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【LOTUS CUP JAPAN 2019】特別戦 @ JAPAN LOTUS DAY レースレポート

2019/09/12

 


 

■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2019年シーズン特別戦が、9月8日(日)に富士スピードウェイで開催された。特別戦は「JAPAN LOTUS DAY 2019」内で、エキシビションとして行われる。シリーズポイントには加算されないものの、最終ランキングで同ポイントとなった場合、今回の順位によって最終結果が決まる可能性もあるため、決して無視できない一戦と言えるだろう。

 

ロータス初のフルEVハイパーカー「エヴァイア」の日本発表という話題に沸いた「JAPAN LOTUS DAY 2019」には、今回も多くのロータスが集結した。貴重なヒストリックカーのデモラン、サーキット走行会、トークショーなど、イベントが目白押しのなか行われたロータス・カップ特別戦には、クラス1が5台、クラス2が5台、合計10台がエントリーした。ゲストドライバーは、自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋選手が今シーズン3回目の参戦を果たしている。

 


 

台風15号の接近という心配はあったものの、予選は絶好の好天に恵まれ、午前9時20分に15分間の予選が行われた。直前に行われていた走行枠におけるコースオフの影響もあり、1コーナーから3コーナーにかけてオイル処理の跡が残るという難しいコンディションのなか、いち早くコースインしたのは、現在ポイントリーダーの山本健一選手。最初のアタックラップで1’57.222を記録すると、抜群のストレートスピードを活かして、1’56.805までタイムを縮めてみせる。1’57.762を記録した坂田元憲選手が2番手に飛び込み、飯田敏雄選手、佐藤考洋選手、荒田良浩選手が続く。その後、1’57.384までタイムを縮めた飯田選手が2番手に浮上、1’57.711と57秒台に乗せた佐藤選手も3番手につける。「あまりタイヤが上手く使えていない」と判断した山本選手がピットへと戻り、上位陣は膠着状態に。

 

残り1分を切り、こまま予選終了かと思われた時、それまで5番手に付けていた荒田選手が1’57.311を叩き出し、一気に2番手にジャンプアップ。そのままチェッカーとなり、山本選手がポールポジション、フロントロウの一角に荒田選手が入った。3番手は飯田選手、4番手に佐藤選手が続き、序盤好タイムを記録した坂田選手はベストを更新できず、5番手に終わっている。クラス2は仙台ラウンドをスキップしていた大屋彰利選手が復帰、さらに初参戦の松尾修選手が加わったことで、シーズン最多の5台のエントリーとなった。もてぎ、菅生と連勝している秋葉有一選手が、最初のアタックラップで2’05.658叩き出し、2番手の松尾選手に2.468秒の大差をつけて予選トップタイムを手にしている。

 


 


■コメント

Class 1
予選1位 #48 山本健一選手

「3カ所くらい路面に石灰がまかれていて、ベストラインは取れませんでしれが、想定した走りはできました。練習もしていたので、集中して走れたのが良かったと思います。富士はカレンダーの中では一番走っているので、どこで攻めるべきか、走り方も決まっています。それが良い結果につながったのかもしれません。決勝は天気も持ちそうですし、このままの1番でチェッカーを受けたいです」

 

予選2位 #15 荒田良浩選手

「オイル処理の石灰がかなり広範囲にまかれていたこともあって、かなり怖かったです。最後にタイムは出せましたが、ちゃんとアタックできなかったので、決勝はタイヤをしっかり使って走りたいと思います。エキシビションなので、まずは楽しむことですね」

 

予選3位 #47 飯田敏雄 選手

「富士でようやく晴れてくれましたね。楽しく走れましたが、自分も含めて、あまりタイムが出ていませんでした。でも、ここは楽しむしかないので、決勝はしっかり楽しみたいです。レースになると、やっぱり前に行きたくなってしまうんですが……(笑)」

 

Class2

予選1位 #16 秋葉有一選手

「前のセッションでのオイル処理があって、今日は最初から1アタックで止めようと決めていました。練習のタイムには届いていなかったのですが、良しと判断しました。今回はクラス2に5台が集まりましたし、天気が少し心配ですが、お祭りのレースでしっかりと決めたいと思います」

 

予選2位 #77 松尾 修選手

「今回がデビュー戦で、ロータス・カップが初めてのJAF戦になります。これまではクラブマンレースを中心に走っていました。ニュータイヤでのアタックが初めてだったのと、走行中にタイムが分からなかったなかでは、2番手に付けられたので良かったです。決勝はトップの秋葉選手がすごく速いですし、後ろから勉強させてもらうつもりで頑張ります」

 

賞典外 予選4位 #2 佐藤考洋

「今回は練習走行ができず、ぶっつけ本番の予選でした。全然ダメかと思ったんですが、タイムは思ったほどは悪くなかったです。でも、ベストからほど遠いのは上手くまとめきれなかったからです。最後にもう1回プッシュして、セクター1までは良かったんですが、セクター2で失敗して、諦めて帰ってきました(笑)。決勝は4番手スタートなので、気楽に前を見ながら走りたいですね。今回のように大きなイベント内のエキシビションは、すごくいいですね。ロータスが好きな方に観ていただけると、走っているほうもテンションが上がります」

 

 


 

