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ロータスカップ・ジャパン2017 第1戦レポート

2017/04/30

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■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2017年シーズン開幕戦が、4月2日(日)に富士スピードウェイで開催された。17年シーズンのLOTUS Cup Japanは、開幕戦の富士を皮切りに、第2戦鈴鹿(5月7日)、第3戦富士(6月25日)、第4戦スポーツランドSUGO(7月9日)、第5/6戦ツインリンクもてぎ(10月28~29日)と、全6戦が予定されている。トピックとしては、初めて東北エリアのスポーツランドSUGOがカレンダーに加わったことが挙げられるだろう。

今シーズンもクラス区分は3つ。エキシージS(V6)に加えて、新たにエキシージスポーツ 350(V6)も使用可能となったトップカテゴリーのクラス1。2-イレブンCUPやエキシージSなどを使用する、クラス2。そして、エリーゼS(1ZZ)/エリーゼ(1ZR)で戦われる、クラス3が用意されている。開幕戦富士にはクラス1が10台、クラス3が1台と、合計11台のエントリーが顔を揃えた。

そして、開幕戦はロータスの祭典、「JAPAN LOTUS DAY 2017」内でエキシビションとして開催される。シリーズポイントには加算されないものの、最終ランキングで同ポイントとなった場合、今回の開幕戦での順位によって最終結果が決まる重要な一戦だ。

午前9時10分に15分の予選がスタート。天候は前年と打って変わり青空ものぞく快晴となったが、別カテゴリーの車両によってまかれたオイルが路面に残っており、非常に滑りやすいコンディションでの走行となった。スリッパリーな路面状況に多くのクルーが苦しむなか、新井雅貴がいち早く2分を切る1’58.141をマーク。その後方では滑川真央が1’58.609、草野誠二が1’58.861で続き、今年からクラス1にステップアップした飯田敏雄も58秒台のタイムで走行する。

僅差のトップ争いが続くなか、新井が1’57.911と自身のベストタイムを更新。すると飯田も1’57.902を叩き出し、リザルトボードのトップに躍り出た。残り2分を切った段階でポールポジション争いはさらに白熱化する。昨年タイトルを争った草野が1’57.411でトップに立つと、直後に新井が1’57.311とトップを再び奪還。そのまま自身初となるポールポジションを獲得した。

残り1分を切った最終アタックでは、ここまで鳴りを潜めていたゲストドライバーの中山友貴が1’57.625を記録し、3番手に飛び込んでおり、4番手の飯田まで4人のドライバーがコンマ7秒差以内にひしめくというレベルの高い予選となった。また、1台のみの参戦となったクラス3は出走直前にエンジンのミスファイアが発生した大屋彰利が、2’28.488のタイムを記録している。
Class 1
予選1位 #36 新井雅貴
「ポールポジションを獲ったのはロータスカップでは初めてです。車内の計測器が壊れていたので、自分のタイムが分からなかったのが逆に幸いでした。富士は苦手なコースだったので、2~3日前に練習したのも良かったのかもしれません。決勝はエキシビションですし、安全に楽しみたいです」

Class 1
予選2位 #55 草野誠二
「コースほぼ全域でオイルが出ていたこともあって、100Rでかなり盛大にスピンしてしまいました。まったく攻めることができなかったので、2番手タイムは運が良かったのだと思います。決勝はコンディションがいい状態で走ることができれば、力を出せるはずです。」

Class 1
予選3位 #2 中山友貴(賞典外)
「今回はマシンに慣れることで終わってしまいましたね。エキシージSは初めて乗りましたが、クイックにコーナリングできるので、思い通りに走らせることができます。特にショートコーナーではフロントの回頭性の良さを実感しました。エンジンのパワーも素晴らしいですから、ハイスピードコーナーでもトラクションをしっかり掛ければ、リヤが収まります。とてもバランスがいいマシンです。ゲストドライバーとして参加していますし、決勝はみなさんに楽しんで頂けるように走りたいです。」

Class 1
予選4位 #47 飯田敏雄
「最初メガネが曇っていて、オイルが残っているのが見えませんでした(笑)。決勝に向けてタイヤを温存しようと思ったので、あまり無理はしませんでした。やっぱりエキシージSは楽しいですね。ただ、消耗する箇所も多いので、気を使う面もあります。パワーもありますし、何よりもライバルがたくさんいるのが嬉しいです。決勝はとにかく全力で楽しみながら、壊さないように走りたいと思います。」

