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【LOTUS CUP JAPAN 2020】Rd.1 @ ツインリンクもてぎ レースレポート

2020/09/23



 

■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2020年シーズン第1戦が9月20日(日)に栃木県・ツインリンクもてぎ開催された。新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受けて大幅にカレンダーを変更した2020年シーズン。7月27日に開幕戦として行われたスポーツランドSUGOラウンドは、濃霧による視界不良から決勝が中止となっており、実質シーズン初の予選・決勝を開催したレースとなった。

様々コーナーが組み合わせられたテクニカルなレイアウトが特徴となるツインリンクもてぎ・ラウンドには、クラス1が7台、クラス2が7台の合計14台がエントリー。シーズン最多の出走台数を集めることになった。ゲストドライバーは自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋選手が、前戦菅生に続きシーズン2度目の参戦を果たしている。

スタート進行の段階で雨は止んでいたが、路面コンディションはウエット。午前中に行われた練習走行に続き、11時50分に15分の予選がスタートした。各選手が路面を確かめるように走行するなか、2’22.389と、いち早く好タイムを記録したのはゲストドライバーの佐藤だった。飯田敏雄選手は少しずつペースを上げて2’22.886までタイムを伸ばすが、すかさず佐藤が2’21.517とベストを更新する。その後、荒田良浩選手が2’22.294、清水友一選手が2’22.806と、飯田選手のタイムを上回ったものの、21秒台の佐藤には届かない。

残り5分を切った段階で各セクターで自己ベストを並べた飯田選手が2’21.101と、ついに佐藤のべストラップを塗り替えて、リザルトボードのトップに浮上した。このまま飯田選手がポールポジションを獲得するかと思われたが、渾身のアタックを決めた荒田選手が2’20.608をたたき出し、そのままチェッカー。この結果、荒田選手がポールポジションを獲得、2番グリッドに飯田選手、3番手に佐藤、4番手に清水選手のオーダーで予選を終えている。

 



7台が揃ったクラス2は、今回が初レースとなった大野偉貴選手と、ベテランの秋葉有一選手がベストラップを取り合う展開に。最終的に2’29.044を記録した大野選手がポールポジションを獲得。予選終了直前に秋葉選手を上回るタイムを記録した、長澤宏昭選手が2番手を得ている。

 



■コメント
Class 1

予選1位 #15 荒田良浩選手

「納得の走りができなかったので、ポールポジションを獲った気がしないですね。今日は路面が本当に滑りやすく、走るのが大変でした。最後までこの路面の感覚を掴もうと走り続けた感じです。雨はほとんど降っていなかったんですが、とにかく滑りました。タイムを上げられたのは、この路面に慣れてきたのが大きかったです」

 

予選2位 #47 飯田敏雄選手

「またウエットになりましたね。もてぎはあまり得意ではないので、これまでも上手くいった記憶があまりないんです。練習不足もあって、ドライビングとしてしっくりいっていない気がします。そして、ラインが難しく、このコンディションを読みきれなかった面もありました。かなり変化が激しく、あらためて乾きつつある路面の難しさを感じました。決勝はスタートをとにかく頑張ります」

 

Class2
予選1位 #20 大野偉貴選手

「私自身、レースに参加するのは今回が初めてです。しかもウエットで、クルマがどんな動きがするのか分からなかったので、雨のセオリーを守りました。なるべくコーナーを頑張らずに、立ち上がり重視行こうと。思いの外良い結果がでましたね。ウエットでレースを戦ったこともないですし、そもそもスプリントレースは初めてなので決勝はドキドキです。なるべくクルマを壊さずに、フィニッシュまで持ち帰りたいですね」

 

予選2位 #24 長澤宏昭選手

「予選まったく自分の走りができませんでした。初めて走る雨のもてぎだったので、どんな感じでクルマが動くか、手探りの予選になりました。自分としては乗り切れていなかったので、課題が多いです。予選タイムは狙った上でのタイムでしたが、正直あと2秒くらい早く走りたかったです。前回菅生は中止になりましたが、今回はレースができると思うので、すごく楽しみです」

 

予選3位 #16 秋葉有一

「予選はちょっと失敗してしまいました。タイム差はそれほどないんですが、大野選手が速かったですね。決勝は自分自身の芸歴長さを活かして戦いたいです(笑)。表彰台は外せないんですが、今回はライバルが多いので、ひとつでも上の順位を目指したいです」

 



予選トップタイム/賞典外 #2 佐藤考洋

「このまま雨が降ってくれたら、良かったのに……と思いました。雨が上がって、路面状況がどんどん良くなっていったんですが、雨のセットアップで行ったので、最後は仕方ないですね。予選後半は路面状況が良くなっていったんですが、そうするとやっぱり苦しかったです。午後は天候次第です。天気悪くなったらいいなって、少し思っています(笑)」

 



■決勝

LOTUS CUP JAPAN第1戦決勝レースが、ツインリンクもてぎ10周で争われた。午前中降っていた雨は上がり、一部ウエット箇所が残るものの、路面コンディションはほぼドライ。14時20分、14台が一斉にスタートを切った。抜群のスタートを切った予選2番手の飯田敏雄選手が、4台横並びの1コーナーを制してトップに浮上。ポールの荒田良浩選手は2番手、フロントロウの間隙を狙った佐藤考洋だったが、スペースがなく3番手。その後方には清水友一選手がピタリと付けている。

