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LOTUS CUP JAPAN 2018 第6戦 レースレポート

2018/11/09


■予選

JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS CUP JAPAN」、2018年シーズン第6戦が11月4日(日)に、静岡県・富士スピードウェイで開催された。今シーズン、富士では5月13日の第2戦、9月2日のエキシビションレースとしての第4戦と2回開催されており、今回が3回目となる。参戦ドライバーの多くは普段の練習走行でも富士は走り慣れているだけに、予選からどのようなタイムアタックを見せるかが注目される。今シーズン最終戦となる第6戦にはクラス1に8台、クラス2に3台という11台がエントリーした。賞典外のゲストドライバーとして参戦するのは、第2戦富士以来となるモータージャーナリストの清水和夫だ。

 

朝から冷たい雨が降り続く富士で、午前9時40分に20分間の予選がスタート。コースの一部には霧が掛かっており、路面コンディションはウエットとなった。そのためコースインした各ドライバーは、まずタイヤのグリップ状態を確かめるように慎重に1周。本格的なタイムアタックに入ったのは3周目からで、ここでトップタイムとなる2’06”544を記録したのは、今年LOTUS CUP JAPAN初参戦を果たしたノビーカジタ選手。しかし、その直後にシリーズランキングトップに立つ飯田敏雄選手が2’06”351をマークして逆転する。

 

その後、雨足が弱くなり、周回とともに路面は徐々に乾き出していき、各車ともタイムアップを果たしていく。5周目にトップの飯田選手が5秒台に突入して2’05”964をマーク。2番手の東浩平選手が2’06”291で追いかける展開になるが、6周目には滑川真央選手が2’06”013をマークして2番手に浮上。周回ごとに2番手以下は順位が目まぐるしく入れ替わっていくが、タイミングモニターのトップは飯田選手がキープしている。そして、刻々と残り時間が少なくなっていく中、9周目に東選手が2’05”914を記録して2番手となり、3番手が滑川選手、4番手がノビーカジタ選手、5番手が清水選手で、ほぼ予選順位は決まりかと思われた。

 

だが、ラストタイムアタックとなった10周目にドラマが待ち受けていた。一度、ピットインしていたノビーカジタ選手が、最後に渾身のアタックを見せて2分04秒980を記録。ここまでトップをキープしていた飯田選手を逆転して、ノビーカジタ選手が初のポールポジションを獲得したのだ。以下、2位に飯田選手、3位に東選手、4位に滑川選手、5位に草野選手というオーダーとなった。また、今回3台がエントリーするクラス2は、秋葉有一選手が2’20”875をマークして予選トップを獲得した。


■コメント

Class 1

予選1位 #75 ノビーカジタ選手

「今日は雨だと想定していなかったので最初は混乱しましたが、第4戦のエキシビジョンレースと同じようなコンディションだったので、その時のイメージを思い出しながら走りました。予選中盤でピットに入ったのは、自分の順位とトップとのタイム差を確認するためでした。路面の状況も良くなってきていたので、最後の1周に掛けるしかないなと思ってアタックしたら4秒台を出すことができました。決勝は天気が気になりますが、何とか順位を落とさずにゴールできるように頑張ります」

 

予選2位 #47 飯田敏雄選手

「途中で霧もかなり出てきたので赤旗中断もあり得るかなと、自分の順位も分からないので少々心配していました。でも、路面状況は徐々に良くなってワイパーも動かさないですむようになり、アタックに入っていったのですがシケインで飛び出してしまうなど上手くまとめられませんでした。決勝はフロントロウからのスタートなので、楽しくベストを尽くすだけと思っています」

 

予選3位 #11 東浩平選手

「初めて3番になれたので、素直に嬉しいです。自分はあまりレース経験がなく、路面状況が良くなっていることへの対応できていなかったと反省しています。皆さんは路面が乾いた後半にベストタイムを出しているのに、僕は前半に出したタイムですので。そこが上手く対応できていれば、もう少しタイムが伸びていたかもしれませんね」

 

Class2

予選1位 #16 秋葉有一選手

「じつはクルマが壊れていたため、昨日やっと仕上がってきた状況だったので、予選はクルマの調子を見ることが第一でした。そのため、普段の予選はワンアタックで止めてしまうのですが、今日は予選時間を走り切り感触を確かめました。でも予選は、コンディションが微妙でもう一伸びできなかったのが残念でしたが、ポールポジションを獲れて良かったと思います」

 

ゲストドライバー(賞典外) 予選6位 #2 清水和夫

「一生懸命に走ったのですが、雨のコンディションの中における走行のコツが掴めませんでした。ゲストドライバーなので、クルマを絶対に壊してはいけないですし。決勝はどのようなコンディションになるか分からないけれど、淡々と行くしかありません。決勝も頑張ります」

