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スーパーGT 2018 第3戦 IN 鈴鹿 300KM レースレポート

2018/05/23

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5月19日(土)/20日(日)の2日間にかけて、スーパーGT第3戦となる「SUZUKA 300KM FAN FESTIVAL」が開催されました。
今年からスーパーGTの鈴鹿ラウンドはタイトル通り300kmの距離で争われる2スティントのレースに。Cars Tokai Dream28は地元となるこの地で、チーム一丸となってシンティアム・アップル・ロータス(SGT EVORA)チームを走らせました。
夜半から降り注いだ雨は夜が明ける頃には降り止み、土曜日に行われた予選は晴天のもとで開催されました。いつにない強風にこそ見舞われたものの、5月開催となった鈴鹿は気温20度、路面温度36度という良好なコンディション。

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チームは第一回目予選(Q1)を、エースである加藤寛規選手に託しました。
アタックに必要なだけの、ギリギリの燃料を搭載したEVORAは、ライバルたちが一斉にコースインするのを尻目に、いつものごとくゆくりとコースイン。

加藤選手はじっくりとタイヤを暖め、コースクリアが狙えたところでアタックを開始しました。加藤選手とEVORAは計測3周目にまず1分57秒818をマークし、7番手へと浮上。さらに翌周はこれを0.253秒短縮します。しかしライバルたちのタイムアップも著しく、順位は7位と変わらず。ここで加藤選手は、最後のアタックに臨みました。

しかしダンロップコーナーをクリアしたあとの逆バンクで、予想だにしないアクシデントがEVORAを襲いました。

「リアタイヤが若干滑った状況で、トラクションコントロールが効いてしまった。」というEVORAは、マシンの挙動を乱したままアウト側にコースアウト。マシンはスポンジバリアーにめり込み、ここでストップしてしまいました。このときスピードは落ちており、大きなダメージを感じなかった加藤選手はマシンを再び走らせようとしました。しかしリアウイングにスポンジバリアーを食い込ませたEVORAはこれを自力で取り去ることができず、オフィシャルの手によって制止されたあと、予選は赤旗中断に。

これによって残念ながら♯2 シンティアム・アップル・ロータスは予選失格となり、翌日の決勝レースを最後尾からスタートすることになりました。

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■決勝レース
日曜日の決勝レースは、風もなく前日にも増して快晴のコンディションとなりました。
29番グリッドからのスタートとなったことを受けて、チームは高橋一穂選手をスタートドライバーに起用。混戦の状況でこれに食い下がり、前後が開けた状況でエースを投入する作戦を選びました。

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そして高橋選手も、これに懸命に応えました。
コーナーで速さを発揮するEVORAに対してストレートで差を付けるFIA-GT3。この攻防に苦戦しながらも集団から離されることなく、序盤を走り抜いたのです。レースは12周にさしかかった頃、一台のGT500マシンがコース上でスピン。これを回収するべくセーフティカーが導入されました。そしてセーフティーカーランが終わり、ピットロードが解放されたところでチャンスは訪れました。このとき全周回数の1/3が消化され、第一ドライバーの義務周回数もクリアすることができたのです。

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ここで高橋選手はEVORAをピットインさせ、加藤選手にスイッチ。さらにチームはタイヤ無交換作戦を敢行し、27位でEVORAをコースへと復帰させました。「決勝レースでは、何よりもポイントを取ることが大切」とコメントしていた加藤選手は、ここから猛チャージ。トップグループと変わらないハイペースで、追い上げを開始しました。

しかしその猛追も、6周を過ぎた頃に行く手を阻まれてしまいました。
FIA-GT3マシンの中でも特にストレート加速が速いBMW M6 GT3がEVORAの前に立ちふさがり、これを抜くまでに5周の時間を要してしまったのです。加藤選手はこれをなんとか追い抜き、その後は2分2秒台のコンスタントラップを刻みながら、ベストラップでは2分1秒247をマーク。最終ラップまでそのハイペースを維持し続けました。

そして順位も13番手までこれを挽回しましたが、49周を終えたところで惜しくもチェッカー。ポイント獲得まであと3台というところで、レースを終えたのでした。

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■チーフエンジニア 渡邊信太郎
「予選は残念でしたが、今回レースでは、沢山の収穫がありました。特にタイヤに関しては、予選順位が最後尾だったこともあって予定にない無交換を試すこともできました。またタイヤライフに関するデータがない中で、加藤選手が2分1秒台をマークしてくれました。次回はタイラウンドですし、コース的には相性も悪くないと思うので、今回のデータからよいバランスを見つけて結果に結びつけたいと思います。」

■ドライバー 加藤寛規 選手
「ポイント獲得まではもうちょっとだったので、ボクの予選がなければなぁ…と悔しく思います。高橋選手も前に引き離されず内容のあるレースをしてくれましたし、これができたからこそ、次の課題が見えたのだと思います。だから前向きに捕らえられる内容も、多いレースとなりました。次戦もがんばります。」

■ドライバー 高橋一穂 選手
「前を走るマシンたちはラップタイムも十分に戦える相手でした。引き離されなかったのはよいですが、これを抜くことができなかったのが課題です。西コースで引き離される前に、いかに抜くか。レースのかけひきは今後も重要になるので、このレースで得た経験を次に活かしたいと思います。」

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2018.05.23