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【LOTUS CUP JAPAN 2023】Rd.3-4 @ SUGO レースレポート

2023/10/18

■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2023年シーズン第3戦/第4戦が、10月15日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。開幕戦/第2戦富士スピードウェイから、約3カ月というインターバルを経て、シーズン唯一東北を舞台とする菅生を迎えた。今回、クラス1に6台、クラス2に7台、合計13台がエントリー。賞典外のゲストドライバーとして、モータージャーナリストの橋本洋平選手がクラス1に参戦する。
土曜日の練習走行は晴天のもとドライコンディションで行われたが、翌日曜日の予選はあいにくの雨。時折雨脚が強くなるなか、フルウエットコンディション下で、8時30分に20分間の予選がスタートした。非常に低い気温のため、タイヤがなかなか温まらず、予選序盤は各車様子見の展開に。ゲストドライバーの橋本選手が、早々に1分50秒代を切る、1’49.099をマークする。前戦富士で2連勝を飾った大田優希選手は初めてエキシージで走るウエットの菅生に苦しみ、なかなかタイムを上げることができない。
雨が降り続くなか、橋本選手は順調に自身の記録を更新。予選終盤、大田選手が1’49.680をマークするが、橋本選手はそれを大きく上まわる1’46.956という圧倒的なタイムを叩き出した。予選時間ギリギリまで走行を続けた大田選手は、最終アタックにおいて1’49.398で走行し、2番グリッドを獲得。「思うようにタイヤを使えなかった」と振り返った東 浩平選手が3番手タイムの1’52.488、佐野順平選手が1’54. 171の4番手で続いた。クラス2は、今回がロータス・カップ初参戦となる山田遼選手が好走を披露する。様々なレース経験を持つ山田選手は、ウエットの菅生で初めてエリーゼをドライブしたにもかかわらず、クラス1に割って入る好タイムを刻む。最終的に1’50.039までタイムを縮め、クラスポールポジションを手にした。2番手には、1’52.464で走行したベテランの荒田良浩選手、3番手には1’55.593の大槻征久選手が入っている。

■コメント
Class1
予選1位 #37 大田優希
「エキシージでの初ウエットだったので、様子を見ながらのアタックになりました。いまいち乗り切れず、ウエットの感覚がつかみにくかったです。決勝はさらに雨が降る予報もあるので、もう少しコースにアジャストできると、勝負できるのかな……という感じです。あとはスタートの混乱に巻き込まれないように注意したいです」
予選2位 #22 東 浩平
「様子を見ながらの予選になりました。頑張りましたが、タイヤを上手く使うことができず、課題が色々と残りました。もう少しグリップを得られそうな感覚があったので、そこを使いきれず……という感じです。ウエットということもありますが、もう少し限界を探れれば良かったです」
予選3位 #33 佐野順平
「アタック行こうと思ったら、チェッカーが振られてしまって、完全に時間管理をミスしました。前日までがドライだったので、この雨でゼロリセットになってしまいました(笑)。決勝はもう少し頑張りつつ、無理をせず、アクシデントなく走り切りたいです」
賞典外 #2 橋本洋平
「エキシージでウエットを走るのは初めてですし、もっと難しいかと思っていたんですが、エリーゼで学んできたことが、そのまま活かすことができました。リヤが重いなど違いもありますが、基本を守って走れば、癖もなく、乗りやすいのだと実感しています。コンディションはフルウエットでしたが、後半、タイヤが温まったことで、皆さんのタイムが上がってきましたね。最終ラップ、もう一度アタックしたかったんですが、前に追いついてしまったのは残念です」

Class2
予選1位 #39 山田 遼
「ロータスカップ初参戦です。クルマが軽くて、純粋なレーシングカーに近い印象を持ちました。ドライでは、パワーを活かした走り方でしたが、ウエットはリヤが動くので、それを上手く抑えながら乗るのが難しかったです。決勝はこのクルマでの初レースなので、壊さずにフィニッシュすることを意識して、2番手以下に差をつけてフィニッシュできればと考えています」
予選2位 #15 荒田良浩
「菅生はハイスピードコースなので、雨が降ると怖いですね。できるだけ滑らせないよう、細心の注意をもって走りました。ただ、雨の菅生に慣れていないので、完璧に走らせきれないところはありました。天気はこのままのようですし、グリッド2番手なので、トップが見える位置でついていきたいです」
予選3位 #20 大槻征久
「まずまずの走りができました。練習走行はドライでしたし、このタイヤとクルマでウエットを走るのが初めてだったので、最初はおっかなびっくりでした。少しずつ様子を見ながらペースを上げて、最後の1周に賭けた感じです。決勝はひとつでもポジションを上げられるよう頑張ります」

