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LOTUS CUP JAPAN 2017 第4戦レースレポート

2017/07/11

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■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2017年シーズン第4戦が7月9日(日)に宮城県・スポーツランド菅生で開催された。東北エリアで唯一のイベントとなる菅生には、クラス1が9台、クラス3が1台と合計10台がエントリー。また、菅生でロータスカップ・ジャパンが開催されるのは、雪のためキャンセルとなった2013年シーズン以来4年ぶりとなる。

今回、賞典外のゲストドライバーとして、モータージャーナリストとしても活躍するレーシングドライバーの大井貴之が参戦。梅雨の真っ只中の東北地方だが、この日は雲ひとつない快晴に恵まれ、気温も30℃を超えている。ドライコンディションのもと午前10時に、20分間の予選がスタートした。予選開始直後、真っ先に1分40秒台を切る1’36.465を記録したのは、ポイントリーダーの長谷川憲幸。さらに前戦富士で勝利を飾った草野誠二も1’36.905と僅差で続く。さらに草野は直後のラップで、唯一35秒台に入る1’35.858を叩き出す。「菅生はまだ探りながらドライブしている」と語る長谷川も1’36.388までタイムを縮めるが、草野には届かない。3番手には今シーズン、予選で速さを見せてきた新井雅貴が1’38.132で続く。

1位の草野と2位の長谷川がピットに戻る一方、アタックを続けた新井が1’37.720をマークするが、トップのふたりには届かない。その後方では、初の菅生ドライブとなった滑川真央が1’38.694、飯田敏雄が1’39.195と40台を切ってくる。予選前半でアタックを行わなかったゲストドライバーの大井が、残り10分の段階でコースイン。2回目のアタックで1’37.753を記録し、滑川を抜いて4位に飛び込んできた。

ピットに戻った後は、「抜かれないように祈っていた」と振り返った草野が自身初のポールポジションを獲得。以下、2位に長谷川、3位に新井、4位に大井、5位に滑川のオーダーで予選を終えている。今回、1台のみの参戦となったクラス3の秋葉有一は1’44.855をマークし、無事に予選を走り終えている。

Class 1
予選1位 #55 草野誠二
「思った通りに走ることができました。ピットに戻ってくるまでタイムが分からなくて、少し不安だったんですが、最初から2~3ラップで戻ってくるつもりでした。ピットで確認したら、想定内のタイムが出ていたのでほっとしました。菅生はオーバーテイクするポイントが少ないので、決勝では自分の走りに集中します。とにかくスタートが鍵ですね」

予選2位 #8 長谷川憲幸
「まだ菅生での走りを掴みきれていない感じですね。でも、予選としてはベストは尽くしました。初めてレースに参加するサーキットでも、これまでは加藤(寛規)選手の走行動画などを参考にできたんですが、今回はそれがありません。つまり、ひとりでドライビングを構築する必要があります。まだまだ首を傾げながら乗っている状態です。決勝は、ひとつ前の順位を目指せるよう、チャンスを狙っていきたいです」

予選3位 #36 新井雅貴
「難しいですね。菅生は以前も別のカテゴリーで走っているんですが、ずいぶん前なので、感覚が追いつきませんでした。ロータスでのブレーキングに難しさを感じています。決勝はこの順位をキープできるように頑張ります。」

予選7位  #2 大井貴之(賞典外)
「計測2周目で、クーリング中のマシンに引っかかってしまったのが残念でした。トップのふたりは全く見えないので、表彰台の端っこを目指して頑張ってみようと思います。エキシージは加速も気持ちいいし、ハンドリングもいいし、このまま乗って帰りたいほどです。(笑)」

Class 3
予選1位 #16 秋葉有一
「菅生は好きなコースなので、楽しみながら走りました。すごくチャレンジングなので、『攻めている』という実感があります。パワーがないと辛い面もあるんですが、クルマのハンドリングでタイムを詰められるので、上位のマシンとも争える部分があります。決勝はとにかく壊さないように心がけつつ、しっかり完走したいです。」

