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【LOTUS CUP JAPAN 2024】Rd.1-2 @ 富士スピードウェイ レースレポート

2024/04/16

■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2024年シーズン開幕戦/第2戦が、4月14日(日)に静岡県・富士スピードウェイで開催された。24年シーズンのLOTUS Cup Japanは、富士での開幕戦/第2戦を皮切りに、第3戦スポーツランドSUGO(9月1日)、第4戦/第5戦モビリティリゾートもてぎ(10月20日)という、3ラウンド・全5戦が予定されている。
昨シーズン最終戦モビリティリゾートもてぎから、4カ月のインターバルを経て開催された開幕戦富士。今回はクラス1に5台、クラス2に5台と計10台がエントリー。ゲストドライバーとしてクラス1にモータージャーナリストの桂 伸一選手、クラス2には佐藤久実選手、西川昇吾選手が参戦する。好天のなか、8時30分にドライコンディションで20分間の予選がスタート。クラス1は、2022年のシリーズチャンピオン、1年ぶりにシリーズ復帰を果たした清水友一選手を先頭にコースインした。清水選手は最初のアタックラップで、1’54.859のタイムをマーク。
その後清水選手は1’54.293までタイムを縮めてピットへと戻った。久々にエキシージをドライブしたという桂選手は1’56.365をマークし、2番手につけている。
予選後半、それまでタイヤを温め続けていた、荒田良浩選手が清水選手のタイムを一気に更新する1’54.117をマークし、リザルトボードのトップに躍り出た。清水選手は荒田選手のタイムを狙って再度コースインするが、1’54.220と一歩届かず。2022年以来のクラス1参戦となった荒田選手が見事ポールポジションを獲得した。2番手に清水選手、3番手に桂選手、4番手には予選終盤に1’56.203のタイムをマークした東 浩平選手が入っている。
クラス2は、2022年のクラス2王者、飯田敏雄選手が最初のアタックラップで1’59.525を記録。その直後、ロータス211を駆って9年ぶりに登場した坂田元憲選手が、コースレコードとなる1’58.115を刻んでみせる。なかなか坂田選手のタイムを超えることができずにいたなか、ゲストドライバーの佐藤選手が1’58.815と、1分58秒台に乗せてきた。
坂田選手は自身のタイムを1’58.084にまで縮めて、クラスポールポジションを獲得した。2番手に佐藤選手、3番手はインタークーラーのトラブルにより、緊急ピットインを余儀なくされた長澤宏昭選手。予選最終盤に1’59.332をマークし、飯田選手を抜いて3番手を手にしている。

■コメント
Class1
予選1位 #15 荒田良浩
「今年はクラス1に復帰しました。タイヤをしっかり温めてから、一発でタイムを出そうと考えていました。チームのエンジニアからは、タイヤが温まりにくいと聞いていたので、しっかり準備しました。エキシージは掛かるGがキツいですね。年齢が年齢なので、体力的にしんどいです(笑)。決勝は頑張りつつ、エンジョイしたいですね」
予選2位 #10 清水友一
「最後の参戦から1年開いてしまったので、初めドライブする感覚になりました。予選の緊張感が久しぶりで、思うようにアタックできなかったです。この結果は悔しさもありますが、楽しかったです。タイム的にはもう少し、行きたかったですね。決勝は楽しく頑張りたいです」
予選3位  #2 桂 伸一
「久しぶりにエキシージでサーキットを走ることになりました。特性は分かっているつもりでしたが、ポイントを上手く掴みきれませんでしたね。今回の予選はアタックラップで、シフトミスをしてしまったのが残念です。スリップに上手く入れない局面もありましたし、1分56秒代で走りたかったですね。トップのふたりは、ドライビングが完成されていると実感しました。やはり、パッと出てかき回すのは、簡単じゃないですね(笑)」

Class2
予選1位 #88 坂田元憲
「9年ぶりのロータス・カップ復帰になります。公式レースは本当に久しぶりです。クルマが軽いので、1分57秒代を記録したかったんですが、出せなかったのが残念です。ただ、ポールポジションはやっぱり嬉しいですね。予選を走っているうちに、当時の記憶が蘇ってきました。ロータス211は自然吸気エンジンなのでパワー面でハンデがあります。スリップを頂きつつ、コーナーリングで稼いで、良い位置でフィニッシュしたいです」
予選2位 #21 佐藤久実
「去年の自分のタイムを破るのが挑戦でしたが、予選は練習からあまり思うように走れていなくて……。途中のセクションまではマイナス表示がでていたんですが、やはり練習不足でした。少しコーナーにチャレンジする気持ちが弱かった気がします。ただ、その中でよくこのタイムで走れたなって感じです。それでも、坂田選手から1秒以内というのは悪くないと思います。決勝は後ろで勉強させてもらって、その結果を受け入れる感じですね」
予選3位 #24 長澤宏昭
「インタークーラーのインテーク側パイプが抜けてしまって。予選中にピットで直してもらい、残り4分の段階でアタックに入りました。途中までベストを更新していたんですが、最後のシケインの立ち上がりでシフトミスがあって1秒くらいロスしたのが残念です。決勝は前に付いていければ、楽しいレースになりそうです。スピンに注意しながら、勉強したいです」

