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【LOTUS CUP JAPAN 2019】RD.2 @ ツインリンクもてぎ レースレポート

2019/07/09


 

■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2019年シーズン第2戦が7月7日(日)に栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。開幕戦の鈴鹿から4カ月という長いインターバルを経て行われた今回、トップカテゴリーのクラス1には5台が参戦。エリーゼ中心のクラス2に参戦する4台を加えた、9台のエントリーとなった。また、クラス1には開幕戦に続き自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋が賞典外のゲストドライバーとして参戦する。

 

梅雨前線の影響により朝から雨が降るなか、午前10時に15分間の公式予選がスタート。一時小康状態を保っていたが、予選が始まる段階で雨足が強まり、路面コンディションはウェットに。シリーズランキングトップの飯田敏雄を先頭にコースインし、各車路面の状況を確かめるようにアウトラップを走るなか、まず2’19.083のタイムを記録したのが、ゲストドライバーの佐藤考洋だった。僅差で飯田敏雄選手、荒田良浩選手、山本健一選手が続く。

 

佐藤は周回ごとにペースを上げ、3回目のアタックラップで2’17.224までタイムを縮めてみせる。飯田選手も2’17.479、荒田選手も2’17.882と17秒台に乗せてくるが、佐藤のタイムには届かない。予選時間を残した状態で佐藤、飯田選手、荒田選手がピットへと戻るが、最後までアタックを続けた山本選手が、荒田選手を上回る2’17.580をマークし、3番手に飛び込んできた。この結果、賞典外の佐藤がポールポジションを獲得。2番手の飯田選手、3番手の山本選手、4番手の荒田選手までが1秒差以内にひしめく僅差での予選となった。

 

クラス2は予選開始早々に大屋彰利選手がヘアピンの立ち上がりでクラッシュという波乱の幕開けに。昨年のチャンピオンで、今回がシーズン初参戦となる秋葉有一選手が、2番手以下に6秒以上の大差をつける2’33.993のタイムを記録。2番手に開幕戦の勝者である西面一選手が2’40.197、3番手にIKURO MATSUBA選手が2’42.034で続いた。


■コメント


Class 1
予選1位 #1 飯田敏雄選手

「開幕戦から時間が開いたこともあって、あまり練習ができていなくて、久しぶりのドライブになってしまいました。ドライビングを思い出しながらの走りになりました。コンディションは完全にウェット。上位はほぼ一緒のタイムなので、決勝は厳しい展開になるでしょうが、楽しみです。スタートは苦手ではないので、気負いなく楽しく走り切りたいです」

 

予選2位 #48 山本健一選手

「急に雨が降ってきたので、びっくりしました。コースは完全にウェットで、かなり怖かったです。普段はエリーゼに乗っているので、エキシージV6でもてぎを走るのは今回が初めてだったんですが、思っていたよりも乗りやすかったです。決勝は追い上げて、ひとつでも上を狙いたいですね」

 

予選3位 #15 荒田良浩選手

「雨なので、いつも通り無理をせずに走りました。上位4台がかなり競っているので、決勝はかなり面白くなりそうです。このまま雨になると、予想外の展開になるかもしれませんね」
 

 

Class2
予選1位 #16 秋葉有一選手

「フルウェットで非常に怖かったです。それもあって無理をせず、早めのブレーキングを心がけました。立ち上がりでトルクがグッと掛かる瞬間があるので、クルマの向きが変わらないように丁寧にアクセルをコントロールしました。決勝もあまり無理をせずに、このまま逃げ切りたいです。」

 

予選2位 #16 西面 一選手

「難しかったです。雨のもてぎは初めて走ったんですが、すごく緊張しました。今回、かえって雨だったことで、冷静にコースを見て走れた気がします。決勝も落ち着いて走りたいです」

 

予選3位 #19 IKURO MATSUBA選手

「雨になったので、とにかくゆっくりと走りました。乾いている箇所を探しましたけれど、ありませんでしたね。それでも楽しくドライブできました。決勝はとにかくアクシデントを引き起こさないように走りたいです」

 

賞典外 #2 佐藤考洋

「予選の段階で雨が降ってきて、少し濡れている程度かと思ってたんですけど、完全にウェットでしたね。飯田選手が先に出ていたので、彼について行って同じような間隔で走りました。少し失敗した箇所もありましたが、上位のタイムはほぼ一緒でしたね。タイムが詰まってますし、決勝はこのかなり面白くなりそうです。自分としては、まずスタートを失敗しないようにしたいです。もてぎは抜くポイントがないので、丁寧にスタートして、1〜2コーナーとポジションをキープしていけば、その後の流れを作っていけるはずです。最初の1〜2周を切り抜けて、逃げたいと思っています」

 



■決勝

LOTUS CUP JAPAN第2戦決勝レースが、7月7日(日)に栃木県・ツインリンクもてぎを10周で行われた。予選でクラッシュした大屋彰利選手はマシン修復が叶わず、8台でのグリッド整列となった。雨は引き続き降り続いているものの、コースの場所によっては乾いている箇所もある。

 

予選は2分17秒台に4台が並ぶ大接戦。午後2時50分に、決勝の火ぶたが切って落とされた。抜群の蹴り出しで1コーナーに飛び込んだのは2番グリッドからスタートした飯田敏雄選手。ポールポジションの佐藤考洋をイン側から抜きにかかるが、佐藤も負けじと2コーナーでアウト側から飯田選手と並ぶと、首位の座をがっちりキープする。さらに続く4コーナーで飯田選手が挙動を乱したことで、その差が一気に広がった。その後方には予選通りのオーダーで山本健一選手、荒田良浩選手が続く。

