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SUPER GT 2019 第8戦 IN MOTEGI GT 250KM RACE レースレポート

2019/11/05



 

11月2日(土)/3日(日)の2日間にかけて、スーパーGT 8戦「MOTEGI GT 250KM RACE」が、ツインリンクもてぎ で開催されました。いよいよシリーズ最終戦となる今大会は、250kmのスーパースプリントレース。さらに全車ウェイトハンディが降ろされる、開幕戦以来の純粋な速さをぶつけあう一戦となりました。

また今大会は、チームオーナーでありシンティアム・アップル・ロータス(SGT EVORA)のドライバーである高橋一穂選手にとって、スーパーGTとしては最後のレースとなりました。2001年に全日本GT選手権へスポット参戦を開始してから、実に18シーズンを走り続けた高橋選手。その歴史において有終の美を飾るべく、Cars Tokai Dream28はチーム一丸となって、このレースに臨みました。

 

■公式練習走行

土曜日の9:00から始まった公式練習走行は、まずエースドライバーである加藤寛規選手がSGT EVORAのステアリングを握りました。第7戦SUGOラウンドでは決勝レースに投じたレインタイヤこそ機能したものの、スリックタイヤでのタイムの落ち込みが大きかったSGT EVORA。この状況を省みた渡邊チーフエンジニアは、まず今回の持ち込みセッティングを、昨年の仕様に戻してフリー走行に臨みました。
これによって導き出された公式練習走行のタイムは、1分47秒574。そして順位は18位と、一見問題が解決されていないかのように思われました。

しかしこれには、理由がありました。チームは今回2種類のタイヤを持ち込みましたが、その内訳を3セットずつに分けていたのです(合計6セット)。フリー走行序盤の走行でハード目なコンパウンドがより今回の路面状況には合っているとチームは判断し、残りの2セットは予選用に温存。公式練習走行はソフト目のコンパウンドでセットアップを進めたため、タイムが伸び悩んでいたのです。そして予選はハードコンパウンドのタイヤを投入したことで、きちんとその順位を上げることができたのでした。

 



 

■公式予選1回目

14:00から始まった公式予選1回目(Q1)は、エースである加藤寛規選手がアタックドライバーを務めました。
公式練習走行ではタイムを出せなかったSGT EVORA。しかし加藤選手はいつも通り、着実にタイヤをウォームアップさせてアタックに備えます。途中一台のマシンがスピンし、コース上に停止する状況があったために4周目のタイムアタックを延期したSGT EVORA。しかし加藤選手は5周目に1分47秒532をマークして、公式練習走行よりタイムアップを果たしました。そして翌周には1分47秒051へとタイムを更新し、その順位も10番手にジャンプアップ。心配されたスリックタイヤを着実に機能させ、予選Q1を突破したのでした。

 

■公式予選2回目

14:45から始まった公式予選2回目(Q2)は、高橋選手がアタックしました。
10分の走行時間を有効に使うべく、高橋選手は早めにコースイン。タイヤのウォームアップが完了した4周目にはまず1分50秒950を刻み、翌周にはさらに1分50秒269へとタイムアップを果たしました。順位的には15番手となりましたが、これは昨年のタイムを上回る自己ベスト。ジェントルマンドライバーとして高橋選手は、しっかりと成長を果たして予選を終えることができました。

ポールポジションは、1分45秒907のタイムでコースレコードを刻んだ♯ 720 McLaren 720S(アレックス・パロウ)が獲得しました。

 



 

■決勝レース

迎えた日曜日は、13:30から予定通りに53周(GT500換算)のレースが開催されました。
スタートドライバーを務めたのは加藤選手。しかしレースは、いきなり波乱の幕開けとなりました。16番グリッドからスタートしたSGT EVORAは、オープニングラップの2コーナー手前で、後続車から追突されてしまったのです。

これはグリーンシグナル点灯のタイミングが、いつもよりやや早かったことによって起こったアクシデントのようでした。間隔を開けた後続のマシンたちが最終コーナーに差し掛かるころシグナルが点灯し、多くのマシンが混乱したまま、1コーナーへと突入したことが原因のようでした。このコースアウトでSGT EVORAは、グラベルにストップ。レースもここで終わってしまうのか? と危ぶまれましたが、辛くもオフィシャルの措置によって、コースに復帰することができました。レースは4周のビハインドを背負ってしまったため勝負権を失いましたが、リタイアを免れることができたのです。

そして加藤選手は、高橋選手へとバトンをつなぐために周回を重ねました。
追突された衝撃で痛んだタイヤでも上位陣と変わらないタイムを刻み、これを交換してからも、29周目まで懸命に走り続けたのです。これがスーパーGTはラストレースとなる高橋選手も、「リタイアだけはしたくなかった」という言葉通り、慎重かつ懸命に周回を重ねました。そして徐々にタイムを伸ばしながら、45周目には1分54秒台をマーク。その後も55秒台をキープしながら、42周でチェッカーを受けたのでした。

順位は27番手に終わりましたが、チームはこの週末を全力で闘い抜きました。そして高橋選手は、ジェントルマンドライバーとして最後までスーパーGTを走り抜きました。

これで2019年シーズは全てのレースが終了しました。
ここまでCars Tokai Dream28とSGT ロータス・エヴォーラを応援して下さったみなさま、本当にありがとうございました!

 



 

■チーフエンジニア 渡邊信太郎

「レースは残念ですが一周目で決まってしまいました。それでも加藤選手は上位陣と替わらないタイムで走り続けてくれましたし、高橋選手も終盤に非常によいペースを刻んで、その成長を見せてくれました。今シーズンは、特にライバルのタイヤメーカーの躍進が著しい年でした。来季に向けては、ヨコハマタイヤと共にこれを克服しながら、さらによい闘いを見せたいと思います。応援ありがとうございました!」

 

■ドライバー 加藤寛規選手

「1コーナーに入ってから2回に渡って追突されたのですが、2度目はどうにもなりませんでした。レースでは序盤のペースは良かったですが、後半になるとタイヤもグレイニングが出てしまって、これを維持し切れなかったのは残念でしたね。高橋選手にとって最後のスーパーGTでのレースで、なんとしてもポイントを獲得したいと思ってがんばってきたので、本当に悔しいレースでした。」

 

■ドライバー 高橋一穂選手

「タイヤのグリップが思うように上がらなくて、コース内にマシンを納めるのがとても大変なレースでした。走っているときは集中しきっていたので、これが自分の最後のレースという意識はあまりなかったですね。とにかくきちんとゴールしなきゃ! リタイアだけはしない! と思って走ってました。スーパーGTはこれで終了ですが、レースは今後もやって行きます。スーパー耐久はがんばりますよ!」

 



 

今シーズンもSGT-EVORAの応援、誠にありがとうございました!
来シーズンもトップを目指して戦いますので、応援宜しくお願い致します!!



 

また、ピットツアーへご参加頂きました皆様、誠にありがとうございました!