_K1Y2098 ■決勝
LOTUS Cup Japan第4戦決勝レースが、7月9(日)に宮城県・スポーツランド菅生の10周で争われた。午後に入り風が強くなったものの、依然として好天をキープ。ドライコンディションのもと、午後15時35分に10台が一斉にスタートした。

ポールポジションの草野誠二はまずまずの蹴り出しだったものの、直線でギヤがうまく入らず加速が伸びない。予選2番手の長谷川が草野をかわし、1コーナーで前に出る。しかし、3周目の馬の背で草野がアウト側から長谷川に並ぶと、そのままパス。「ここしかないと思った」と振り返った草野が首位を獲り返した。さらにペースで上回る草野はプッシュを続け、長谷川との差を少しずつ広げてみせる。

トップふたりの後方でテールトゥノーズの激しい攻防を繰り広げたのが、新井と大井による3位争い。スタートで予選4番手の大井が新井をパスして3位にポジションあげるが、2周目の1コーナーで新井がイン側から大井を抜いて3位を取り返す。その後も大井がコーナーでたびたび仕掛けるものの、新井も巧みにラインを閉めて3位をしっかりキープする。

中盤以降もコンスタントに1分36秒台前半のラップを刻み、長谷川にオーバーテイクのチャンスを与えなかった草野がトップフィニッシュ。第3戦富士スピードウェイに続き2連勝、シーズン3勝目を挙げた。3位は大井のアタックを最後まで凌ぎ切った新井。賞典外で参戦する大井を挟み、4位は予選5番手からスタートでひとつ順位を上げた飯田敏雄。「菅生は本当に難しかった」と語った滑川真央は5位。1台のみの参戦となったクラス3は秋葉有一が無事に完走を果たしている。
_K1Y2541 Class 1
優勝 #55 草野誠二
「スタートは上手くいったんですが、2速から3速にうまく入りませんでした。『あっ』と思ったら、長谷川選手に抜かれてしまいました。『このレースは終わった』と思いました。このサーキットの抜きどころは馬の背くらいしかないので、ここしかないとアウト側から少し無理をして突っ込みました。その後はインをキープして、なんとか前に出られた感じです。ひとつのミスで抜かれてしまう差だったので、最後まで緊張感がありました。残り2戦、1勝できればタイトルを獲れるので、どちらか絶対に勝ちたいです。」

2位 #8 長谷川憲幸
「スタートで前に出させてもらったんですが、本当に厳しいレースでしたね。その後、ブレーキングで負けてしまって、抜かれてしまいました。スリップが使えば草野選手に近づけるんですが、オーバーテイクするまでには至れませんでした。あと2戦残っていますが、自分のレースをしっかり戦いたいと思っています。」

3位 #36 新井雅貴
「憧れの大井選手とのバトルでしたが、『さすが!』と、思わされるドライビングでした。ゲストドライバーということもあって、無理してプッシュしてこなかったのだと思います。素晴らしいドライビングで、すごいものを見せてもらいました。自分はまだまだだと実感しましたね。でも、本当に疲れました(笑)。ポイントでは3番手につけているんですが、最終戦に出られないのは残念です。」

_K1Y2563 (章典外)#2 大井貴之
「レースを心から楽しめました。今回は予選タイムを考えて、3位争いに集中しました。何度か新井選手もミスをしていたんですが、ちょっとプレッシャーが足りませんでしたね。行けそうだったんですが、行けきれませんでした(笑)。腕の差がはっきりと出ますし、気持ち良さもある。菅生はロータスで走ると、楽しいサーキットですね。」

Class 3
優勝 #16 秋葉有一
「菅生は楽しいんですが、上のクラスとはパワー差があるので厳しいですね。1回だけマクリーン選手をオーバーテイクしたので、『レースをしたな。』という実感がありました。あっという間に次の周のストレートで抜き返されましたけどね(笑)。次のツインリンクもてぎは2戦あるので、タイトルをしっかり獲らなければならないと思っています。」

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2017.07.10