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スーパーGT 2018 第2戦 IN 富士 500KM レースレポート

2018/05/08

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ゴールデンウィークの後半を飾るスーパーGT 第2戦「FUJI 500KM RACE」が、5月3日(木)/4日(金)の2日間にかけて、富士スピードウェイで開催されました。3月(富士)、4月(鈴鹿)と続いた公式テストで順調な仕上がりを見せたシンティアム・アップル・ロータス。Cars Tokai Dream28はその好調の波に乗りながら、加藤寛規選手/高橋一穂選手と共に、今年からシリーズいちの長丁場となる500km・110周のレースを戦いました。

3日(木)に行われた予選は、波乱の幕開けとなりました。前日まで降り続いた雨は雨脚こそ弱めたもののコースに深い霧を残し、これによって公式練習走行が大幅にディレイ。結局走行は30分に短縮され、予選も変則ルールが適用されました。

通常であればスーパーGTの予選は、予選1回目(Q1)を突破した14台がさらにQ2を争い、最終的なグリッドを決める「ノックアウト方式」が採用されます。しかし時間短縮となったことから今回は1回の予選のみ。しかもタイヤは通常通り2セットを使い、通常通り抽選で決勝用タイヤを決めねばならない変則ルールとなったのでした。そしてここでCars Tokai Dream28はエースである加藤寛規選手を起用し、まさに一発勝負の予選に臨みました。

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■公式予選

14:45から始まった公式予選。加藤選手はまず1セット目のタイヤでアタックに入ります。FIA-GT3勢たちがいちはやくアタックラップを刻むなか、♯2 シンティアム・アップル・ロータス(SGT EVORA)はいつも通り着実にタイヤを暖め、4周目に1分36秒864をマーク。これがいきなりGT300クラスのトップに躍り出ました。

このあと昨年の王者である♯0 Mercedes AMG GT3が1分36秒850を出して逆転。さらに♯61 SUBARU BRZ が1分36秒656でトップに躍り出るなど、めまぐるしく順位が入れ替わるものの、そのタイムは常に僅差でした。

この間に加藤選手は2セット目のタイヤを履くべくピットに戻り、ほどなく最後のアタックへ突入。ラバーの乗った路面やさらなるプッシュによる、タイムアップへの期待が膨らみました。そして加藤選手その期待通り8周目に1分38秒883を刻むと、9周目にはセクター1、セクター2共に自己ベストを0.3秒短縮しました。

しかし残念なことにセクター3ではGT3車輌に詰まり、0.4秒をロスト。残念ながらベストタイムの更新とはならず、順位は5番手となりました。

しかしこの順位はマザーシャシー勢で群を抜くポジションであり、パワーサーキットと呼ばれる富士スピードウェイで、EVORAはその速さを強く印象づけたのでした。

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■決勝レース
強い風が肌寒さを感じさせたものの、翌日の決勝レースは晴天に恵まれました。
14:40からスタートした500kmのレース。2回のピットインが必要となるため、より多くエースを走らせるべくスタートドライバーは加藤選手が務めました。

オープニングラップで3位を走行する♯65 Mercedes AMG GT3が順位を落とし、♯2 シンティアム・アップル・ロータスは4位に浮上。その後ストレート加速に勝るライバルたちとの混戦で順位を落としたものの、32周目まで7番手をキープしました。

その後ライバルたちのルーティンピットが始まると、EVORAは順位を上げて行きます。そして41周目にはトップに立って、44周目までこれをキープしてマージンを稼ぎました。

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第2スティントを担当した高橋選手はタイヤ4本を全て交換して7位でコースへ復帰。アウトラップからタイヤのウォームアップを終えるまでの走りに苦戦し12位まで順位を落としてしまいます。しかし粘り強く走り抜き、ライバルたちの2回目のピットインが重なると、その順位は11位まで浮上。高橋選手はそのまま76周目まで走り抜き、加藤選手に最後のバトンを託しました。

ここでチームは少しでもライバルたちとの差を埋めるべく、最終スティントはタイヤ無交換でEVORAを送り出しました。これはあらかじめタイヤ選択の段階から想定していた作戦であり、チームは第一スティントの走りを確認して、ゴーサインを出したのでした。

18位でコースへと復帰した加藤選手は、ここから鬼神の追い上げを開始します。既にウォームアップの済んだタイヤで1分38秒787をマークすると、その後も38秒代をコンスタントに刻み続けたのです。

しかし最後は残念な幕切れが待っていました。14番手まで順位を上げたEVORAは、原因不明の理由で電源がシャットダウン。加藤選手は復帰を試みましたが叶わず、そのまま惰性でピットへ向かいました。しかしチームのもとにマシンを戻す前にマシンは完全に止まり、96周目でリタイアとなってしまいました。

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Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス

■チーフエンジニア: 渡邊 信太郎
「トラブルは非常に残念ですが、舞台が富士であることを考えると、今までのなかでは良い部分が多いレースでした。GT300のレベルは年々上昇していますが、タイヤチョイスも結果が出ていますので、次回も頑張りたいと思います。」

■ドライバー: 加藤 寛規 選手
「プリウスコーナーで突然電源が落ちてしまって…。電源が入ったり落ちたりするなかでなんとか最終コーナーまでたどり着いたのですが、加速した途端に完全にだめになってしまいました。そこまでは良かったんですが…悔しいです。
今回のパッケージはストレートスピードを伸ばせた分、第2セクターでGT3勢に負けてしまうこともあり、結構大変でした。ただこのデータは次の富士で活かせるはずです。また次戦の鈴鹿は狙えるコースなので、がんばります。」

■ドライバー: 高橋 一穂 選手
「とても厳しいレースでした。特にアウトラップでプロドライバーたちとの差が大きく、また混戦だったり路面状況が悪くなった中でタイムを安定させられないことが、自分にとって大きな課題となりました。今のGTは高度にプロ化しているレースとは言え、それを承知で自分もジェントルマンレーサーとして頑張っているので、ひとつひとつ丁寧に、しぶとく頑張って行きたいと思います。」

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2018.05.07