5月25日(土)/26日(日)、スーパーGT 3戦目となる「SUZUKA GT300KM RACE」が開催されました。 その舞台となるのは、Cars Tokai Dream28にとってはホームコースである鈴鹿サーキット。4月24日から2日間に渡り開催されたタイヤメーカーテストでは、2日目のドライセッションでシンティアム・アップル・ロータス(SGT LOTUS EVORA)が二番手のタイムをマークしており、加藤寛規/高橋一穂選手の活躍が期待されました。
■公式練習走行
土曜日の午前中に開催された公式練習走行では、通常通りまずエースドライバーである加藤選手が走行をスタート。持ち込みタイヤとセッティングの確認を開始しました。 順当に行けば、上位タイムを刻むことは確実。しかし気になるのは、その気温の高さでした。 8:50の走行開始時点から既に気温は25度に達しており、路面温度は34度まで上昇。これに対してチームが持ち込んだ、ソフト目なタイヤがどこまでもつのか? はひとつの焦点となりました。 そして予想通り、ソフトタイヤのライフは短いと判断されました。予選でタイムは出せるものの、決勝レースを走りきることは難しいとチームは判断。 そしてハード目なコンパウンドのタイヤを使って、セッティングは進められました。 1時間25分に渡って開催された公式練習走行は、途中1回赤旗中断を挟みましたがそれ以外は順調に推移。その中でSGT EVORAは序盤から快走を見せ、最終的には加藤選手が1分58秒866をマーク。結果は8番手となりましたが、トップとの差は僅かに0.576秒という接戦でした。
■公式予選1回目
14:40から始まった公式予選1回目(Q1)は、加藤選手が担当しました。 ライバルたちが一斉にコースへと飛び出すなか、SGT EVORAは後方からゆっくりとコースインします。 アウトラップから2周をかけてウォーミングアップを済ませたあと、加藤選手は3周目からアタックを開始。ここでまず1分57秒809のタイムを刻んで、SGT EVORAは3番手に躍り出ました。 しかしこのとき加藤選手は、最終のシケインコーナーでスロー走行するマシンにレコードラインを阻まれ、およそ0.3秒を失っていました。 そこで翌周最後のアタックを試みましたが、今度は2コーナーまでの区間で他車と遭遇。ここで大きくタイムがドロップしたことを確認し、アタックを中断しました。 それでも順位は3番手のままをキープし、チームは無事に予選Q1を通過しました。
■公式予選2回目
15:34から始まった公式予選2回目(Q2)で、高橋選手はいちはやくコースへと躍り出ました。 そして加藤選手同様、3周目からアタックを開始。ここでまず2分3秒580のタイムを刻みます。 その後も4周目には2分02秒981、5周目には2分2秒727へとタイムアップを果たしましたがライバルたちの走りはさらに速く、16番手でQ2を終了しました。 ポールポジションは1分57秒008を刻んだ♯25 HOPPY 86 MC(松井孝充選手)が獲得しました。
■決勝レース
迎えた日曜日の決勝レースは、予定通り14:30に一周のパレードラップを行い、2周目にセーフティカーがコースインしてGT400マシンのウォームアップを完了。300km・52周のレースがスタートしました。 レース開始時の気温は30度、路面温度は46度。土曜日よりも若干低い気温のもとで、SGT EVORAは16番手から戦闘開始。第一スティントのドライバーは加藤選手が務めました。 序盤SGT EVORAはコーナーで前を走るGT3勢に行く手を塞がれ、一時は17番手に順位を落としました。しかし加藤選手はこれを巧みにリカバリーし、14周目には15番手とポジションをひとつ上げます。 そして16周目になると、130Rで♯23 MOTUL AUTECH GT-Rがコースアウトからクラッシュを喫し、セーフティカーが導入されます。 ドライバーは幸いにも無事で21周目にレースは再開。この時点でトップとの間隔も縮まり、状況は僅かながらも好転しました。 さらにレースは1/3が消化されていたことからピットインする車輌が現れ始め、コース上は徐々にトラフィックが解消さて行きました。 この前が徐々に開けて行く状況で、SGT EVORAは徐々に速さを取り戻し始めます。 そして徐々にその順位を上げながら、23周目には7番手に。 さらに28周目には見かけ上ながらもトップに立つと、翌周には2分01秒942のベストタイムをマークしました。さらに加藤選手はその後も好タイムを刻み続け、33周目にピットインしました。 第二スティントを担当した高橋選手は、6番手でコースに復帰します。 しかしこのときコース上は大混戦となっており、5番手から15番手までのギャップが18秒しかないという激しいレースが展開されていました。 ここで高橋選手は、ニュータイヤを暖めながらも、なんとか集団に食らいつきます。 しかしその順位は徐々に落ちて行き、21番手まで順位を落としました。 その後も高橋選手は粘り強く走り続け、タイムも2分7秒台に。一時はその順位を、18番手まで回復しました。 しかし終盤GT500マシンをパスさせる状況で再び順位を落とし、最終的には23位でチェッカーを受けました。 レースは同じマザーシャシーである♯25 HOPPY 86 MCがポールポジションからタイヤ無交換のストラテジーを強いてレースをリードしました。 しかし終盤41周目に♯96 K-tunes RC F GT3(坂口晴南選手)がこれを逆転し、今季二度目の優勝を果たしました。 次戦は6月29日から始まるタイ・ラウンド。灼熱の海外ラウンドをチーム一丸となって闘いますので、応援よろしくお願いします!
■チーフエンジニア 渡邊信太郎
「決勝レースは予選日よりも気温が下がり、懸念されたタイヤの性能もきちんと発揮することができたと思います。マシン的にもセットアップはうまく行っており、前がつかえていない状況では、EVORAも速さを発揮できました。 ただ鈴鹿は特に予選順位で上位に付けて逃げ切りを計りたいコースなので、中団からのスタートとなってしまったことが残念でしたね。 次戦のタイはGT3勢のようにパワーのあるマシンが有利なのですが、結果だけで見ると毎年悪くないレースができています。ですから突然のスコールなどで足下を救われないように注意して、ベストを尽くそうと思います」
■ドライバー 加藤寛規選手
「予選は最終セクションでアタックを終えたマシンがスロー走行をしており、タイムロスしてしまったことが悔しかったですね。 決勝レースはストレートが速いライバルを抜くのがなかなか難しくて、序盤から激しいバトルがずっと続きました。順位の入れ替わりも多かったし、お客さんたちには見応えのある闘いをお見せすることができたかな? と思います。 ライバルたちがピットインして前が開けてからはペースも取り戻せましたし、マシンはとても良かった。ヨコハマタイヤもよいタイヤを作ってくれましたし、次戦のタイでも良い闘いができるようにがんばります!」
■ドライバー 高橋一穂選手
「予選は、自分では行ってるつもりなのですが、まだまだマシンのポテンシャルを引き出すところまで到達していない感じです。加藤選手との走りをデータで比較して、これを修正するようにがんばったのですが……。 決勝は走り始めからいきなり混戦で、厳しい状況でした。さらにピックアップまで拾ってしまったので……今回は自分でも納得の行く走りができませんでした。 次戦もがんばります。応援よろしくお願いします!」