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LOTUS CUP JAPAN 2018 第3戦 レポート

2018/08/15


■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2018年シーズン第3戦が7月29日(日)に宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。東北で唯一開催される菅生ラウンドにはクラス1が8台、クラス2が1台という、9台がエントリー。今回初参戦となるFunarello Darrenは、Kaber Mclean同様に香港在住の英国人で、これまではFF車両でのレース参戦経歴を持つ。また、賞典外のゲストドライバーとして、昨年の開幕戦富士以来となるレーシングドライバーの中山友貴も参戦する。「1年ぶりの参戦ですが、菅生はロータスに合っているサーキットなので楽しみです。」と、久々のロータスカップへの意気込みを語った。

日本列島に上陸した台風12号の影響により、コースには早朝から深い霧が立ち込めるあいにくのコンディション。開始予定時刻の午前9時の段階でも濃霧は晴れず、予選は順延。天候の状況により、予選開催の有無を判断することになった。そして、午前11時10分に霧が晴れたことから、20分間の予選がスタート。細かい霧雨が残るなか、一番に最初にコースへと飛び出したのは中山友貴。最初のアタックラップで1’40.379を記録すると、1’38.526までタイムを縮めてみせる。

その後方では飯田敏雄、荒田良浩、草野誠二が1分41秒台のタイムを並べる展開に。時間の経過にしたがって、路面コンディションが少しずつ良くなるなか、ただひとりピットに戻ることなくアタックを続けていた草野が1’40.467を記録。その後の周回で1’39.829と、中山に続き1分40秒台を割ってきた。

残り7分を切った段階で、それまでピットに戻っていた飯田、荒田、中山がコースに復帰。「路面がよくなってきたので、攻められるところで攻めた。」と振り返った飯田が、中山も上回る1’38.065を叩き出し、リザルトボードのトップに躍り出る。すかさず中山も1’37.558のタイムで対抗するが、さらに飯田が1’36.902と突き放し、前戦富士スピードウェイに続きポールポジションを獲得した。

「タイムを上げきれなかった。」と振り返った中山が2位。3位には最終的に1’38.213にまでタイムを縮めた草野が入り、以下、荒田、滑川真央と続いた。一方、1台のみの参戦となったクラス2は、秋葉有一が予選開始直後に1’54.906のタイムを記録している。


■コメント
Class 1
予選1位 #47 飯田敏雄 選手
「状況が刻一刻と変わって、ラインもどんどん乾いていく状況でした。コースは部分的に乾いていたので、とにかくドライのセクションでアクセルとブレーキを使おうと考えていました。予選中、タイヤがタレてきたので、一度ピットに戻りました。タイヤのエアチェックをしつつ、ライバルの様子を見ていました。最後になんとかいいタイムが出せて良かったです。決勝の状況は分かりませんが、速い人が多いので、確実に走ろうと思っています。」

予選3位 #55 草野誠二 選手
「後半はほぼドライになりましたね。ドライでは練習していたので、想定していたタイムで走れました。S字が最後までウエットだったので、ここは思ったように走れませんでしたね。1位と1秒ちょっと差がついたので、決勝は厳しいかもしれません。菅生はドライしか練習していないので、晴れてくれれば、いい走りができるかもしれません。」

予選4位 #15 荒田良浩 選手
「前半は雨も残っていたので流して、後半アタックしようと思っていました。ただ、雨のつもりでガソリンの搭載量を減らしていたら、最後の1周はアタックする余力も残らず、ガス欠になってしまいました(笑)。その結果が今回のタイムです。同じくらいのタイムで走っているドライバーが多いので、決勝はバトルを楽しみたいと思っています。」

Class2
予選1位 #16 秋葉有一 選手
「今回はクラスに1台だけなので、とりあえず1周走ってタイムだけ記録しようと予選に挑みました。それほどいいタイムではありませんが、納得しています。決勝はマシンをヒットさせないこと、あとはクラス1のクルマが近い位置にいるので、彼をターゲットに走ろうと持っています。」

ゲストドライバー(賞典外)
予選2位 #2 中山友貴 選手
「予選開始の段階では、コース上の前半区間がしっかり濡れていて、後半は乾きかけという状態でした。コースインの段階で小雨も降ってきたので、20分間で2〜3回アタックすれば、タイムが出せると考えていました。ただ、天候が悪化するのか、良くなっていくのか、読めませんでした。僕は前半にアタックしたんですが、結果的に後半につれてどんどん状況が良くなっていきましたね。決勝はドライになると思いますが、邪魔にならないよう、皆さんに楽しでもらえるように頑張ります。」


