Lotus logo

F1 オーストラリアGP-レースレポート

2012/06/25



F1 オーストラリアGP-レースレポート

2012年1グランプリ、メルボルンでの開幕戦。キミ・ライコネンのブランクからの見事な復活の一方で、ロメイン・グロージャンの夢見た週末がレース開始早々に残酷な結果に終わるという、ロータスにとっては、複雑な心境の一日となった。



金曜日は、どしゃぶりの雨により走行に影響が見られたが、シーズン開幕戦となるオーストラリアGPのこの日、アルバートパーク・サーキット上空には若干の雲が残っているだけで、パドックは理想的な天候に恵まれた。

ドライビングとコミュニケーションのミスで予選18位と低調で苦しい結果となった土曜から一夜明け、サーキットを走り抜けて7位でフィニッシュしたキミ・ライコネンは、スタートこそ良かったが、最初のコーナーでアクシデント回避のためにブレーキをかけ、芝に乗り上げ後退した。
そして、アクシデント回避の後、スタート直後のポジションまで上がろうと今度は上りでのバトル。2007年チャンピオンも経験しているキミ・ライコネンは、いつもの冷静さで、次々とポジションを上げ、19週目にはトップ10に食い込み、ファイナルラップで10番手から7位まで浮上した。

 

黄色いマークの入ったソフトタイヤでスタートしたキミは、2回のピットインで、ソフト、ソフト、ミディアムという戦略に出た。最後のピットインはセーフティーカーの割を食い、結果的にそれ以上追い上げることができず、キミ・ライコネンの週末は、終わってみれば、フラストレーションの一言に尽きるレースだった。しかしそれでも、キミ・ライコネンは復活レースに冷静、かつ着実に臨み、内容も今後に十分期待できるものであったことについては、彼自身、誇りに思っていいはずだ。

一方、ロメイン・グロージャンの週末はと言えば、残念ながらチームメイトとは正反対となった。アルバートパーク・サーキットは初めてというロメインは、E20を操り、土曜の時点で3番グリッドを獲得した。ところが、決勝では13コーナーでウィリアムズのパストール・マルドナドと接触し、ステアリングが壊れてリタイヤ、たった3周でレースが終わってしまった。

ロメイン・グロージャンは、夢の週末がこんなふうに納得のいかない形で終わったことに当然がっかりはしたものの、かなり期待の持てるF1開幕に、強気は変わらない。チームの努力をすかさず賞賛し、同時にマレーシアでの次のレースに意欲を見せる。

グランプリの第2ラウンドは、来週末の3月23~25日、マレーシアのクアラルンプールで開催される。チームがクアラルンプールで目指すのは、今週末、オーストラリアで魅せたマシンのポテンシャルを生かすことである。