 

■決勝

LOTUS CUP JAPAN第6戦の決勝レース10周が、11月4日(日)に静岡県・富士スピードウェイで行われた。午前中は雨に見舞われた富士だったが、午後に入ると晴れ間が見えてきていた。ところが、決勝スタートが近づくと上空には再び黒い雲が広がってきていた。それでもレコードライン上はほぼドライとなっており、フォーメーションラップを経て13時15分にレースはスタート。

 

ポールポジションからスタートしたノビーカジタ選手が1コーナーを制し、2番手以下を引き離しにかかる。2番手争いを展開したのは、飯田敏雄選手と5番手グリッドから3番手にポジションアップした草野誠二選手。ふたりがサイド・バイ・サイドのバトルを展開している間に、トップのノビーカジタ選手は2番手以下との差を徐々に広げていく。2周目の差は4秒499だったが、4周目には9秒254まで広がっていた。

 

その後も飯田選手と草野選手は、毎ラップ白熱したバトルを見せる。4周目には、ホームストレートで飯田選手のスリップストリームに入った草野選手が1コーナーで前に出るも、すぐに飯田選手が抜き返して超接近戦の戦いは続く。しかも、ふたりの背後からは滑川真央選手が1秒以内に迫ってきた。そして6周目の1コーナーで、ついに草野選手が飯田選手のインを突いて2番手に浮上すると、さらにペースアップ。草野選手は飯田選手を徐々に引き離し、飯田選手は後方の滑川選手とのバトルという展開に。だが、ここで飯田選手は踏ん張りを見せてポジションをキープするとともに、滑川選手との差を広げていく。

 

レースが終盤に突入すると、雨がパラついてきた。ここでも冷静に状況を判断して安定した走りを見せたノビーカジタ選手は、2番手の草野選手の追い上げを許さず、4秒633差でトップチェッカーを受ける。今年レースデビューを果たしたノビーカジタ選手は、ポール・トゥ・ウインで見事に初優勝を飾った。チャンピオン争いを展開していたふたりは、草野選手が2位に入り、飯田選手は3位となったが、ポイントでの逆転は許さず、飯田選手が初のチャンピオンに輝いた。

 

4位は滑川選手、東浩平選手と清水和夫による5位争いは東選手に軍配が上がった。クラス2はクラス・ポールポジションからスタートした秋葉有一選手がマシントラブルに見舞われて1周目でリタイアに終わったため、松葉育郎選手がクラス優勝を飾っている。


■コメント

Class 1

優勝 #75 ノビーカジタ選手

「スタート直後に飯田選手に並びかけられましたが、ブレーキングを遅らせて1コーナーを制することに成功しました。そこからは、全開で攻めていきました。今回は新品タイヤを履いたのでとても走りやすく、かなり攻めた走りをしても、クルマが思い通りに動いてくれました。レース終盤は、草野選手が追い上げてきているのがミラーで見えましたが、ここで無理をしてミスをしたら元も子もないので、慎重にゴールを目指しました。優勝できて本当に良かったです」

 

2位 #55 草野誠二選手

「飯田選手との2位争いは楽しかったですね、今までのレースの中で一番楽しいバトルだったと思います。イコールコンディションのクルマなので、スリップを使った戦いになると考えていた通りのレース展開になりました。飯田選手を抜いた後は、トップも狙いたかったのですが、さすがに追いつけませんでした」

 

3位 47 飯田敏雄選手

「今日は草野選手とバトルができて、楽しいレースでした。カジタ選手には先に行かれてしまいましたが。前戦の岡山では、チャンピオン獲得を気にしすぎて気張りすぎてしまったところがあるので、最終戦は気を引き締めて挑みましたが、レースでは負けてしまいました。でも、とても楽しいレースを戦えて、チャンピオンも獲得できて嬉しいです」

 

ゲストドライバー(賞典外) #2 清水和夫

「今回で3回目の挑戦になったのですが、初めてきちんとレースが出来ました。決勝では、東選手とバトルすることもできて楽しかったです。その後は、滑川選手に追いつくことが目標だったのですが、レースを終えてみれば5秒差でしたから、レース後半はほとんど同じペースで走れていたと思いますやはり予選で3~4番手にいないと、表彰台は見えないなと思いました」


Class2 1位 #19 松葉育郎選手

「いつも1位の秋葉選手がトラブルに見舞われたようで、コースアウトした場面も後ろから見ていました。でも、絶対に秋葉選手は追い上げてくるので最後の2~3周が勝負かなと考えていたのですが、結局来なかったので棚ぼたの優勝だと思っています。次こそは、しっかりと戦って優勝したいですね」