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スーパーGT 第5戦 鈴鹿 1000km 予選レポート

2015/08/29


スーパーGT第5戦は、シリーズで最も長い距離を走る「インターナショナル 鈴鹿1000km」。長丁場、かつ真夏のレースということもあり、3人目のドライバーを登録するチームも珍しくありません。そしてNo.2 シンティアム・アップル・ロータスも、今回はレギュラードライバーの加藤寛規選手、高橋一穂選手に加え、GTアジアなどで活躍するジェントルマンドライバー、濱口 弘選手を起用しました。
バジェットキャップの関係からテスト回数が制限され、ジェントルマンドライバーには習熟が難しいスーパーGT。濱口選手もSUGOのテスト以来の走行となりましたが、ユーズドタイヤでも2分フラットのタイムを刻むなど、上々の滑り出しとなりました。

予選1回目(Q1)
14:30分から始まった予選1回目(Q1)は、公式練習走行でも好走した濱口選手が担当。コースオープン後もライバル達がコースインするのを尻目に、時間を置いて落ち着いたピットアウトを行いました。
そして計測2周目から2分01秒524を刻み、いきなりトップへと浮上。計測3周目には1分59秒999までタイムを縮めました。しかしライバルたちも徐々にタイヤに熱を入れ始め、トップは1分58秒台へと突入。No.2 シンティアム・アップル・ロータスは徐々にその順位を落として行きました。
しかし予選Q1は13位以内に入ればQ2への進出権利が発生します。そして濱口選手は最終的に予選11を獲得。プロドライバーによる
熾烈な闘いが繰り広げられるGT300クラスにおいて、初乗りのSGT EVORAをみごとに操りQ1を突破したのでした。

予選2回目(Q2)
15:25からスタートした予選2回目(Q2)では、とうとう加藤寛規選手のアタックが実現しました。これまでQ1通過を最低条件とする関係から、どうしても加藤選手がQ1ドライバーを務めなければならなかった状況を、濱口選手がクリアしたからです。
アタックは貫禄の走りでした。じっくりとタイヤを暖めながら計測に入った4周目、加藤選手は1分58秒248という驚くべきタイムを刻んでトップに躍り出たのです。これは昨年のコースレコード(1分59秒115)を大きく上回るタイムでした。
予選はそのまま12分間の走行時間が終了し、このタイムは最後まで破られることはありませんでした。ここに、チームcars Tokai Dream28として今季初めてのポールポジションが確定。そしてこれはスーパーGT史上初となるロータスのポールポジション獲得でした。

 

Cars Tokai Dream28 シンティアム・アップル・ロータス

チーフエンジニア:渡邊 信太郎
「今回はSUGOでのハイダウンフォース仕様をベースに、富士で得

たデータを盛り込んで作り上げた“持ち込みセット”(※1)で公式練習走行を走りました。これが予想以上に速かったため、予選用のセッティングを出すことに時間を費やすよりも、ふたりのジェントルマンドライバーに習熟してもらうことに専念しました。
それでもQ2のタイムは、58秒台に突入することは想定できていましたが……前半まで入るとは思いませんでしたね。加藤選手はいつもこちらが予想した以上の結果を出して来るのですが、今回は本当に驚きました(笑)。
明日は雨の予報で、新しくなったレインタイヤにデータがないのが不確定要素ですが、それは横浜ユーザーなら全て一緒。長丁場をきっちり走りきれるようにしたいと思います」
※1:レースを想定してファクトリーで施したセッティング。通常はこれをベースに、現場で細かい部分を調整して行きます。

 

ドライバー:加藤寛規選手
「路面の状態が上がった(良くなった)ので、タイヤを信じて行っちゃっただけです(笑)。本当は公式練習走行で走った状態から、セッティングを直したい部分もありましたが、予選は大丈夫だろう(その分ふたりの走行時間に)と判断しました。

僕も58秒6~7でポールかな…と思っていたのでそれなりにプッシュしたのですが、58秒2が出るとは思いませんでした。横浜タイヤとチームスタッフがデータを検証しながら色々やってくれたことが、しっかり形に出た結果だと思いますよ。」

 

ドライバー:濱口 弘選手
「Q1を突破することができて、本当に嬉しいです。それもチームが素晴らしいマシンを用意してくれたおかですね。初めてのマザーシャシーでしたが、SGT EVORAはとても走りやすかったです。普段ドライブしているGT3よりもダウンフォースが強くて、高い接地感があるから安心してコーナーに入って行けました。」

ドライバー:高橋一穂選手
「マシンの仕上がりが本当に良いので、公式練習走行でもこれまで以上のタイムを出すことができました。鈴鹿はテストでも7周くらいしか走れなかったので、今回走行時間を多く割り当ててもらえて良かったです。予選も先頭からスタートできるので、レースでも展開が楽になりますね。決勝もがんばりたいと思います。」

2015.08.29