■決勝

LOTUS Cup Japan第4戦決勝レースが、富士スピードウェイ10周で争われた。予選は好天に恵まれていたが、決勝前に突如雨が落ち始める。しかし、フォーメーションラップ直前に再び日差しが戻り、午前11時15分に予選をスキップしたクラス2の西面一選手を加えた10台が、一斉にスタートした。

 

ポールポジションの山本健一選手が抜群の蹴り出しで1コーナーをクリアした一方、2番手以降は大きく順位が動いた。予選4番手の佐藤考洋選手が荒田良浩選手と飯田敏雄選手をかわして、一気に2番手に浮上。さらに5番手スタート坂田元憲選手も飯田選手と荒田選手をパスして3番手に順位を上げた。勢いに乗る坂田選手は、オープニングラップのストレートで佐藤選手に並ぶが、抜くまでには至らず。その後、2周目の2コーナーでアウト側に膨らみ、飯田選手の先行を許してしまう。諦めない坂田選手は3周目に飯田選手を抜き返すとと、5周目のストレートで再び佐藤選手のスリップストリームに入り、1コーナーで2番手に浮上。ところが、直後にドライビングミスもあり、佐藤選手と飯田選手に抜かれて、またも4番手にまで順位を落としてしまった。飯田選手と坂田選手によるテールトゥノーズが続き、8周目のストレートでスリップに入った坂田選手がまたも飯田選手をパスし、3番手に順位を上げた。

 

トップの山本選手はレース中盤に細かいドライビングミスにより、一時佐藤選手との差が1秒近くにまで縮まったが、その後は落ち着きを取り戻し、終わってみれば、2番手の佐藤選手に3.049秒差をつけて、もてぎからの連勝を3に伸ばした。佐藤選手が賞典外となるため、2015年以来のロータス・カップ参戦となった坂田選手が2位。3位に飯田選手、4位に荒田選手のオーダーでレースを終えた。クラス2は予選トップの秋葉有一選手がスタートで一瞬遅れるも、1コーナーをトップで通過。その後方では、スタートを決めた西面一選手が2番手に浮上し、1秒以内に松尾修選手とIKURO MATSUBA選手が続き、3台での接近戦が繰り広げられる。しかし、2番手を走行していた西面選手は、序盤の接触によりドライブスルーペナルティで4番手までポジションを落としてしまう。トップの秋葉選手は最終ラップまで首位を守りきって3連勝、2位には今回がシリーズ初参戦となる松尾選手が入った。最終ラップまで続いたIKURO MATSUBA選手と西面選手による3位争いは、IKURO MATSUBA選手が表彰台を獲得。今回が復帰戦となった大屋彰利選手も、5位でレースを走りきっている。

 


 


 

Class 1
優勝 #48 山本健一選手

「序盤から中盤はミスがいくつかありました。後ろが団子になっていたので、すごいプレッシャーを感じました。ブレーキングが奥に奥に行ってしまって、止まりきれなくなることが何度かあったんです。佐藤選手もグッと詰めてくるので、精神的にキツかったです。このままじゃダメだと思って、落ち着いて早めのブレーキングを心がけて、立ち上がり重視にしたら、逃げ切ることができました」

 

2位 #88 坂田元憲選手

「2015年以来の参戦になります。今回はスポットです。バトルの連続で、めちゃくちゃ疲れました。後ろに付けると前に行けるんですが、前に出るととっちらかって抜かされて……という展開でした(笑)。目標が前にあるのとないのとでは、大違いでした。エキシージは久々に乗りましたが、やっぱり楽しいですね」

 

3位 #47 飯田敏雄 選手

「バトルができて、すごく楽しかったです。上位のタイムが近かったので、皆さん楽しめたと思います。あとは、もう少し台数が増えてくれると嬉しいですね。次のもてぎに関しては、自分のなかで課題が山盛りになっているので、どこまで詰められるかです」

 

Class2
優勝 #16 秋葉有一選手

「スタートがイマイチだったので、かなり接近されました。ただ、予選のペースが悪なかったので、前には行けると思っていました。そうしたら、後ろでかなり混乱していて、このまま行けば楽ができるぞ……と(笑)。路面は完全にドライで、雨を心配して幌をつけたんですが、逆に暑かったくらいです」

 

2位 #77 松尾 修選手

「2位だったんですが、正直悔しいです。スタートが決まって、前に秋葉選手が見えたので、行けるかと思ったら、1コーナーでオーバーランしてしまいました。2位には上がれたんですが、その後も色々と混乱があって、1位から引き離されてしまいました。ロータスでのレースは本当に楽しかったです。ミッドシップで軽いので、操る楽しさを改めて感じました」

 

3位 #19 IKURO MATSUBA選手

「抜きつ抜かれつで楽しかったです。なかなか秋葉選手に追いつけないですね。次のもてぎは、もう少し練習して頑張ります」

 

賞典外 #2 佐藤考洋

「決勝は予選よりも順位を上げられて良かったです。決勝は、これまで僕がロータスカップに出た中で、一番上手く決まったと思います。荒田さんがちょっと遅れていたので、イン側に入りました。インフィールドはけっこう良かったんですが、ギヤが入るのが渋いところがあって、そこでロスしてしまいました。毎戦、皆さんレベルを上げてるし、サイドバイサイドの戦いが安心してできるのは、ロータス・カップのいいところです。富士はつい行き過ぎてしまうので、我慢することがポイントになります」

 

次戦は10月6日(日)、ツインリンクもてぎにて開催致します。
最終戦まであと2戦、目が離せません!