5月21日(日)、スーパーGT 第3戦 SUPER GT IN KYUSHU 300KM の決勝レースが大分県のオートポリスで開催されました。 シンティアム・アップル・ロータスは土曜日の予選を全30台中14位で通過。一昨年ポールポジションを獲得したこのサーキットで、中段からの追い上げを狙いました。
気温24℃、路面温度35℃。昨日よりも若干涼しい気候のもとで、65周(GT500換算)のレースは14:00から定刻通りにスタート。EVORAが得意とするテクニカルコースでその順位を挽回すべく、第一スティントのドライバーはエースである加藤寛規選手が担当しました。
しかしEVORAはオープニングラップのスタート時点で、FIAーGT3勢に飲み込まれその順位を大きく落としてしまいます。第2戦の富士で確認された加速力不足によって、1コーナーから続くストレートでは為す術がなかったのです。 レースも序盤から大きく荒れました。3周目に一台のGT500マシンがスピンを喫し、そこにGT300クラスの2台がぶつかるというアクシデントが発生。これによってセーフティカーが導入され、レースが再開したのは11周目に差し掛かる頃でした。
一台のマシンがリタイアしたことから、17番手となったEVORA。ここで加藤選手は懸命に踏ん張り順位をキープ。47〜48秒台のラップタイムでコンスタントに走り続けました。 そして前後の間隔が整い、燃料が軽くなり始めた20周目あたりからは、トップを走るマシンと遜色ない46秒台で連続周回。その順位をひとつずつ、着実に上げて行きました。 さらに上位陣がルーティンのピットを完了した34周目には2番手まで順位を上げ、これを41周目までキープしてピットイン。高橋一穂選手にそのバトンを手渡しました。
しかし16番手でコースに復帰した高橋選手は、アウトラップで痛恨のコースオフを喫してしまいます。幸いマシンは無事でしたが、このときEVORAのタイヤは汚れを拾ってしまったため、高橋選手は思うようにタイムを上げられない苦しい走行を強いられました。 そしてこのような状況下で、トップ争いを繰り広げるGT500マシンたちに先を譲ることによって、さらなるタイヤマーブルを拾うという悪循環に陥ってしまったのでした。
ここオートポリスは、タイヤにとても大きな負担が掛かることで有名なコースです。そして路面にまき散らされるタイヤマーブルを拾うと(ピックアップといいます)、そのラップタイムは秒単位で落ちるという恐ろしさがあります。 まさにこの状況へ足を踏み入れたEVORAと高橋選手は、最後までピックアップを解消することができませんでした。そして最終的に、24位でチェッカーを受けました。
次戦は7月22日(土)/23日(日)に開催される第4戦 SUGO GT 300KM RACE。チームは第4戦までの2ヶ月の時間を使い、今回解決仕切れなかった問題に取り組みます。 SUGOはオートポリス同様、EVORAにとって有利なコース。ここでの復活を期するべく全力でがんばりますので、変わらぬ応援のほど宜しくお願い致します!
Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス
チーフエンジニア:渡邊信太郎
「予選の状態からロール剛性とエアロダイナミクスバランスを見直す事で、決勝は良いシャシーバランスを獲得出来ました。また、タイヤも非常に安定したパフォーマンスでロングランとなったの第1スティントでも磨耗状況も問題ありませんでした。 問題は、富士ラウンドより引きずっている、車両が重い状況下(ガソリン量が多い時等)での中間加速。その為、フルタンクでのスタート時に、後方集団に飲み込まれ、自由にレースが出来ないジレンマに落ち入っています。ガソリンが減るスティント終盤にはトップ集団と依存無いペースでプッシュ出来ているので、この後に有るの2度のテストで、良い解決策を見つけ出したいと思います。」
ドライバー:加藤寛規 選手
「前回の富士で出た問題は少しだけ改善されたのですが、今回はレースまでにあまり時間がなかったこともあり、全てを修正しきることができませんでした。 ただ次戦のSUGOまでには時間があり、テストも二回ありますから、そこで問題を解決したいと思います。次はよい結果が出せるように、がんばります。」
ドライバー:高橋一穂 選手
「アウトラップの最終コーナーでコースアウトしたのが全てでした。ここでピックアップを拾ってしまい、その後のハンドリングが悪化してしまったことで、さらに余計なタイヤかすを拾ってしまった。これを早い段階で取り去ることができていれば……と思うのですが、リカバリーすることができませんでした。」
LOTUS ピットツアーにご参加頂き、どうもありがとうございました!
2017.05.22