Class 3
予選1位 #4 大屋彰利
「予選前のフリー走行でマシントラブルが出てしまったので、『予選中に止まらないように』ということを考えながら走りました。今回はエリーゼが1台だけなので、決勝はしっかり走りきりたいです。」

 

■決勝
LOTUS Cup Japan開幕戦決勝レースは、富士スピードウェイ10周で争われる。予選に続き、決勝も青空が広がる快晴となった。午前11時ちょうど、フォーメーションラップを経て、11台が一斉に決勝レースをスタートした。

予選2番手の草野誠二が抜群のスタートを決めた一方、「少しぼんやりしてしまった」と振り返った新井雅貴はポールポジションから4番手まで順位を落としてしまう。これでトップに草野、2位に中山友貴、3位に飯田敏雄と、ひとつずつ予選から順位を上げることになった。「1周目で中山選手との差が思ったよりも広がった」と語る草野はコンスタントに57秒台前半のラップを刻み、2位中山との差を広げてみせる。一方、激しいバトルとなったのが飯田と新井による3位争いだ。

コーナーリングスピードで勝る新井は、なんと隙を突こうと後方からプレッシャーをかけるが、飯田もラインをしっかりと抑えてみせる。ふたりのバトルは最終ラップの最終コーナーまで続いたが、飯田がポジションを守りきった。首位の草野は一時、ゲストドライバーの中山に迫られる瞬間があったものの、予選を上回る1’56.789のファステストラップを刻むなど、危なげないレース展開でフィニッシュ。エキシビションレースながらも、嬉しい開幕戦勝利を手にしている。

2番手でレースを終えた中山が賞典外となるため、草野に続く2位はクラス1初レースながらも表彰台に上がった飯田。「どうしても抜くことができなかった」と悔しさをのぞかせた新井は3位。4位はスタートでトクイチに先行されながらも、4周目に抜き返した滑川真央が入った。クラス3は唯一の参戦となった大屋彰利が、心配されたトラブルが発生することなく、レースを走りきっている。
総評 賞典外 #2 中山友貴(賞典外)
「2番手でしたが、10周のレースを楽しむことができました。トップの草野選手にもう少しプレッシャーをかけたかったんですが、コーナーでは追いつくんですけれど、ストレートで置いてかれてしまいましたね。エキシージSは燃料が多い状況やタイヤがタレてきても、コンスタントにラップタイムを刻めます。車重の軽さもあってブレーキのスタビリティが高いことも素晴らしいですね。予選の時も思いましたが、回頭性の良さもあってドライビングが楽しかったです。改めて、運転技術のスキルアップに最適なマシンだと思いました」

Class 1
優勝 #55 草野誠二
「スタートで前を抜けたのはラッキーでしたね。1周目で2位の中山選手を離せたので、いつもの練習走行に近い感覚で10周走ることができました。あまり後ろを見ずに、とにかくブレーキングポイントを間違えないように集中しました。今シーズンはタイトルを獲りたいので、次に向けて練習量を増やしていこうと思っています。」

Class 1
2位 #47 飯田敏雄
「ずっと激しいバトルの連続でしたし、本当に疲れました(笑)。思っていたよりも、前の2人に置いてかれなかったのも嬉しかったです。また練習の日々ですね。今シーズンのクラス1は上位のドライバーが競っていることもあって、本当に楽しいです。今年はタイトルが狙えるといいなと思っています。」

Class 1
3位 #36 新井雅貴
「スタートでミスをしてしまいました。レース中も4速が入らなかった上に、少しミスもあって、前に追いつくことができませんでした。開幕戦を走ってみて、改めてレースの難しさを感じました。」

Class 1
4位 #5 滑川真央
「予選で失敗したぶん、決勝で取り返そうと頑張ったら、いいタイムで走ることができました。次の鈴鹿は出ることができないので、第3戦の富士では表彰台争いがしたいですね。」

Class 3
優勝 大屋彰利
「マシンはいつ止まるのかヒヤヒヤしていましたが、最後まで走りきれました。やっぱりレースは楽しいです。次の鈴鹿では、クラス3にもライバルが出てきてくれるのを期待しています。」