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スーパーGT2016 第3戦 もてぎ レポート

2016/11/12

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公式予選レポート

11月12日(土)、スーパーGT 第3戦扱いとなる250kmレースの予選/決勝がツインリンクもてぎで開催されました。 朝方に降った雨で天候の行方が心配されましたが、予選開始時間に近づくにつれ晴れ模様に。昨日とはうって変わった爽やかな気候のもと、8:35から定刻通りに公式予選がスタートしました。

■公式予選
ウォームアップ走行すらない、いきなりの予選。しかも今回はQ1/Q2のノックアウト方式ではなく、“一発勝負”でグリッドが決まります。そのためか、ピットレーンはいつもとは違う緊張感に包まれていました。 公式発表での気温は11°、路面温度は15°。天候は完全に晴れていましたが、まだ路面は朝日が照り返すほどのウェットコンディション。コースへと飛び出したマシンの後方からは、水しぶきが上がるほどの状況でした。 各チームのタイヤ選択に違いが見られるなか、№2 シンティアム・アップル・ロータス(SGT LOTUS EVORA)は最初からレインタイヤをチョイス。ドライバーは、エースである加藤寛規選手が担当しました。 路面の乾きを睨んでスリックタイヤを選んだチームが、数周するとこれを諦めピットに戻るなか、加藤選手は着実に周回を重ねます。 4周目には1分59秒019に入れると、6周目には58秒台に突入。そして7周目のラストアタックで1分58秒034のベストタイムを刻み、12番手を獲得しました。 ちなみに順位こそ12番手でしたが、この難しい状況で5位からEVORAの12位までが1秒以内という、大接戦の予選でした。 ポールポジションはライバルタイヤを履いた№11 メルセデスAMG GT3が1分56秒352という驚異的なタイムで獲得し、3位までを同じタイヤを履いたマシンが独占しました。 もしくは ポールポジションは№11 メルセデスAMG GT3が1分56秒352という驚異的なタイムで獲得しました。

Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス
ドライバー:加藤寛規選手
「ここは予選で前に出ないと厳しいコースですから、レインタイヤのチョイスもかなり(ドライよりのものにと)攻めたのですが…。タイヤは早い段階で暖まったのですが、絶対的なグリップが足りなかったのが残念ですね。レースは、とにかく前に行くしかないです。がんばります!」

チーフエンジニア:渡邊信太郎
「スリックではぎりぎり、レインだと厳しいかな…という非常にコンディションでした。路面温度も最後の方では16°まで上がりましたし、ライバルたちも濡れた路面を通ったりしていました。だからこちらも『タイヤが壊れてしまうかな……』と心配したくらいだったのですが。うまく発動してくれなかったのは残念ですね。 でも、極端に悪い結果ではないんですよ。マザーシャシーとしてはトップの25号車(TOYOTA86 MC)と比べても、0.6秒差ですし。明け方の雨がなく、ドライタイヤで走れていたらさらに上が狙えたとも思います。」

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決勝レースレポート

WT1_8665 1DAY形式のレースが2連戦となる今大会。第3戦は、通常のレース進行よりも1時間ほど早い、13:10から決勝レースがスタートしました。
シンティアム・アップル・ロータス(SGT LOTUS EVORA)のスタートドライバーは加藤寛規選手。気温18°、路面温度24°、路面は完全にドライというコンディションのもとで、スリックタイヤを履いてコースインしました。

12番手からレースをスタートした加藤選手は、抜群のスタートを決めてオープニングラップで早くも10位に。その後もタイヤが暖まりきらない混沌とした状況を利用しながら、9位にまでポジションをアップしました。
レースは3周目に、5コーナー直後のアンダーブリッヂで2台のGT300マシンが接触。これによって№55 BMW M6 GT3が大きく損傷を負い、コース上にパーツや油脂類が散乱したことからセーフティカーが導入されました。

8周目にレースは再開。タイヤが冷えた状態からでもEVORAは真っ先に49秒台に入る快走を見せ、FIA-GT3勢たちと遜色ない走りを見せます。
しかし加藤選手が予選終了後に語った通り、ツインリンクもてぎはマザーシャシーにとって抜き所のないコース。得意のコーナーで前を塞がれると、その後に必ず出現するストレートでその差を開かれてしまうという、厳しい膠着状態が続きました。
そうした状況でも加藤選手は1分52秒台のコンスタントラップを淡々と刻み続け、前が開ければ51秒台に入れる走りで、レースが折り返す25周目には、EVORAを5番手にまで押し上げました。
また上位陣の全てがルーティンのピットインを迎えた29周には、2番手にまで上り詰めました。

そして34周目、遂にEVORAはピットイン。高橋一穂選手にドライバー交代しました。
このときチームは、いまやスーパーGTの名物となった「タイヤ無交換作戦」を実行。これは250kmというショートレースで、給油だけを行い少しでもピット作業時間を削る作戦で、もちろんチームはこの距離を想定したライフを持つタイヤを選択しています。
しかし残念なことにドライバー交代でやや時間をロスしてしまい、EVORAは9位でコースに復帰することに。

すると今度はこれを挽回するかのように、高橋選手が計測1周目から1分53秒889という素晴らしいタイムを刻みました。そしてここからの追い上げが期待されたのですが…。
その後はFIA-GT勢たちのペースにリズムを合わせきれず、またGT500との交錯では大きくタイムをロスするなどして、ずるずると順位を落としてしまいます。
またレース終盤には、ダウンヒルストレートからの通称「90°コーナー」で、GT300車両にリアを接触されスピン! マシンは幸い走り続けることができましたが、これで一気に順位を落とし、最終的には19位でゴールしました。

リザルト的には非常に厳しいレースとなりましたが、チームは今日のデータを活かし、最終戦に臨みます。2016年の最後を締めくくるレースを最後までがんばりますので、なにとぞ応援のほど、宜しくお願い致します!

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ドライバー:加藤寛規選手
「今日のレースは天候が全て! 予選をスリックタイヤで走れていれば…(もっと前からスタートでき、ペースが速いマシンたちと走れるので、EVORAの速さを発揮できただろう)。今日はペースを作るのが大変な場所でずっとレースをしなくてはいけませんでした。高橋選手も大変だったと思いますよ。
今日のデータを見て、あとタイヤのチョイスをもう一度考えて、明日に臨みたいと思います!」

ドライバー:高橋一穂選手
「ピックアップ(タイヤがタイヤかすを拾ってグリップを発揮できない状況)もありましたけれど、今日はペースを作ることができませんでした…。これからデータや走行映像をチェックして、しっかり修整するつもりです。」

チーフエンジニア:渡邊信太郎
「もともとタイヤの摩耗は心配していなかったのですが、タイヤ交換を先にしたチームのタイムが、加藤選手のロングスティント中のタイムと変わらないことから、タイヤ無交換作戦は予定通り実行しました。高橋選手は出だしが良かっただけに、その後ペースが伸びなかったのは残念ですね。
また今日は朝の時点で天候があまり良くなかったので、本命タイヤを選んでなかったんです。明日は天候も良いようですし、これを使うことを念頭にこれからセッティングを考えます。今年最後のレースを全力で闘いますので、宜しくお願いします!」

2016.11.12