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【LOTUS CUP JAPAN 2023】Rd.1-2 @ 富士スピードウェイ レースレポート

2023/07/25

■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2023年シーズン開幕戦/第2戦が、7月23日(日)に静岡県・富士スピードウェイで開催された。2023年シーズンのLOTUS Cup Japanは、富士での開幕戦・第2戦を皮切りに、第3戦/第4戦スポーツランドSUGO(10月15日)、第5戦モビリティリゾートもてぎ(12月10日)という、3ラウンド・全5戦が予定されている。

昨シーズン最終戦のもてぎから、7カ月という長いインターバルを経て開催された開幕戦富士。今回はクラス1に6台、クラス2に6台と計12台がエントリー。賞典外のゲストドライバーとして自動車雑誌「Tipo」編集長の佐藤考洋選手がクラス1に、モータージャーナリストの桂 伸一選手がクラス2に参戦する。
好天のなか、10時15分にドライコンディションで20分間の予選がスタートした。クラス1は、富士スピードウェイで開催された2022年の特別戦でロータス・カップ初参戦を果たした大田優希選手が、アタックラップ1回目で1’55.695をマークし、リザルトボードのトップに立った。豊富な参戦経験を持つ東浩平選手が1’56.387、佐野順平選手が1’56.513で続く。
予選開始直後のトラフィックを避けてコースインした佐藤選手は、1’55.918と大田選手のタイムに一歩届かず2番手。路面温度が高く、多くのクルーがアタックラップ2回で予選を切り上げた結果、大田選手が初のポールポジションを獲得した。2番手に佐藤選手、3番手に東選手、4番手に佐野選手のオーダーで予選を終えている。
クラス2は、久々の参戦となったモータージャーナリストの桂選手が、序盤に2’00.410をマーク。しかし、豊富な勝利経験を持つ荒田良浩選手が「いくつかミスがあった」と振り返りながらも2’00.162を記録し、トップに躍り出た。長澤宏昭選手が3番手タイムに相当する2’00.543で走行し、続くラップでもセクションベストを更新するが、ミッショントラブルが発生してストップ。決勝レースを前に悔しいリタイアとなった。4番手には2’01.543を記録した今野 智選手が入っている。

■コメント
Class1
予選1位 #37 大田優希
「昨年の富士で行われた特別戦にエリーゼのレンタカーで初参戦して以来になります。今年はこのエキシージでフル参戦します。エリーゼとの挙動の違いやパワー差もあって、すごく楽しいですし、難しさも感じています。予選は気温の高さもあったので、最初から計測2周で終える予定でした。1周目でしっかりタイムを出せて良かったです。今日は別のレースへの参戦もあって、3連続決勝レースになるんですが、体力が続く限り頑張ります」
予選2位 #22 東 浩平
「無事に予選を終えられて良かったです。計測ラップ1回目はトラフィックに引っかかってしまったんですが、2回目にタイムを記録できて良かったです。ミスがいくつかありましたが、決勝は前を見ながら走れるポジションなので、楽しみたいですね。まずは前の2台について行って、チャンスがあれば仕掛けていきたいです」
予選3位 #33 佐野順平
「気温が高いので、タイヤの空気圧を合わせてもう1回出ようかと思ったんですが、チームメイト(大田選手)の真後ろではないグリッドポジションだったので、『これでいいかな』と予選を終えました。2番手とタイム差がないので、決勝はしっかり戦えればと思っています。チームメイト(大田選手)と1-2フィニッシュができるように頑張ります」
賞典外 #2 佐藤考洋
「新品タイヤで走ったんですが、それがあまり上手くいきませんでしたね。中古タイヤよりも伸び代があると考えて、ブレーキングポイントを遅らせたんですが、完全に失敗でした。かなりタイムを損してしまったので、すごく悔しいです。トラフィックがあったので、予選出るのは、あえて遅らせました。悔しかったので、一度ピットに戻って、もう一度出たんですが、それも上手くいきませんでした(笑)。決勝はこの暑さもありますし、タフなレースになると思いますが、頑張ります」