 



 

佐藤は前を行く荒田選手を、1周目のヘアピンでパスして2番手に浮上。ペースの上がらない荒田選手はホームストレートで清水選手にも抜かれ、4番手に順位を落としてしまう。勢いに乗る佐藤は2周目の1コーナーで飯田選手を抜いて首位に立つ。2番手に順位を落とした飯田選手は、続く2コーナーで痛恨のオーバーランを喫してハーフスピン。これで清水選手が2番手に上がった。

後続を引き離すペースで差を広げた佐藤だったが、レース終盤に清水選手が一時コンマ5秒差にまで迫ってくる。このままテールトゥノーズの展開になるかと思われたが、ラップタイムを戻した佐藤がアドバンテージを拡大して、そのままフィニッシュ。佐藤は賞典外となるため、2位でゴールした清水選手が嬉しいロータス・カップ初勝利を手にした。2位には飯田選手、3位には荒田選手が続いている。

 



 

クラス2は、ポールポジションの大野偉貴選手を、予選2番手の長澤宏昭選手が1周目にパスして首位に浮上。スタートを失敗した予選3番手の秋葉有一選手が2周目にはごぼう抜きの展開で首位に立つが、ブレーキの不調から思うようにペースが上がらない。5周目には長澤選手が再び首位を奪還した。その後は長澤選手、秋葉選手、後方から追い上げたパパシュー選手が、僅差で争そう展開が続く。

 



 

終盤、ペースを上げた長澤選手は2位以下との差を拡大して、トップでフィニッシュ。前戦菅生で予選トップは獲得したものの、決勝は走れず、実質ロータス・カップ初参戦・初勝利を飾った。また、最終ラップでブレーキングミスを喫した秋葉選手を捕らえ、パパシュー選手が2位を得ている。

 



Class 1

優勝 #15 清水友一選手

「なかなか激しいレースで、キツかったです。スタートはドキドキでした。とにかくレース中は、少しでも前に行くことしか考えていませんでした。周囲を見過ぎてしまうと、自分のドライブを見失ってしまうので、とにかく自分のドライブを心がけました。この初優勝はロータス横浜の先輩方から、色々と教えていただいたおかげです。ドライビングレッスンの成果が出て、その恩返しができました」

 

2位 #47 飯田敏雄選手

「スタートは決まったんですが、2コーナーでテールがスライドして、スピンしそうになってしまいました。前を追いかけたんですが、クルマにトラブルが出てしまって、ペースが上がりませんでした。しかも、自分の足にもエラーが出てしまって……。足がつり始めてしまったんです(笑)。本当にタフなレースでした。やっぱり、もてぎは練習しないとダメだなと思いましたね」

 

3位 #15 荒田良浩選手

「おそらく、見ている人も面白いレースだったと思います。私自身はS字でコースオフしてしまいました。台数が集まってくれれば、これからも面白いレースができると思います。次も頑張ります」

 

Class2

優勝 #24 長澤宏昭選手

「本当に楽しいレースでした。皆さん、ジェントルで、ミスしたら道を譲るし、絶対にスペースを残して当たらない。素晴らしいマナーのレースでした。そのなかで接戦を制することができましたし、あらためてこのクラスに参戦して良かったと思いました。スタートで前に出て、タイヤが暖まっているのが自分で分かったので、1周目に勝負をかけました。優勝できたのは運が良かったのもありますが、ロータス横浜さんやチームがサポートしてくれて、安心してレースが戦えました。自分だけエキシージだったので、次回からは皆さん打倒エキシージでくると思います。次戦以降も楽しみです」

 

2位 #77 パパシュー選手

「めちゃくちゃ面白かったです。ずっと3台のバトルが続きました。最後は抜きつ抜かれつで、まさに接近戦でした。心から楽しめました。最終ラップでは3位で、秋葉選手の後ろにつけていたんですが、ブレーキのミスがあったようで、最後にダウンヒルで抜くことができました。台数が増えたのも最高でしたね。技術が拮抗してるので、バトルが本当に楽しかったです」

 

3位 #16 秋葉有一選手

「ミスが多すぎましたね。スタートでギヤが入らずに6番手くらいまで落ちてしまいました。そこからトップまで追い上げたんですが、ブレーキに問題があって……。最後に抜かれてしまったのは、修行が足りませんでしたね。それでも順位がどんどん変わる展開は、僕らがずっと求めてきたものです。あらためて、レンタカーで出てくださった皆さんにも感謝したいです。でも、今回3位に終わってしまったので、選手権は厳しくなってしまいましたね」

 



トップフィニッシュ賞典外 #2 佐藤考洋

「とても面白いレースでしたね。最初の1〜2ラップの混戦をうまく抜けることができないと、ダンゴ状態になってしまうと思いました。スタートも無難に決めることができましたし、2周目くらいまでにはトップに立ちたいと思っていたので、作戦通りです。路面は完全にドライでしたね。スタート時に少し雨がパラつきましたけど、全然問題なかったです。序盤引き離して、終盤は少しセーブしました。今回は台数も多くて盛り上がって、本当に楽しかったです」

 





実質開幕戦となった今回のモテギ戦、そして次戦で最終戦となってしまう、LOTUS CUP JAPAN。
11月29日(日)のモテギ戦でシリーズチャンピオンが決定致します!

応援、宜しくお願い致します!