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LOTUS CUP JAPAN 2017 第2戦 レポート

2017/05/08

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■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2017年シーズン第2戦が5月7日(日)に三重県・鈴鹿サーキットで開催された。シリーズ開幕戦の富士ラウンドはエキシビションレースとして行われており、今回の鈴鹿からポイントを掛けた熾烈なバトルが繰り広げられる。開幕戦をスキップした昨年のクラス1チャンピオンである長谷川憲幸が今季初参戦、クラス1は合計9台がエントリーを果たした。

昨シーズンからLOTUS Cup Japanのカレンダーに加わった鈴鹿サーキット。初年度は東コースのみの使用となったが、今年はフルコースで戦われる。「グランプリコースをロータスで走れる貴重なチャンス」と、エンラントからもこのレースへの期待は小さくない。前日の練習走行では雨もあったものの、日曜日は青空が広がる快晴。午前11時15分、15分間の予選がスタートした。

予選前半、開幕戦を制した草野誠二がコースイン早々に、2’25.202をマーク。直後に走った長谷川は2’25.504、新井雅貴が2’26.208と、僅差のタイムで続く。予選開始後もしばらくピットで待機していた加藤寛規がコースインすると、それまでのベストタイムを大きく上回る2’22.976を叩き出す。なんとか加藤に食らいつきたい長谷川は2’24.530を記録し、その時点での2番手に浮上するが、直後に新井が2’24.268と長谷川のタイムを更新する。

「セッティングが厳しかった」振り返りながらも、格の違いを見せた加藤がポールポジションを獲得。1.292秒差の2番手には「シフトミスがなければ、もっと良いタイムが狙えた」と悔しさをのぞかせた新井。3位長谷川、4位草野と。2列目にはチームメイト同士が並んだ。新田良浩が5位、飯田敏雄は6位で予選を終えている。

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Class 1
予選1位 #2 加藤寛規(賞典外)
「鈴鹿のフルコースを、このクルマでしっかり走るのは初めてだったので、イメージしながら走りました。ニュータイヤの1周目しかタイムを出せませんでしたね(笑)。皆さんももっと練習すれば、もっと良いタイムが出せたはずです。西コースは『ちゃんとセッティングしないと怖いな』って思ったはずです。このサーキットを攻略するのは、本当に難しかったと思います。」

予選2位 #36 新井雅貴
「自分としては、ちょっと不本意な予選でした。走り慣れているコースだったんですが、シフトミスを2回もしてしまったラップがベストだったんです。もっとタイムを詰めることができたはずです。開幕戦はスタートで失敗してしまったので、予選でも少しスタートの練習をしました。」

予選3位 #8 長谷川憲幸
「少し恐怖心がありました。攻め切れなかったという思いがありますが、これが現状の精一杯なので、受け入れます。とにかくブレーキングポイントがわからなくて、さぐりながらの走りでした。レースで改善できれば、頑張ってみようと思います。簡単に抜けるサーキットではないので、スタートをしっかり決めたいと思います。前にいくことができれば、何かできることがあるはずです。」

予選4位 #55 草野誠二
「自己ベストは出せたんですが、皆さん速いですね。ポールか2番手には行きたかったのに、3番手でした。このタイヤだと、恐怖感があります。スピードもかなり速いです。鈴鹿は運転レベルの差がはっきりつきますね。決勝は表彰台を目指して頑張ります。」

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■決勝
LOTUS Cup Japan開幕戦決勝レースが、5月7日(日)に鈴鹿サーキットフルコース8周で争われた。予選に続き、決勝も青空が広がる快晴。時折強い風が吹くものの、絶好のレース日和のなか、午後4時40分に9台が一斉にスタートした。ポールの加藤寛規が完璧な蹴り出しでホールショットを決めると、3番手からスタートした長谷川憲幸が新井雅貴をパスして2位に浮上。加藤と長谷川が、後方を引き離しにかかる。

その後方、3位にポジションを落とした新井の背後に草野誠二が迫り、テールトゥノーズの接戦を繰り広げる。1周目のシケインで新井がミスを喫したことを見逃さず、草野がメインストレートでパス。ラップタイムで勝る新井は3周目に130Rで草野をアウト側から抜き去る。なんとか再度新井に迫りたい草野だったが、逆バンクでシフトミスを喫してハーフスピン。数秒をロスして、新井から大きく引き離されてしまう。

ファステストラップを刻みながら、トップを追う長谷川は、6周目のストレートで加藤に並ぶと、1コーナーでパス。ついに首位に立つ。「加藤選手の走りを見ながら、自分のドライビングを修正できた」と振り返った長谷川は、残された周回も大きなミスなく走りきり、2位に加藤を従えて総合トップでフィニッシュした。3位は「またスタートで失敗してしまった」と悔しさをのぞかせた新井。レース後半に荒田良浩の追い上げを振り切った草野が、4位に入っている。2位でレースを終えた加藤が賞典外となるため、優勝の長谷川に続き、2位新井、3位草野が最終結果となった。

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Class 1
優勝 #8 長谷川憲幸
「3番手からのスタートでしたが、ミスしないように心がけました。そこで新井選手を抜くことができて、ドライビングにリズムが生まれました。加藤選手の後ろについて、実戦でレクチャーして頂いたことで、自分の修正点が見えました。首位に立ったあとも、ミスがちょこちょこあったんですが、無事にフィニッシュできて良かったです。このまま波に乗れたらいいんですが、皆さんもどんどん速くなっています。今回も予選に課題がありましたし、油断せずにいきたいです。」

2位 #36 新井雅貴
「勝てませんでしたね。またスタートでした。緊張感があったわけではないんですが……。それでもレース中は草野選手と楽しいバトルができました。それにしても、55歳の年齢でこの展開となると、フィニッシュ後の疲労感がすごいです。(笑)」

3位 #55 草野誠二
「予選とにたような展開になりました。先頭にも追いつけないし、改めて鈴鹿は難しかったです。新井選手に抜かれた後は、とにかく後方からの追い上げに注意しました。8周のレースでしたがが、本当に疲れました(笑)。やはりしっかり考えながらドライブしないとダメですね。アクセルやブレーキを酷使してしまったので、後半はかなりタレてしまいました。」

総評 賞典外 #2 加藤寛規(賞典外)
「皆さん、決勝レースは自分たちの課題をクリアしながら、しっかり走ってくれました。さすがにチャンピオンの長谷川さんは速かったですね。クルマの仕上げ方も上手で、僕もストレートで抜かれてしまいました(笑)。鈴鹿は世界的に見ても、非常に難しいコースです。皆さんにも、ぜひこのフルコースを走ってほしかった。そして、鈴鹿は練習量が絶対的に必要です。F1ドライバーだって、パッときてもなかなかタイムを詰めきれませんからね。次は練習をしっかりして挑んでほしいです。ここで走れるようになれば、クルマやドライビングへの理解が深まるはずです。」

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