Class2
予選1位 #15 荒田良浩
「予選はとりあえず、3周走ろうと考えて挑んでいたので、計画通りです。タイム的には、まだコンマ4秒くらい縮められそうだったので、あまり納得していません。決勝は楽しんで走りつつ、トップを目指して頑張ります」
予選2位 #24 長澤宏昭
「残念ですが、ベストを記録していたラップの最終コーナーでシフトミスをしてしまって、ミッションを壊してしまいました。これでリタイアになります。最後のラップもあのままストレートを走れていたら、ポールポジションを獲れていたと思うので、悔しさが残ります。今回は決勝2レースがあるので、本当に厳しいです。ただ、自分のミスなので諦めるしかありません。残り3戦で、どうやったらタイトルを獲れるのか考えます」
予選3位 #36 今野 智
「ブレーキに若干トラブルを抱えていて、3周目あたりから、ブレーキをケアしながらの走りになりました。恐る恐る踏みながらという感じっです。厳しい予選になりましたが、決勝はブレーキを労わりながら、まずは無事に走り切りたいです」
賞典外 #21 桂 伸一
「エリーゼでレースするのは、ロータス・カップが始まってすぐ以来なので、かなり久々です。エリーゼは突き詰めると難しさのあるクルマで、あえて挑戦しましたが、やっぱり難しいですね(笑)。今回、決勝2レースを楽しめるはとても良いんですが、この暑さなので、なかなかにタフな1日になりそうです。決勝はスプリントレースですが、タイヤをいかに持たせるかが鍵になりそうです」

■第1戦決勝
LOTUS Cup Japan開幕戦決勝レースが、7月23日(日)に静岡県・富士スピードウェイ10周で行われた。天候は快晴となり、絶好のレースコンディションに恵まれた。予選でのミッショントラブルによりリタイアした、クラス2の長澤宏昭選手をのぞいた11台が、フォーメーションラップを走行。14時05分にレッドシグナルがブラックアウト、全車が一斉にスタートした。

抜群の蹴り出しを見せたのはゲストドライバーとして参加する佐藤考洋選手。ポールポジションの大田優希選手が一瞬出遅れた隙を突いて、1コーナーをトップで駆け抜ける。まずまずのスタートを決めた東 浩平選手も、アドバンコーナーで大きく膨らんだ大田選手をパスし、2番手に浮上。その後方では佐野順平選手がスタートで出遅れ、佐原弘恭選手に4番手のポジションを奪われてしまう。
3番手に順位を下げた大田選手は、2周目に東選手をパスして2番手に浮上すると、後続を引き離しにかかる首位の佐藤選手を追う。大田選手は5周目の段階で0秒378差にまで迫るが、佐藤選手も絶妙のマシンコントロールで応戦。タイヤがタレてきたレース後半は、少しずつ大田選手との差を広げ、トップフィニッシュを果たした。佐藤選手は賞典外となるため、大田選手が嬉しいロータス・カップ初勝利を手にしてる。3番手の東選手は、序盤トップのふたりに互するラップを刻むが、後半は思うようにペースを上げることができず、佐原選手を抜いた佐野選手が迫ってきた。最終ラップではテールトゥノーズとなったものの、佐野選手が100Rで痛恨のスピン。東選手が2位表彰台を獲得した。佐野選手は順にを落とすことなくコース復帰を果たし、3位を持ち帰っている。

クラス2は予選2番手の桂 伸一選手が最高のスタートを披露し、首位に立つ。しかし、予選トップの荒田良浩選手が1周目のインフィールドで桂選手をオーバーテイクし、トップを獲り返した。3番グリッドからスタートした今野 智選手は予選の段階でブレーキトラブルを抱えており、ジリジリと後退。高橋基夫選手が3番手、大槻征久選手が4番手に浮上する。
レースを通して安定したペースを披露した荒田選手は最後まで桂選手を凌ぎ切り、シーズン初勝利。2位でレースを走り切った桂選手が賞典外となるため、高橋選手が2位、大槻選手が3位となっている。

