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スーパーGT 2018 第7戦 IN AUTOPOLIS 300KM レースレポート

2018/10/25


10月20日(土)/21日(日)の2日間に渡って、スーパーGT 第7戦「AUTOPOLIS GT 300KM RACE」が開催されました。 大分県日田市にあるオートポリスは、阿蘇外輪山の北方にあるサーキット。アップダウンが激しくテクニカルなコースである点はEVORAを始めとするマザーシャシーやJAF GT勢に有利ですが、反面標高900mの高地に902mのストレートと3つの加速区間を有することから、多くがターボチャージャーを搭載するFIA-GT3勢の加速力も、威力を発揮します。
そして今大会では、ポイント獲得によって搭載されたライバルたちのウェイトの、半分が降ろされるルールとなっています。 後半戦で一番激しい展開が予想されるレース。この第7戦を、Cars Tokai Dream28は今回も加藤寛規/高橋一穂選手と共に、シンティアム・アップル・ロータス(SGT-EVORA)で闘いました。

■第一回目予選(Q1)
公式予選第一回目(Q1)は、土曜日の14:30から開催されました。 スタート時の気温は11度、路面温度は16度。日が出れば暖かいけれど風が吹けば冬の到来を感じさせる気候のもとで、最初の闘いがスタートしました。 ♯2 シンティアム・アップル・ロータスのステアリングを握ったのは、エースドライバーである加藤寛規選手。

公式練習走行で今回の路面状況が特にタイヤに厳しいということがわかり、まずはQ1突破を第一の目標としました。
しかしライバル達も同様に、ソフトタイヤを使ったりエースを投入したりと、生き残りをかけて来ます。 そんな状況のなか加藤選手は3周目までタイヤを暖め、翌周に1分44秒542をマークして8番手に浮上。さらにアタックを掛けようとしたとき、一台のマシンがスピンを喫し、コースを塞ぐ形で2台が立ち往生。これを危険と判断したオフィシャルは、予選を赤旗中断としました。 これには予選一発のソフト目なタイヤを履いていたライバルや、アタックラップに入っていたマシンたちはかなりの痛手を被ったでしょう。

対してこれからアタックしようとしていたマシンたちは、残り5分に全てを掛ける形となりました。ここで加藤選手も、タイヤのピークは過ぎた状態でしたが、最後まで諦めずアタックに入りました。 しかしタイムは1分44秒992とベスト更新ならず。それでも4周目に刻んだタイムが当落選上に残り、ギリギリ14番手でQ1を突破したのでした。

■第二回目予選(Q2)
GT500クラスのQ1を終えた15:19から、GT300クラス二回目の予選(Q2)がスタートしました。
これを担当した高橋選手は、タイヤを暖めるためにいち早くコースイン。ウォームアップ時点でのタイムは上位陣と変わらぬペースが保てており、3周目の時点では1分47秒935を出して10番手に。翌周でのジャンプアップが期待されましたが、1分48秒172とタイムはドロップ。かたやライバルたちは軒並みタイムアップを果たし、14番手の順位を変えることが適わず予選を終了しました。


 

■決勝レース
翌21日の日曜日、14:00ちょうどのパレードランが開始され、ウォームアップランを経て300km・65周(GT500換算)の決勝レースがスタートしました。 スタートドライバーを務めたのは加藤寛規選手。グリッド的には前戦SUGOのように、加速性能に勝るFIA-GT3勢に囲まれる形でこれをスタートしましたが、その順位を明け渡すことなく序盤を闘い抜きました。

そして徐々にペースが整い出した18周目、♯30 TOYOTA PRIUSが単独スピン。ここでペースカーが入り、レースはいったん仕切り直しに。 その後22周目からレースが再開されると、EVORAの順位は11番手まで上がっていました。ただしそれまでのペースが良かったことから、そのまま走り続けていたら、さらに順位を上げられたかもしれません。 ここからソフト目のタイヤを履いたマシンなど、各社が徐々にルーティンピットに向かい、コース上がクリアな状況になってきたこともあり、EVORAの順位は5番手に浮上。そして加藤選手は1分47秒台をコンスタントに連発し、ときに46秒台を刻んで34周目には二番手にまでEVORAの順位を押し上げました。

そして39周目までスティントを引っ張り、高橋選手へとバトンをつなぎました。 このとき不運だったのは、EVORAが集団の中にコース復帰したことでした。 それでも高橋選手はアウトラップから1分53秒146をマークし、いったんは15番手で踏みとどまりました。しかしタイヤのウォームアップが既に済んでいるライバル達に巻き込まれる形で、翌周には順位を22番手まで下げてしまいました。

その後高橋選手は集団の中にありながら1分50秒台をマークする走りを見せ、順位をひとつ奪い返して21番手に。しかし僅差のライバル達もポジションを譲らず、大接戦の中でそのままチェッカーを受けました。 結果だけを見れば21番手でしたが、チームは高橋選手の走りを評価しました。

スーパーGTも残すところは11月10日(土)から開催される最終戦のみ。 ストップ&ゴーが主体となるツインリンクもてぎは、EVORAにとって苦戦を強いられるコースですが、その中でもベストが尽くせるようにがんばりますので、変わらぬ応援をお願い致します!

 


 

■チーフエンジニア:渡邊信太郎
「オートポリスは路面がタイヤに厳しいコースとして有名ですが、特に今回はそれが顕著に出ましたね。
多くのチームがそうだったようですが、タイヤのグレイニング(ささくれて削れてしまう状況)にはとても悩まされました。 本来であればソフト目なタイヤを予選で使うプランもありましたが、決勝レースでのライフを考えるとハード目なタイヤを使わざるを得なかったのが厳しかったですね。 決勝レースは激しい闘いでした。高橋選手は中段で復帰したのですが、そのとき高橋選手のポジションから20番手までのタイム差は5秒しかない大接戦な状況だったんです。最終的な順位は21番手でしたが、去年よりも速いペースで走ってくれたことも大きく評価できると思います」

■ドライバー:加藤寛規選手
「オートポリスはタイヤテストもできなかったので、過去のデータだけで組み立てたのですが、我々が大きく外してしまって。予選ではそこが残念でした。特に今回は難しいコンディションでした。  決勝ではマシンのバランスも良くなり、レースラップでの速さは発揮できたと思います。また高橋選手もさらに伸び代を見せてくれたので嬉しく思います。 最終戦のもてぎも頑張ります。応援よろしくお願いします!」

■ドライバー:高橋一穂選手
「時速200km/hで大渋滞しているような、とてもシビアなレースでした。 アウトラップからペースを保って走ることを心がけたのですが、途中タイヤカスを拾ってしまう状況もあったりして……。自分としてはもっとがんばらないといけないと思っています。もっともっと集中して、がんばります」

 


多くのお客様にピットツアーにご参加頂きました。改めて御礼申し上げます。