伸ばし、その速さを見せつけました。

そして2年ぶりとなった今大会は、公式練習走行から激しい戦いが繰り広げられました。今年の開催が10月後半と、気温的にも2年前よりエンジンパワーが引き出しやすくなった状況も考えられますが、SGT EVORAは序盤に加藤選手が1分45秒168というタイムを刻みながらも、順位は11位という状況。この時点でのトップは、1分43秒995のタイムをマークした♯30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(永井宏明選手)でした。公式練習走行はこの後、♯55 NSX GT3がクラッシュを喫して赤旗中断に。これが再開されてから加藤選手は1分44秒046をマークしてクラス3番手となり、マシンをピットへと戻しました。
その後は阪口選手が決勝レースを想定したシミュレーション走行を開始。度重なる赤旗中断に阻まれながらもメニューをこなし、まず1分46秒922をマークしたあとはコンスタントに48秒台中盤で走り続け、最後に再び1分46秒635へとタイムを更新して走行を終えました。この間も予選シミュレーションを続けていたと思われるライバルたちはタイムを更新し、SGT EVORAの順位は7番手となりました。トップは1分43秒133をマークした♯52 TOYOTA GR supura(吉田広樹/川合孝汰 組)でした。


■公式予選1回目(Q1)

公式練習走行での赤旗中断からディレイが生じ、13:55から始まった公式予選。SGT EVORAは加藤選手が予定通りにドライバーを務め、Bグループのライバル13台と、Q1突破をかけて戦いました。ピットレーンのシグナルがグリーンになり、各車一斉にピットアウト。ここで珍しくSGT EVORAが、戦陣を切ってコースへと飛び出して行きました。加藤選手は3周のウォームアップをきっちりと終えて、アタックラップに突入。「オートポリスはマシン的にも得意なコースなので、公式練習走行時から手応えがありました」という言葉通り1分43秒701のタイムをいきなりマークし、SGT EVORAはタイムボードのトップへと躍り出ました。その後はライバルたちもアタックに入り、SGT EVORAの順位は4番手に。そしてここから加藤選手は2回目のアタックに臨みましたが、惜しくもタイムは1分43秒843と、わずかにベスト更新ならず。最終的な順位は5番手となりましたが、予選Q1を突破することができました。



■公式予選2回目(Q2)
14:48から始まった公式予選Q2は、阪口選手が担当しました。加藤選手と同じく3周目までタイヤをウォームアップさせた阪口選手は、4周目に1分44秒196をマーク。公式練習走行の状況から急遽ソフトタイヤへ変更になった状況に「合わせきれなかった」としながらもまず3番手にSGT EVORAを押し上げると、さらに2回目のアタックに入りました。この間ウェイト搭載量の少ないライバルたちが続々とタイムを更新し、SGT EVORAの順位は一時10番手に。しかし阪口選手も連続アタックに入っており、コントロールラインを通過したSGT EVORAは1分43秒869をマーク。その順位を、8番手まで押し戻しました。さらに翌周も阪口選手はアタックを試み、セクター1でベスト更新。しかしセクター2がドロップしたことを理由に、マシンをピットへと戻しました。

予選後阪口選手は「想定は6番手だったので、ちょっと悔しいですね。でも決勝は、十分に戦える位置だと思います。今回はライバルたちの様子を見てもロングのペースが厳しそうな印象を受けているので、レースではきっちり戦って結果を出したいと思います!」と力強くコメントしてくれました。ポールポジションを獲得したのは、1分42秒039でコースレコードを記録した♯31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(嵯 宏紀/中山友貴 組)でした。この結果から♯2 muta Racing LOTUS EVORA MCは、明日のレースを8番グリッドからスタートすることになりました。