 

佐藤は順調にラップを重ね、2番手飯田選手との差を引き離しにかかる。一方、2番手飯田選手との差をグッと詰めてきたのが3番手の山本選手。自己ベストを更新するタイムで追う山本選手は、4周目に飯田選手を射程圏内に捉える。7周目の1コーナー、ストレートで並んだ山本選手がイン側に飛び込むが、飯田選手がなんとか順位をキープ。しかし、直後の4コーナーでバックマーカーに引っかかった飯田選手を、アウト側から山本選手がパスする。

 

首位の佐藤はレース後半もペースをコントロールし、2位の山本選手に1.385秒差をつけてィニッシュした。佐藤は賞典外となるため、今シーズンからLOTUS CUP JAPANへの参戦をスタートした山本選手が、嬉しいシリーズ初勝利を手にした。2位に飯田選手、3位に荒田選手が続く。今回が初レースのTAKASHI ITO選手も、4位で完走を果たしている。

 

クラス2は抜群のスタートを決めた秋葉有一選手が、周回ごとに2位以下との差を広げる展開に。テールトゥノーズのバトルとなった西面一選手とIKURO MATSUBA選手の2位争いは、8周目の4コーナーでMATSUBA選手がまさかのスピンを喫してしまう。首位の秋葉選手は残りの周回も危なげなく走り切り、シーズン初勝利。2位に西面選手、3位でMATSUBA選手が入っている。

 


 

■コメント

Class 1
優勝 #48 山本健一選手

「すごく難しいレースでした。ライバルたちの距離も近かったですし、ウェットコンディションだったので、ちょっとしたミスでポジションを落とす可能性がありました。集中して走ることができて、いい結果につながったことが、本当に嬉しいです。テールトゥノーズの展開で、後ろからプレッシャーを掛けて、チャンスを狙ったんですが、飯田選手は精神力が強いのでなかなか大きなミスはしてくれませんでした。バックマーカーが、一瞬のチャンスになって、前に出ることができましたね。菅生はほとんど経験がないので、難しいレースになると思っています」

 

2位 #1 飯田敏雄選手

「雨の神様は別の人にバトンタッチしたようです(笑)。今回はタイム差がない状態で、厳しいバトルになりましたね。一生懸命攻めている状況だったので、一瞬の隙が勝敗を分けました。レース後半、リヤがとにかく厳しくて、ドライバーもマシンもタレてきていた状態でした。楽しめましたが、とにかく悔しいレースでした。菅生も楽しみにしています」

 

3位 #15 荒田良浩選手

「今回もやっぱり雨のもてぎになりましたね。乾いている箇所もあったり、コーナーによって、グリップレベルがバラバラでした。今回は普段どおり走りました。でも、反省点ばかりです。菅生もたぶん雨になりそうですが、頑張ります」



 



Class2

優勝 #16 秋葉有一選手

「鈴鹿をスキップしたことで、残りの全てを勝ちに行くつもりで走りました。今回、しっかり勝つことができて良かったです。コンディションがラップによって変化する難しい状況でした。何度か飛び出しそうな局面もあって、ヒヤヒヤしました。雨に苦手意識があまりなかったことが、ポジティブに行けた要因です。菅生は全然練習ができないので、前日の公式練習で頑張るしかありません。コース自体はチャレンジングで好きなので、次も良い結果を残したいです」

 

2位 #16 西面 一選手

「難しいコンディションの中、秋葉選手について行きたかったんですが……。MATSUBA選手とは前戦と同じように、激しいレースになりました。クリーンなバトルだったので、今回も勉強させてもらいました。もてぎのストップ&ゴーは、やはり難しいです。しっかりと練習する必要があると、改めて感じました」

 

3位 #19 IKURO MATSUBA選手

「最初の4〜5周は様子を見ていて、接近してからは、何回かインを突いている状態でした。あえて攻めたんですが、ハーフスピンしてしまいましたね。雨の多いコンディションで、すごく勉強になったレースでした。バトルもありましたし、LOTUS CUP JAPANらしい、イコールコンディションを堪能できたレースでした」

 

賞典外 #2 佐藤考洋

「とてもフェアで、競ったバトルを楽しむことができました。ずっと霧雨が降っていましたが、路面は完全なウェットではなく、ちょい濡れくらいでしたね。それほど悪いコンディションではなく、グリップ感はありました。スタートは、今回も飯田選手に行かれてしまいましたが、ウェットだったのでアウト側でも踏ん張れる余地がありました。並ばれましたが、難なくトップを守れました。その後の4コーナーでは飯田選手のクルマが振られたようで、そこで少し楽になりましたね。その後は後ろを見ながら、失敗しないように丁寧に走りました。もてぎはストップ&ゴーのレイアウトですが、エキシージはしっかりとトラクションも掛かりますし、出足もいいので、すごく乗りやすかったです。旋回スピードも高いので、ロータスを楽しむにはいいサーキットでした。そう考えると、やっぱりドライでも走りたかったですね(笑)」

 

次戦は7月28日(日)スポーツランドSUGOにて開催致します。お楽しみに!