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【LOTUS CUP JAPAN 2021】Rd.1 @ 富士スピードウェイ レースレポート

2021/05/10



■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2021年シーズン開幕戦が5月9日(日)に静岡県・富士スピードウェイで開催された。2021年シーズンのLOTUS CUP JAPANは、富士での開幕戦からスタートし、第2戦スポーツランドSUGO(7月25日)、第3戦ツインリンクもてぎ(9月5日)、第4戦ツインリンクもてぎ(11月28日)という、全4戦を予定。また、10月31日(日)には「JAPAN LOTUS DAY in 富士スピードウェイ」内のエキシビションレースとして、特別戦も開催される。

これまでどおり「エキシージS(V6)/エキシージスポーツ350」によるクラス1と、「エリーゼ スポーツ 220」や「エキシージS」によるクラス2よって争われる。開幕ラウンドにはトップカテゴリーのクラス1に6台、クラス2が昨シーズンから大幅に増加した11台と、合計17台のエントリーを集めた。また、クラス1には自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋が賞典外のゲストドライバーとして参戦する。

今回のレース開催にあたり、事前の問診票提出、ピットエリア各所に消毒液の設置、マスク装着やソーシャルディスタンスをするなど、厳格な感染対策が施されることになった。さらに昨年はカレンダーの大幅な変更を余儀なくされたため、ロータス・カップが富士スピードウェイで行われるのは2シーズンぶりとなる。天候は晴れ、時折強風が吹くなか、11時55分に15分間の予選がスタートした。

アウトラップ後、早々に1’55.146の好タイムを刻んだのは、ロータス・カップで豊富な経験を持つ荒田良浩選手。昨年のクラス1チャンピオン清水友一選手は1’57.472、笹嶋邦則選手が1’57.840のタイムで続く。「プラン通り」と語る荒田選手がアタックを切り上げてピットへと戻った一方、リザルトボードのトップに飛び込んだのが、今シーズンからロータス・カップへの参戦をスタートした小林一景選手だった。

1999年生まれの21歳、昨年までヴィッツ・レースを戦っていた小林選手は、唯一の54秒代となる1’54.594をたたき出し、初レースでポールポジションを獲得。フロントロウの一角となる予選2番手は、1’55.050を記録したゲストドライバーの佐藤考洋。3番手に荒田選手がつけ、4番手にはブレーキトラブルを抱えながらも走行を続け、1’55.454までタイムを削った清水選手が続いている。



クラス2は、近年最多台数となる11台が参加。2019年のクラス1王者で、今シーズンからエキシージ Sでクラス2への再挑戦を決めた飯田敏雄選手が、コースレコードを更新する2’00.684を記録して予選トップ。2番手には昨年の最終戦にLCIのレンタカーで久々の復活を果たした篠原祐二選手が、2’00.722と僅差で続いた。2分2秒代に5台が並んだ3番手争いは、2’02.000を刻んだパパシュー選手が3番グリッドを手にしている。



■コメント

Class 1

予選1位 #11 小林一景選手

「初めての参戦になります。マシン自体もまだ不慣れだったので、すごく難しかったです。それでもタイムを記録したラップはまとめることができて、それがポールポジションにつながりました。これまではヴィッツレースに出ていたんですが、エキシージの速さやハンドリングに魅力を感じて、ロータス・カップへの参戦を決めました。経験豊富な方がたくさんいますが、決勝はクルマをしっかり守って、1位で帰ってきたいです」

予選2位 #15 荒田良浩選手

「プラン通りですね。チームメイトの清水選手のマシンが調子悪いのが、唯一のイレギュラーです。最初からアタックラップの一発目でタイムを記録して、ピットに戻る予定でした。自分の走り自体も問題ありません。決勝はこのポジションを守りたいです。佐藤選手とコンマ差なので、レースを楽しめるといいですね」