■第3戦決勝
LOTUS Cup Japan第3戦決勝レースが、10月15日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOの10周で行われた。予選の段階から降り続く雨は、さらに雨脚を強めており、コースの一部では川が流れるほど。予選を走行した全13台がフォーメーションラップを走行し、11時50分にレッドシグナルがブラックアウト。全車一斉にスタートした。
抜群の蹴り出しでホールショットを奪ったのは、ゲストドライバーとして参加する橋本洋平選手。2番手グリッドの大田優希選手もまずまずのスタートを決めたが、ミスなく走行を続ける橋本選手が、レース前半にリードを拡大する。白熱したのは、東 浩平選手と佐野順平選手による3番手争いだ。スタートで先行した佐野選手が3番手に浮上すると、2台が僅差のバトルを展開。4周目の1コーナーでイン側を締めた佐野選手に対し、東選手がアウト側からパス。3番手のポジションを取り戻す。7周目の1コーナーで佐野選手が前に出るが、コースイン側のグリップが効かず、再度東選手が前に出ている。
レース終盤、トップの橋本選手は激しさを増す雨を警戒し、安全なペースで走行。タイヤが温まり、コースにも慣れた大田選手が9周目にファステストラップの1’51.766をマークして、その差を詰める。しかし、橋本選手は慌てることなくレースをまとめて、トップでフィニッシュ。橋本選手が賞典外となるため、大田選手がロータス・カップ今シーズン3連勝を飾った。東選手が2位、佐野選手が3位で、厳しいコンディションのレースを走り切った。
クラス2は、今回がロータス・カップ初参戦となる山田 遼選手がスタートを決めて、終始レースをリード。クラス1車両に割って入るスピードを見せ、ロータス・カップ初勝利を独走で飾った。2位はスタートで出遅れたものの、すぐにポジションを取り戻した荒田良浩選手。3位は初めて走るウエットの菅生をミスなく走り切った大槻征久選手が入っている。

■コメント
Class 1
決勝1位 #37 大田優希
「ひとまず3連勝獲得できたのは嬉しいです。途中から雨量が増えてきて、ホームストレートを走ってもフラつくような状況でした。スタートはクリーンに決まったんですが、橋本選手に置いていかれてしまいましたね。終盤はファステストも記録しましたし、いいペースで走れたと思います」
決勝2位 #22 東 浩平
「いきなりスタートで佐野選手に抜かれてしまって、せめてポジションを戻したいと頑張りました。自分の走りに関しては、滑らせてばかりで、まだまだと感じています。もっと丁寧に走りたいです。第4戦は順位よりも、もう少しいい走りができるように頑張ります」
決勝3位 #33 佐野順平
「厳しいレースになりましたね。1コーナーでインを締めて、ブロックラインを取った時に、グリップが何もなくて……(笑)。追加でブレーキを踏んだら、アウト側から東選手に行かれてしまいました。アウト側の方がグリップが良かったのかもしれません。第4戦は今回の反省を活かして、もう少し良いラインを走れるようにしたいです」賞典外 #2 橋本洋平
「とてもスリリングなレースでした。まったく余裕はなかったです(笑)。真っ直ぐ走っていても、ストレートでユラユラするくらいでしたから。予選よりも激しくなっていて、行ける場面でも、あえて押さえました。無事に帰ってくることを優先して走りました。ウエットコンディションであらためて、エキシージの難しさを感じたレースでした。ハイパワーですし、リヤが重たいので。次のレースはコンディションが回復してくれると嬉しいんですが……」

Class2
決勝1位 #39 山田 遼
「まさか、エキシージ勢とバトルができるとは思っていませんでした。ペースはエキシージの方が速いんですが、ミスがあったりすると、一気に差がつまります。ただ、ウエット路面で、僕としてもアクシデントは避けたいので、隙を見つつという感じでした。ライバルがすぐ前を走っているので、水飛沫に注意しながら走りました。第4戦も自分からミスをしないように、しっかり周回数を走り切りたいです」
決勝2位 #15 荒田良浩
「ウエットは嫌いではないんですが、今日ほどに降ると、さすがに怖かったです(笑)。ストレートを登ったところで、毎回ハイロドプレーニングになっていたので、注意しながら走りました。第4戦もウエットのままだと思いますが、なんとか山田選手とバトルができれば……と思っています」
決勝3位 #20 大槻征久
「ストレートでのハイドロが怖くて、レースの途中からアクセルを踏み込むことができなかったです。スタートは比較的上手くいきました。回転数を抑えて、ホイールスピンをしないように、前に進むことだけを考えて集中しました。第4戦はひとつでもポジションを上げられるように、頑張りたいです」

