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SUPER GT 2019 第4戦 IN チャン・インターナショナル・サーキット レースレポート

2019/07/13


6月29日(土)/30日(日)の2日間にかけて、スーパーGT 4戦目となる「Chang SUPER GT RACE」が開催されました。 舞台となるのは、タイ王国はブリーラム県にあるチャン・インターナショナルサーキット。昨年はポイント獲得まであと一歩の12位となったこのサーキットで、Cars Tokai Dream28は、シンティアム・アップル・ロータス(SGT EVORA)と共にレースを闘いました。

公式予選1回目
土曜日の15:00から15分間で開催された公式予選1回目(Q1)は、エースドライバーである加藤寛規選手が担当しました。 公式発表の気温は33度、路面温度は40度。例年より風もあり、渡邊チーフエンジニアも「日が出れば暑いけれど、灼熱というほどではない」とコメントするほど、タイラウンドとしては涼しいコンディションとなりました。 ここで加藤選手はいつも通り、ライバルたちを尻目に前後の間隔を取りながら後方からコースイン。そしてアウトラップからタイヤをじっくりと発動させ、3周目にアタックを開始しました。 ここで加藤選手は1分33秒525のタイムを刻み、タイムボードの3番手に浮上しました。 しかしその後アタックに入ったライバルたちが、次々とSGT EVORAの順位を奪って行きました。比較すると実に僅差ですが、セクター1でSGT EVORAのタイムが僅かに伸び悩んでいることがわかりました。 ここで加藤選手は4周目をクーリングラップに当てると、仕切り直してアタックを再開。5周目に1分33秒518と、僅かながらもタイムを更新しました。 この結果からSGT EVORAの順位は9番手となりましたが、予選Q1を無事に通過しました。トップまでのギャップは0.721秒。4位からが9位までが0.4秒以内という大接戦でした。


公式予選2回目
GT500クラスのQ1が終わり、GT300クラスのQ2は15:45から10分間でスタートしました。 加藤選手からバトンを受けた高橋一穂選手は、やや早めにコースイン。加藤選手と同じくアウトラップから2周をかけてタイヤをウォームアップし、3周目にアタックへ入りました。 ここで計測したタイムは1分39秒129。その後も高橋選手は懸命にアタックを続け、5周目には1分38秒452にタイムを記録します。しかしライバルたちとの差は大きく、16番手で予選を終えました。 ポールポジションは第3戦に続き、1分31秒839のコースレコードを刻んだ♯25 HOPPY 86 MC(松井孝充選手)が獲得しました。




決勝レース
日曜日に行われた決勝レースは、日本時間17:00(現地時間15:00)からスタート。気温33度、路面温度は48度というコンディションのなか、66周でレースは争われました。 スタートドライバーを務めたのは、加藤寛規選手。16番手からスタートしたSGT EVORAは、予選とは打って変わって序盤から速さを発揮しました。チームは昨日の予選と、ウォームアップ時のデータからセッティングを微修正。これと燃料フル搭載時のバランスがマッチングし、SGT EVORAは速さを取り戻したようでした。 オープニングラップからひとつ順位を上げた加藤選手は、その後も快調に走行を重ねます。ラップタイムもコースがクリアになった状況では1分34秒台を刻み、トップグループのタイムに遜色なく、ときにはこれを上回りました。 そして順位も周回を重ねるほどに上がり、20周の時点では自力で10位までその順位を上げていたのです。 このまま走り続ければポイント獲得も見えてくる快走。 しかし不運は第一スティントの終盤に起こりました。 いつも通りロングランをかけ順位を上げて行くSGT EVORA。ライバルたちのピットインにも助けられ、35周目には2番手までその順位を上げていました。 しかしこのときコース上ではGT500クラスのマシンがバトル中に接触し、一台がコース上にストップ。これを受けてセーフティーカーが導入されたのです。 このとき既に、ライバルたちはほぼ全車がピット作業を終えて、コースへと戻っていました。そしてEVORAと数台のコースに残ったマシンは、スーパーGTのルールから、セーフティーカー開けにピットへと入ることを余儀なくされ、ほぼ1周の後れを取ることとなってしまったのです。 また交代した高橋選手のタイムも伸び悩み、レースは苦しい展開になって行きました。 さらにチームは、セーフティカーラン中の追い越しが判定され、58周目にドライブスルーペナルティを科せられてしまいました。 こうした結果から、レースは残念ながら勝負権を失ってしまいました。しかしSGT EVORAは最後まで走り抜き、21位でチェッカーを受けました。 レースは2番グリッドから最後までレースをリードした♯56 リアライズ日産自動車大学校 GT-R(平峰一貴/サッシャ・フェネストラズ 組)を、最終ラップで♯10 GAINER TANAX triple a GT-R(星野一樹/石川京侍 組)が捕らえ、劇的な逆転優勝を飾りました。 次戦は8月3日から始まる富士ラウンドです。500マイルの長丁場を、チーム一丸となって闘いますので、応援よろしくお願いします!


チーフエンジニア 渡邊信太郎
「あのタイミングでセーフティーカーが導入されてしまったことは、非情に残念でした。これによって我々のレースはほぼ勝負権を失ってしてしまいましたが、こればかりは完全な運なので、気持ちを切り替えて次戦に臨みたいと思います。 基本的な車輌バランスとタイヤの選択は問題ありませんでした。予選でライバルに比べセクター1のタイムが伸びなかった状況は、決勝になると見られなかったので、その原因を突き止めて今後の課題にしたいと思います」

ドライバー 加藤寛規選手
「公式練習走行からマシンのバランスはよいのに、路面温度が低くタイムが伸びきれない感じで、これが予選でも続いてしまいました。 レースは路面温度も上がり、スタート直後からライバルを一台一台パスできるほど良いペースで走れました。この走りからできるだけ僕のスティントを伸ばし、あと少しで交代というときにペースカーが入ってしまって……。このタイミングが良ければポイント圏内でレースができたはず。しかしこれもレースです。次回もがんばります!」

ドライバー 高橋 一穂 選手
「自分としてはテクニカルセクションでの走りが思うように行かず、昨年のような走りができなかったことに苦労しました。ジェントルマンドライバーとしてこのコースは年に一回しか走れないこともあるのですが、もっとタイヤを高い次元で使って、エヴォーラの能力を引き出せるようにしないといけないと感じています」