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スーパーGT 2017 第4戦 SUGO 300km レースレポート

2017/07/24

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7月23日(日)、スーパーGT 第4戦 SUGO300KM RACE の決勝レースがスポーツランドSUGOで開催されました。土曜日の段階で「雨」と予報された天候は、サポートレースであるFIAーA4選手権までコースに大粒の雨を降らせ、12:55から始まったスーパーGTのウォームアップ走行でも数台のマシンをコース外へと追いやる厳しいコンディションを作り出しました。

しかしグリッドに全てのマシンが並ぶ頃にはその雨あしが収まり、ここのままならばスリックタイヤでも十分通用するという悩ましい状況に。そこで多くのチームが作業が禁止となるスタート5分前のギリギリまで、その装着タイヤの選択に頭を悩ませていました。

27番グリッドからスターとしたシンティアム・アップル・ロータスは、この難しい状況に対して最終的にウェットタイヤを選択。スタートドライバーは、高橋一穂選手が努めました。

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レースは14:30から定刻通りにスタート。GT500マシンがコントロールタワーを過ぎてほどなく、GT300クラスの隊列も一斉にスタートを切りました。レース開始直後に雨脚がやや強まり、スリックタイヤで後方からの追い上げに賭けたマシンたちはとても厳しい状況に。その中で高橋選手は、今季初となるレインタイヤの様子をみながら、すぐさま24位までその順位を上げました。
レースは5周目でTOYOTA86 MCの一台がクラッシュを喫し、コースにパーツの破片を撒いたことから早くもペースカー導入に。今日のレースが荒れ模様となることを予感させました。しかし高橋選手はその後もペースこそ著しくは上げられないもののコンスタントに走り続け、その順位を22位までアップ。23周目にピットインをして、加藤寛規選手に交代しました。

これを受けた加藤選手は23位でコースへと復帰。コース上ではまだ雨が降り続き、所々にウェットパッチが残る状況だったことから、チームはEVORAに再びレインタイヤを装着させました。ただ天候は徐々に回復傾向にあり、後半でスリックタイヤへの交換を迫られる可能性があることも、チームは想定していました。

加藤選手はその後1分32秒台のペースでEVORAを走らせましたが、レース中盤を過ぎたあたりから路面はライン上が完全に乾いた状態となり、スリックタイヤへと交換したライバルたちとの差が激しくなり始めました。またレインタイヤへの攻撃性も激しくなったため、チームはタイヤをスリックへと交換することに。

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しかしこの直後のラップで、アクシデントは起こりました。レースは折しも38周目にGT300クラスの3位争いを繰り広げていたマシン同士が接触し、一台がコースアウトしたことから三度目のセーフティカーが導入されるという状況でした。
ペースカーアウトと同時にピットへと入ったEVORAは、予定通りスリックタイヤへと交換。そのアウトラップの3コーナーで、他車との交錯を避けたEVORAはスピンを喫し、コースアウト。そのままガードレールにフロントセクションを接触させてしまったのでした。

その衝撃はかなりのGを発生させましたが、幸いにもドライバーは無事でした。しかしマシンは走行不能となり、残念ながらレースは48周でリタイアとなりました。

次戦は8月5日に開催される第5戦 FUJI 300KM RACE。これまでにマシンを修復できるのかは現状まだ不明ですが、チームは全力を尽くして、EVORAの修復作業に臨みます。

Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス 
チーフエンジニア:渡邊信太郎
「高橋選手が担当した第一スティントでレインタイヤのグリップが十分に引き出せていないと判断し、第二スティントを早めました。もし高橋選手をもう少し長く走らせられる状態だったら、第二スティントからスリックタイヤを選択できるなど状況は少し変わっていたかもしれませんね。
第二スティントでクラッシュしたマシンのダメージについてはまだガレージでしっかり確認しないと何とも言えません。ちょっと大変そうな感じではありますが、可能な限りこれを修復して、みなさんにEVORAの姿をお見せしたいです!」

ドライバー:加藤 寛規 選手
「スピンについては、ボクが出て行くときに前のクルマが3コーナーを飛び出してしまい、それをよけようとしてイン側でアクセルを踏んだら、路面がまだ濡れていたようで回ってしまいました。もうワンテンポ遅らせていたら…あれは完全にボクのミスです。
レース全体としては、今回はタイヤチョイスが完全に間違ってましたね…。レインタイヤもスリックタイヤも、そのグリップを使い切れていない。こんなに二人とも想定タイムを出せずに、スピンを繰り返すことはないのですが…。
こういう難しいコンディションになると、マシンを合わせ込めていない部分の影響が細かく出て来てしまいますね。」

ドライバー:高橋 一穂 選手
「ボクのスティントではフロントタイヤの手応えが薄くて苦労しました。縦方向のグリップは高くて、ブレーキもしっかり踏めるしトラクションも掛かるのですが、ターンインで横方向のしっかり感が薄かった。もっとクルマと自分の一体感を高められるように、ドライビングもセッティングも、高めて行きたいと思います。」

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2017.07.24