予選3位 #1 清水友一選手

「クルマの調子が悪いです。予選を走行している段階で、ブレーキトラブルが発生しました。危ないので、決勝は棄権する可能性があります」

Class2

予選1位 #47 飯田敏雄選手

「コースレコードはタイヤのおかげだと思います(笑)。クラスを変えた理由は気分転換の意味もありますが、負担が少なく、長く楽しめるということが大きかったです。クラス2はオーバーオールのポールポジションが掛かっていないこともあって、ドライビング自体を純粋に楽しめますね。これだけの台数が揃ったので、本当に決勝が楽しみです」

予選2位 #5 篠原祐二選手

「8年ぶりにシリーズに帰ってきました。昨年の最終戦はレンタルマシンで走らせてもらって、2番手だったので、しっかり勝ちたいなと思ってシーズンの参戦を決めました。久しぶりのレースだったので、間合いを作るのが難しかったです。レコードのマークがついたんですが、僅差の2番手は残念です。これだけの台数が揃ったワンメイクレースですから、決勝は楽しみしかありません。周囲の動きをしっかり見ながら、自分のドライビングを上達させたいです」

予選3位 #77 パパシュー選手

「もう少しタイムを出したかったですね。もうちょっと頑張りたかったんですが、タイミングが悪く前に詰まってしまいました。ただ、クリアラップを取れていても、トップふたりには届かなかったと思います。予選3番手は悪くない妥当な結果です。2分2秒代がずらりといるので、決勝は大混戦で楽しいバトルになると思います」

賞典外 #2 佐藤考洋

「何よりも、まずは天気が良いのが一番ですね。今シーズンは台数が増えて、すごく賑やかで華やかになりましたよね。ピットの雰囲気も最高です。僕自身は金曜日から走っているんですが、セットアップの変更がうまくいかずに、攻めきれないかったことを考えると、2番手タイムが出たのはびっくりです。フロントロウからなので、決勝は虎視淡々と走りたいと思います。小林選手のような若手ドライバーが入ってきて、ベテラン勢も刺激になったはず。色々な年代が一緒に戦って交流できるのは、クラブマンレースの理想ですよね」



■決勝

10周で争われる決勝のグリッドには、予選でマシントラブルに見舞われたクラス1の清水友一選手、クラス2の秋葉有一選手も含めて全車が並び、セーフティカー先導のフォーメーションラップを走行。あとはスタートを待つばかりとなった。しかし、シグナル点灯の段階で、安全上の理由から25分のディレイが決定。コース上に落ちた部品を回収し、仕切り直しのフォーメーションラップを再度走行、17台が一斉にスタートした。



ポールポジションの小林一景選手は、ロータスでの初スタートということもあり、蹴り出しで一瞬の隙を見せたが、フロントロウに並んだ予選2番手の佐藤考洋もクラッチの不調で遅れてしまう。2列目から抜群ダッシュを見せた荒田良浩選手がイン側に切り込むが、スピードを取り戻した小林選手が1コーナーをトップで切り抜け、ホールショットを奪う。

混戦を抜け出しトップに立った小林選手は、ペースを上げて2番手以下を引き離しにかかる。その後方、少し開いて荒田選手と清水選手が離されまいと小林選手を追う。スタートで躓いた佐藤は一時6番手まで順位を落とすが、1周目を終えた段階で4番手まで順位を戻し、前を走る荒田選手と清水選手を射程圏内へと捉えている。

着々と小林選手が後方との差を広げる一方、熾烈を極めたのが3台による2番手争い。5周目には3ワイドで1コーナーに入り、佐藤が4番手から一気に2番手に浮上。清水選手も荒田選手をかわして3番手に順位を上げる。6周目にはメインストレートでスリップに入った荒田選手が1コーナーで佐藤をパスするが、続く7周目に佐藤がアウト側から清水選手を再度抜き返す。



首位の小林選手は危なげなくペースをコントロールし、ロータス・カップのデビュー戦を見事勝利で飾った。佐藤は清水選手を抑え切って、2位でフィニッシュ。その後方では、4番手を走行していた笹嶋邦則選手を、東浩平選手が9周目の1コーナーでオーバーテイクし、4位を得ている。この結果、佐藤が賞典外となるため、2位に清水選手、3位に東選手というリザルトとなった。一方、マシンの不調に見舞われた荒田選手はペースを落とし、6位でレースを終えている。