■決勝
LOTUS Cup Japan第3戦決勝レースが、7月29日(日)に、宮城県・スポーツランドSUGOで行われた。台風の影響が残り、風は強く吹いているものの、天候は曇り。予選の段階で残っていた霧もはれ、太陽が出てきたことで、路面コンディションはドライとなった。当初の予定から2時間ほど遅れたが、14時10分に10周で争われる決勝がスタートした。

初のポールスタートとなった飯田敏雄は「緊張感があった」と振り返ったが、抜群の蹴り出しを決めてトップで1コーナーをクリア。2番手に中山友貴、3番手に草野誠二と予選と同じオーダーで続く。草野はバックストレッチで中山に並ぶと、馬の背でパス。2番手にポジションを上げる。その後方では会心のスタートを決めた滑川真央が、2コーナーで荒田良浩を捕らえて4番手に順位を上げた。

草野は2周目に今回のファステストラップとなる1’35.464を叩き出し、トップを走る飯田を0秒734秒差と射程圏内に捉える。しかし、3周目の馬の背で草野はブレーキングミス。その差は再び1秒221に広がった。その後は飯田、草野、中山の差が等間隔となり、トップ3は膠着状態に。レースが動いたのは7周目、8周目のS字カーブで失速した草野を中山が抜き、2番手に浮上。追いかける草野が中山の後方となり、これで楽になった飯田は完璧なペースで走りきり、フィニッシュ。開幕戦ツインリンクもてぎに続き、シーズン2勝目を飾り、ポイントランキングで2位との差をさらに拡大した。

2位に入った中山が賞典外のゲストドライバーとなるため、3位でゴールした草野が2位を獲得。3位には1周目で荒田をかわした滑川が、今シーズン初となる表彰台を手にした。クラス2の秋葉は「まだ新しいマシンに慣れていない部分がある」と反省点を語ったものの、ミスなく走りきり、開幕戦もてぎに続くトップフィニッシュを果たしている。


■コメント
Class 1
優勝 #47 飯田敏雄 選手
「キツいレースでした。初めてポールからスタートして、独走状態で走るのも初めてだったので、かなり緊張感がありました。草野選手のプレッシャーもキツかったですし、自分自身もすごく消耗しました。ポイントリーダーとして得点差を広げられたのも嬉しいです。今シーズンは初めての経験が続いていますが、この環境を作ってくれたロータス横浜さんへの感謝しかありません。」

2位 #55 草野誠二 選手
「自分の中ではファステストラップも出せましたし、いい走りができたと思います。でも、抜くまではいけませんでしたね。今回は予選がすべてでした。次の富士は参戦するまだ決まっていませんが、クルマの足回りのセッティングをもう一度見直したいと思っています。」

3位 #5 滑川真央 選手
「スタートが決まって、1台を抜くことができました。そこから前を追いかける展開になって、最初はついて行けそうだったんですが、ジリジリ離されてしまいました。3位表彰台にも上がれましたし、満足しています。土曜日にクルマを壊してしまって、レースに出られただけでもありがたかったのですが、決勝を走っているうちにどんどんペースを上げることもできました。次の富士は優勝を狙いたいです。」

Class2
1位 #16 秋葉有一
「とりあえずドライコンディションだったので、心配なく走れました。まだクルマに対する理解が足りていないので、少し押さえて走りました。やはり1台でのレースは寂しいので、もっと台数が増えて欲しいですね。この後のラウンドには新たに2-11が参戦して、このクラスが3台になると聞いているので、楽しみにしています。」


ゲストドライバー(賞典外)
#2 中山友貴
「すごく楽しいレースでした。チャンピオンシップ争いをしている2名の間に入っていたので、スタートで前に出られればと思っていたのですが、ギリギリ前に行けませんでした。無理してヒットしてもと思ったので、そのままステイしました。その後もバンバン仕掛けていったんですが、逆に僕が立ち上がりで失速したところを、草野選手が並びかけていったので、先に行ってもらいました。トップふたりが争っているところを後方から見ていたのですが、草野選手が僕を意識したことでペースが落ちてきたので、前にいきました。皆さん周囲をしっかり見ながらレースをしていますし、マナーの悪い走りもまったくありませんでした。とても素晴らしいことですし、お互いがリスペクトしているように見受けられました。これは今後も続けて欲しいですね。ロータスはフォーミュラのような挙動を持っており、ドライブすればするほど、運転が上手くなります。タイヤを使って、しっかり練習を踏んで欲しいです。」