■コメント
Class 1
決勝1位 ##37 大田優希
「打倒佐藤選手を目標にしていたんですが、スタートを失敗して、1コーナーで刺されてしまいました。スタートのコツは分かったので、次はアジャストします。今回、最初のラップでタイヤを温めすぎて、挙動が乱れてしまいました。最終的に抜き返しましたが、東選手にも抜かれるなど、課題がいくつか残りました。それでも、初優勝を飾れたのは嬉しいですし、次のレースも優勝を狙って頑張りたいです」
決勝2位 #22 東 浩平
「トップに追いつくペースが不足していると実感しました。ミスもありましたが、ミスだけが原因ではないと思っています。三つ巴の展開を続けて、チャンスがあればと思っていましたが、自分がジリジリと遅れてしまいました。ちょっと不甲斐ないですね。レース2では気を取り直していきたです」
決勝3位 #33 佐野順平
「めちゃくちゃ悔しいです。スタートでホイールスピンしてしまって、2〜3秒をロスしました。タイヤマネージメントどころではなかったです。その後、なんとか東選手に迫ったんですが、最終ラップでもう一段階プレッシャーをかけて、勝負をかけようとしたんですが、100Rで欲を出したら、自分がスピンしてしまいました(笑)。後続とは差があったので、余裕を持ってコース復帰ができました」
賞典外 #2 佐藤考洋
「スタートがタイミング良く決まって、ホールショットを取ることができました。その後、100Rで流れんたんですが、大田選手も流れていたので、耐え凌ぐことができました。レース中はタイヤもキツかったですし、シフトミスもあったんですが、落ち着いて手堅く走ることができました。この後の第2戦もレースを楽しみたいです」

Class2
決勝1位 #15 荒田良浩
「桂選手が後ろにいたので、冷静にミスをしないように心がけて走りました。スタートは僕なりに上手くいったんですが、桂選手の方が上手でしたね。それでもAコーナーまでには前に行けたので、良かったです。次のレースもこのままのタイヤで走るので、タイヤを労わりながら走りました。レース2はコンディションが変わってくると思いますが、みなさんニュータイヤを使うようなので、ちょっと不利ですが、頑張ります」
決勝2位 #3 高橋基夫
「予選がバラバラでどうなるかと思ったんですが、スタートで前がごたついた時に、スルスルと前に行けました。なんとか桂選手についていきたかったですが、追いつかなかったです。大槻選手も迫ってきて、キツかったです(笑)。せっかくポジションをひとつ上げられので、さらに頑張りたいです」
決勝3位 #20 大槻征久
「ロータス・カップ初参戦になります。みなさんタイムが速いですし、あらためてレベルの高さを感じています。今回はスタートで出遅れてしまいました。2〜3周バトルをして、1台をパスすることができて、その後はポジションを守ってフィニッシュしました。一生懸命10周をこなしましたが、前には引き離されてしまいましたし、体力的にも技術的にもまだまだだと実感しています」
賞典外 #21 桂 伸一
「1コーナーを立ち上がるまででしたね、良かったのは(笑)。久々のスタンディングスタートだったんですが、6000回転でのミートが良いと橋本洋平選手に聞いていたので、それがドンピシャはまりました。ドーンと出れましたが、立ち上がったところで、シフトが上手く入らなくて……。手間取っている間に、当然のごとく荒田選手に抜かれてしまいましたね」

■第2戦決勝
LOTUS Cup Japan第2戦決勝レースが、7月23日(日)に静岡県・富士スピードウェイ10周で行われた。第2戦のグリッドポジションは、第1戦の決勝結果に準ずる。クラス1の1番グリッドは佐藤考洋選手、2番グリッドが大田優希選手、3番グリッドが佐野順平選手。クラス2は1番グリッドが荒田良浩選手、2番グリッドが桂 伸一選手、3番グリッドが高橋基夫選手というオーダーで、第2戦決勝レースをスタートする。開幕戦が行われた日中よりも気温が下がり、西日が差すなか、この日二度目の決勝レースが16時55分にスタートした。佐藤選手が抜群のクラッチミートで、ホールショットを披露。「第1戦よりは良いスタートが切れた」と振り返った大田選手を従えてトップを快走する。フレッシュタイヤが機能する前半、佐藤選手はハイペースでラップし、大田選手を引き離しにかかった。大田選手のエキシージは制御系のトラブルを抱えており、ふたりの差は周回ごとに離れていく。

熾烈を極めたのは、佐野選手、東 浩平選手、佐原弘恭選手による3番手争い。抜群のスタートを決めた佐原選手が、東選手、佐野選手を抜いて3番手にジャンプアップ。5番手まで順位を落とした佐野選手は2周目で東選手、4周目で佐原選手をパスし、3番手にポジションを上げて見せる。6周目のアドバンコーナーでは東選手が佐原選手を抜いて、4番手に順位を上げた。