11台が揃ったクラス2は、序盤から予選トップの飯田敏雄選手と2番手の篠原祐二選手がレベルの高いバトルを展開。スタート直後は3番手に順位を落としていた篠原選手だったが、4周目に飯田選手をパス。首位に浮上すると最後まで飯田選手の追撃を振り切って、8年ぶりのロータス・カップ勝利を手にした。2位はクラス2復帰戦のレースを表彰台で飾った飯田選手。最終ラップのフィニッシュライン直前で、前をいくパパシュー選手を捉えた長澤宏昭選手が3位に入っている。





 

■コメント

Class 1

優勝 #11 小林一景選手

「優勝できて本当に嬉しいです。2番手争いが激しくなってくれたこともあって、楽な展開に持ち込むことができました。このクルマでのスタートが初めて、蹴り出しはすこし出遅れたのですが、なんとかホールショットを取れたのが決め手になりました。後ろが空いてからは、ミスをしないように、安定した走りを心がけました。エキシージは本当に運転が上手くなるクルマだと実感しています。ヴィッツと比べると、ストレートも80km/hくらい違うので、世界が違いますね(笑)」

2位 #1 清水友一選手

「予選でマシントラブルもあったのですが、メカニックの皆さんが一生懸命直していただきました。それもあって、なんとか結果を残したいと、気持ちだけで走っていました。今回は、あらためてバトルの難しさを実感しました。3ワイドはすこし怖かったです(笑)。それでもぶつけてはいないですし、ジェントルマンレースとして、お互いスペースを残せたと思います。次の仙台は経験があまりないので、しっかり練習して挑みたいです」

3位 #22 東 浩平選手

「ストレートがあまり速くなかったので、9周目の突っ込みに賭けていました(笑)。久々のレースということもあって、今回は練習としての位置付けただったのですが、楽しく走れました。仙台は参戦できるか微妙なのですが、しっかり精進して挑みたいです」



Class2

優勝 #5 篠原祐二選手

「富士のポディウムが久しぶりで、この景色変わっていないな……と実感しました。ロータス・カップに参戦されている皆さんは、本当にレースが上手ですよね。ドライビングはもちろんですが、お互いがレースを楽しめるクリーンな環境が揃っています。しっかりバトルがあって、プレッシャーを感じながらのレースを走ることができました。最終的にトップでゴールできて良かったです」

2位 #47 飯田敏雄選手

「クラス2は台数も多いし、すごく楽しかったです。クラス2は和気藹々とした雰囲気があって、『楽しもう』という意識が強い気がします。今回は競った展開で、自分としても勉強になりました。修正点はありますが、楽しく走れたということが、一番なのではないかな。ちょっと先にライバルがいて追いつけないと、ドライビングも集中しますね。そういったトレーニングにもなりました」

3位 #24 長澤宏昭選手

「最終コーナーを立ち上がった時には『今回は勝てなかったな』と思ったんですが、パパシュー選手のギヤが入らなかったようで、ゴール手前で抜くことができました。0.004秒ですから、最後まで諦めずにプッシュしたが良かったです。ただ、レースウイークとしては上手く進められなかったので、3位に入れたのは本当にラッキーだったと思います」

賞典外 #2 佐藤考洋

「スタートはクラッチを焼いてしまって、1コーナーまで滑りっぱなしでした。そこからブレーキ踏んだんですが、集団に飲まれてしまいましたね。1コーナー後は6番手くらいまで落ちたんですが、そこから抜き返して、荒田選手のペースが悪くなった時に、清水選手も含めて一気に追いつけました。久々のレースは本当に楽しかったです。クラス2も台数が増えて、きっと色々な場所で激しいバトルがあったと思います。台数が増えるのは、色々なドラマが生まれますからね。僕も3ワイドになったりで、本当にレースをエンジョイできました」



今シーズンはまだ始まったばかり、次回の菅生戦でのバトルも注目です!LOTUS CUP JAPANの応援、宜しくお願い致します!

 

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