■第4戦決勝
LOTUS Cup Japan第4戦決勝レースが、10月15日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。第4戦のグリッドポジションは、第3戦の決勝結果に準じており、クラス1の1番グリッドは橋本洋平選手、2番グリッドが大田優希選手、3番グリッドが東 浩平選手。クラス2は1番グリッドが山田 遼選手、2番グリッドが荒田良浩選手、3番グリッドが大槻征久選手というオーダーで第4戦決勝をスタートする。

雨が強く降り続くなか、フォーメーションラップ後、15時15分にスタート。第3戦と同様、アウト側からスタートを決めた橋本選手が大田選手を従えて、1コーナーをトップで駆け抜ける。その後方に東選手、佐野選手が続く。クラス2は山田選手が先行し、荒田選手が追う展開。予選3番手の大槻選手はスタートを失敗し、長澤宏昭選手が3番手にポジションを上げた。
2周目のホームストレート、クラス2の高橋基夫選手がマシンにダメージを負ってストップ。これを受けて黄旗が出され、セーフティカーが導入された。セーフティカー先導によるラップが行われるなか、3周目にクラス2のトップを走行していた山田選手が制御系のトラブルによりエンジンがストップ。隊列走行中に戦列を去っている。
6周目、コース上の安全確認のため赤旗が出され、レースは約20分間の中断を余儀なくされた。15時52分に再開されたものの、雨は依然として激しくコースを打ちつけており、セーフティカー先導により2周を走行し、そのまま赤旗終了となった。
8周を走行したため、レースは無事に成立。

クラス1は4連勝の大田選手、クラス2は3勝を挙げた荒田選手が、最終戦を待たずにタイトルを決めている。

■コメント
Class 1
決勝1位 #37 大田優希
「4連勝でチャンピオンを決めることができて、すごく嬉しいです。レースは成立しましたが、実際に走ったのは実質2周半だったので、思い切り走れなかったのが残念です。橋本選手には届きませんでしたが、危なげなくポジションを守れたのは収穫だったと感じています。ヘビーウエットでの経験も積むことができました。最終戦のもてぎも、気を引き締めて戦います」
決勝2位 #22 東 浩平
「少ししか走れなかったので、もう少し菅生を楽しみたかったですね。それでも順位を守って帰ってこられたのは良かったです。このコンディションですし、赤旗も仕方がなかったのかなと思っています。最終戦もてぎはもう少し上手くなって帰ってきたいです」
決勝3位 #33 佐野順平
「かなり消化不良なレースでした。何もできませんでしたね。今回は東選手とリベンジマッチのつもりで挑みました。スタートでは前には行けませんでしたが、かなり手応えがあったので、赤旗のままリスタートできなかったのが残念です」
#2 橋本洋平
「なかなか難しい1日でしたね。雨脚が強くなっていて、路温も下がっていたので、ストレート走っている間にタイヤのグリップが落ちるような状況でした。とにかく、このコンディションに合わせて走ることを心がけました。今回、エキシージでの初レースを無事に終えられて、良かったです。エキシージがエリーゼの延長線にあることが分かって、しっかりとしたステップアップができているんだと感じました。次はドライでのレースを走ってみたいですね」

Class2
決勝1位 #15 荒田良浩
「勝った感じはしないレースでした。最後まで走ったということへのご褒美ですね。タイトルは確定しましたが、うれしいような、複雑な気持ちです。あらためて、エリーゼはバランスが良いので、ドライブしていて楽しいクルマだと感じました。初心者からエキスパートの方まで、レースを楽しめると実感しています。ぜひ、皆さんもエリーゼでレースに参加してください!」
決勝2位 #24 長澤宏昭
「セーフティカー先導で周回を重ねるレースになりましたね。それでも今年初の表彰台はうれしいです。最終戦のもてぎは、昨年コースレコードを獲っているので、プロの方とどれくらい勝負できるのか、楽しみにしています。最後まで諦めず、しっかり戦い切りたいと思っています」
決勝3位 #20 大槻征久
「スタートを失敗して、長澤選手に抜かれてしまいました。後ろからチャンスを窺っていたんですが、レースが中止になってしまって残念です。今後はスタートを失敗しないように、もっと頑張ろうと思いました。次戦のもてぎもタフなコースなので、チャンピオンは決まりましたが、さらに上の順位を目指したいです」

ハードなウエットコンディションの中、沢山の応援、誠にありがとうございました!
次戦はいよいよ2023最終戦「LOTUS CUP JAPAN2023 RD.5 @ モビリティリゾートもてぎは12月10日に開催!お楽しみに!

リザルトやポイントランキングは下記リンクよりご確認下さい。
http://www.lotus-cars.jp/motorsport/lotus-cup/results.html