■決勝レース



気温12度、路面温度20度。土曜日よりも肌寒い曇り空のなか、決勝レースは13:30から予定通りに65周(GT500換算)でスタートしました。スタートドライバーを務めたのは加藤選手。8番グリッドからレースに臨んだSGT EVORAは、オープニングラップこそストレート加速に勝る♯18 NSX GT3(小林崇志選手)にオーバーテイクを許したものの、その後は順調に周回を重ね、その順位をキープしました。しかしレースは8周目に1台のGT300車両が追突からのクラッシュを喫し、これを回収するべくFCY(フルコースイエロー)からセーフティカーランに切り替わりました。そしてオフィシャルが隊列を整え直し、再スタートを切った直後の18周目。今度はトップを走るGT500車両のトラブルから再びセーフティーカーが導入され、SGT EVORAは追い上げをできぬまま、23周目までその順位を固定されてしまいました。

一方この状況からピットレーンがオープンになると、3ピットを覚悟の上でタイヤ交換や燃料補給を行うマシンも現れました。またセーフティカー解除後はピットレーンの混雑が予想され、チームはこの状況を見ながら25周目を走り終えてピットイン。加藤選手は阪口選手へと、バトンをつなぎました。しかしこのとき、予想だにしないトラブルがチームに襲いかかりました。交代した阪口選手はピットアウトを試みましたが、SGT EVORAのエンジンがなかなか始動しなかったのです。これによって30秒以上のタイムロスを喫したSGT EVORAは、大幅に順位を落としてコースへと復帰。さらに後半のロングスティントを走りきるべくハード目のタイヤを履いていたこともあり、その順位は25番手まで後退してしまったのでした。



それでも阪口選手は、なんとか状況を打開しようと1分46秒台前半を連発。しかしその後はこのペースを維持することができず、タイムが徐々に落ちて行きました。それでもトップを走る31号車に譲った以外抜かれることはなく、じりじりとでも順位を挽回。最終的には18番手でチェッカーを受けてレースを終えました。レースはポール・ポジションから圧倒的なリードを保ったまま♯31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV(嵯 宏紀/中山友貴 組)が優勝を飾りました。



次戦は11月6日(土)から開催される茂木ラウンド。ウェイトが半分降りる第7戦、優勝を飾ったツインリンクもてぎをチーム一丸となって戦いますので、応援よろしくお願いします!


■チーフエンジニア 渡邊信太郎
「今回はセーフティーカーが2度も入ったので、集団がバラけていませんでした。だからピットでの差が、非常に大きく結果に表れるんです。ちなみに我々は6番手でピットインしたのですが、エンジンが掛からない間に集団が過ぎ去ることで、25番手まで順位を落としました。電気系のトラブルですが初めてのケースなので、これから原因を精査するつもりです。レースは気温の低さに悩まされました。ウォームアップ走行ではハードタイヤの方がタイムが出ていて、阪口選手のスティントはこれを選んだのですが、結果的にはソフトでもよかったかもしれません。ただ今回は新しいタイヤで戦ったので、そのデータが取れたことはポジティブに捉えたいと思います」


■ドライバー 加藤寛規
「レースは2度のセーフティカーでタイヤにピックアップが着いてしまい、苦しい状況ではありました。できるだけ引っ張るプランもあったのですが上位陣はペースも良く、走り続けると離れてしまいそうな状況だったので、早めに入って交代することにしました。レース的には、ポイント獲得も十分狙える状況だったと思うので、ピットでのトラブルは残念ですね……。とはいえ後ろ向きになってはいられないので、次戦も全力で臨みます」


■ドライバー 阪口良平
「ピットアウト時にセルが回らず、大きくタイムロスしてしまいました。イグニッションも全てオンになっていたのですが何をしても掛からず、最後は牛嶋チーフメカがメイン電源を何度か落としてくれて、ようやくスタートすることができました。
レースは序盤46秒台を連続できたのですが、その後ペースを維持することができませんでした。急にグリップしなくなった感じから、摩耗じゃなくてピックアップだとはわかったのですが、フロントはブレーキングで取れてもリアはどうにもできなくて……。次戦は今回のデータを活かして、さらに上位の予選位置を獲得して、結果を出したいと思います!」