佐藤選手は終盤まで大きなミスもなく、トップでフィニッシュ。佐藤選手は賞典外となるため、2番手で走り切った大田選手が開幕2連勝を飾った。2位には佐野選手、3番手でレースを走り切った東選手にタイヤの規定違反があったことから、佐原選手が3位表彰台を獲得した。


クラス2は2番手グリッドの桂 伸一選手がスタートを決めて、クラス1車両を利用しつつ、レース序盤をリードする。レース中盤以降は、ペースを上げた荒田選手が周回ごとに桂選手との差を縮め、8周目のストレートでスリップストリームに入ると、9周目の1コーナーでインに入りオーバーテイク。そのままレースを走り切り、シーズン2勝目を飾った。桂選手が賞典外となるため、3周目に高橋基夫選手をパスした大槻征久選手が2位、高橋選手が3位を獲得した。

■コメント
Class 1
決勝1位 ##37 大田優希
「今回は一人旅になりましたね。スタートはそこそこ良かったのですが、1コーナー付近で横滑りしてしまって、佐藤選手に置いて行かれてしまいました。レース中盤以降は制御系のトラブルが発生してしまって、ペースを上げることができませんでした。それでも、無事に帰ってこられて良かったです。今回、別カテゴリーにも参戦していたので、決勝2レースは本当にタフでした(笑)。なんとか持った、という感じです」
決勝2位 #33 佐野順平
「ユーズドタイヤで勝負するプランを考えて、そのひとつが完璧にハマりました。ちょっとラフファイトになったのは反省ですが、すごく楽しかったです。決勝2レースは、別レースの監督業もあって、少し疲れました(笑)。次の菅生は抜くのが難しいので、いかに予選を丁寧に攻略できるかが鍵になると思います」
決勝3位 #38 佐原 弘恭

#2 佐藤考洋
「とてもいいトップフィニッシュになりました。フィニッシュ後の気分も最高です。ニュータイヤだったので、スタートから最初の2〜3周にアドバンテージがありました。勝負どころがここにあると考えていたので、かなり差をつけることができました。中盤以降も全開で走り続けることができました。今回、初めて2レース開催になりますが、スプリント2戦はさすがに疲れますね(笑)。2戦とも緊張感をもって走れましたし、とてもいい経験になりました」

Class2
決勝1位 #15 荒田良浩
「スタートで桂選手に先に行かれてしまって、『またか…』と思いました(笑)。早めに抜きたかったんですが、間にクラス1の車両が入ったので、かなり難しい状況になりました。抜いてからは自分の走りができて、前を追いかけることができました。8周目のストレートでスリップに入って、ギリギリまで待って、1コーナーでインに入ることができました」
決勝2位 #20 大槻征久
「最初のレースはスタートで失敗しましたが、今回はスタートを決めることができました。それ以降もプッシュし続け、なんとか後続を抑えることができました。決勝2レースは、とてもタフでしたが、とても楽しかったです。2レースとも気温の変化など、コンディションの違いもありました。体力面では課題を感じましたし、多くの学びがあった2戦でした」
決勝3位 #3 高橋基夫
「まず、スタートで失敗して、その後は大槻選手に抜かれてしまいした。なかなか厳しいレースになりましたね。思った通りに走れなかった場面が多かったです。不甲斐ない部分はありました。経験値の差が出たレースになりましたし、まだまだ練習が必要だと、実感しています」
#21 桂 伸一
「今回は、開幕戦と同じテツは踏まずにスタートが上手くいって、第一コーナーを回ってからもギヤをスムーズに入れることができました。前を走るエキシージがちょうどいい、風避けになってくれました。スリップストリームが上手く効いて、引っ張ってくれました。2周目の100R少し失敗したので、前に行けました。このまま後ろを抑えてくれるといいな……と思ったんですが、荒田選手はスピードの伸びが良かったですね(笑)。久々のロータス・カップは本当に楽しかったです。ドライブが面白いですし、皆さんがジェントルなので、安心してレースができました。だからこそ、こちらも変な動きができないですし、とてもいいレースになりました」

灼熱の富士スピードウェイでのハードシチュエーションの中、沢山の応援、誠にありがとうございました!
次戦「LOTUS CUP JAPAN2023 RD.3-4 @ スポーツランドSUGO」は10月15日に開催!お楽しみに!

リザルトやポイントランキングは下記リンクよりご確認下さい。
http://www.lotus-cars.jp/motorsport/lotus-cup/results.html