■第1戦決勝
LOTUS Cup Japan開幕戦決勝レースが、4月14日(日)に静岡県・富士スピードウェイ10周で行われた。この日の天候は快晴、絶好のレースコンディションに恵まれた。12時05分にレッドシグナルがブラックアウト、全車が一斉にスタートした。
2番グリッドの清水友一選手が、イン側から好スタートを決め、ポールポジションの荒田良浩選手を従えて、1コーナーをトップでクリアする。ふたりは3番手の桂伸一選手を大きく引き離し、テール・トゥ・ノーズのバトルを展開。後方では予選4番手の東浩平選手がエンジンストールからストップ。このままレースを終えるかと思われたが、無事リスタートし、周回遅れながらもレースへと復帰した。
レースが動いたのは8周目、ストレートで差を縮めた荒田選手がプッシュし、コカコーラコーナーで清水選手をパス。残り2周、このまま荒田選手が逃げ切るかと思われたが、9周目のストレートでスリップに入った清水選手が、イン側に飛び込む。そのまま並走が続くが、100Rで荒田選手の前に出た清水選手が逃げ切り、シーズン初勝利を飾った。自身のペースを守った桂選手が3位表彰台を獲得。4位に佐原弘恭選手、5位には東選手が入った。
クラス2は予選トップの坂田元憲選手がスタートで出遅れた一方、3番グリットから長澤宏昭選手が首位に浮上。2番手に佐藤久実選手、3番手に飯田敏雄選手が続き、坂田選手は4番手まで順位を落としてしまう。2周目には佐藤選手がスリップから抜け出し、長澤選手を捕らえてトップに立つ。
佐藤選手、長澤選手、飯田選手が、接戦を繰り広げる一方、後方からチャンスを狙っていた坂田選手が、4周目にロータス211の軽さを活かして、次々とオーバーテイクを披露。4番手から一気にトップにポジションを上げて見せた。坂田選手は着実にリードを拡大し、9年ぶりのLOTUS Cup Japanで復活勝利を飾った。7周目で佐藤選手をパスした飯田選手が2位、「とにかくミスが多かった」と振り返った佐藤選手が3位表彰台を手にしている。

■コメント
Class 1
1位 #10 清水友一
「久しぶりのレースが、本当に楽しかったです。荒田選手とチームメイト同志のバトルを堪能することができました。かなりの接戦でしたが、ミスが多い方が負けた印象です。最後は狙っていました。後ろからプレッシャーを掛け続けたら、荒田選手がミスをしてくれて差を縮めることができました。次の第2戦も楽しく走りたいですね」
2位 #15 荒田良浩
「楽しかったです。順位よりも、楽しいレースを堪能できたことが嬉しかったです。ずっとサイド・バイ・サイドが続いていて、抜いたり抜かれたりと、レースの醍醐味を堪能しました。最後はAコーナーでミスしてしまって、それがなければ、清水選手を抑えられた可能性もありましたね。とにかくヘトヘトになりました(笑)」
3位 #2 桂 伸一
「決勝レースは攻め過ぎてしまったことが反省点です。上位ふたりに聞いたら、エキシージは丁寧にドライブすることが鍵になるということでした。コーナーリングでシャカリキにならず、立ち上がりの加速で稼いだ方が良いと。エリーゼの感覚で、攻めてしまうと、なかなか上手くいきません。次のレースはニュータイヤ入れるので、操縦性の違いがあるのか、それが楽しみです」

Class2
1位 #88 坂田元憲
「めちゃめちゃ疲れました(笑)。ロータス211は30馬力ほどパワーが低いんですが、そのぶん軽いんです。ライバルとは得意・不得意がはっきりしているので、面白いレースになりました。スタートで遅れて4番手に落ちたんですが、後ろから待っていたというよりも、前の3台がタイヤがタレてきたことが大きいです。僕のクルマは軽いので、落ち幅が小さかったんだと思います。差を広げられたのは、後ろでバトルしてくれたのと、やはりインフィールドでのアドバンテージですね」
2位 #47 飯田敏雄
「かなりバトルがあって、すごく楽しかったです。みんなミスが多かったですね。ただ、思っていたよりも、僕は冷静に走れました。予選は厳しい展開になりましたが、レースは優勝はできませんでしたが、楽しむことができました。次のレースは人間もクルマもへたっていると思うので、どうなるか…想像つかないです(笑)。ただ、2番手からスタートできるので、そのまま前に行けたらいいですね」
3位 #21 佐藤久実
「楽しかったけど、何度も飛び出しました(笑)。バトルの中で、かなり激しく暴れていたと思います。スタートで失敗して、トップに立って、抜かれての3位、レースの醍醐味を堪能できました(笑)。エリーゼでのレースの難しさを実感しました」



■第2戦決勝
LOTUS Cup Japan第2戦決勝レースが、4月14日(日)に静岡県・富士スピードウェイ9周で行われた。第2戦のグリッドポジションは、第1戦の決勝結果に準ずる。クラス1の1番グリッドは清水友一選手、2番グリッドが荒田良浩選手、3番グリッドが桂 伸一選手。クラス2は1番グリッドが坂田元憲選手、2番グリッドが飯田敏雄選手、3番グリッドが佐藤久美選手というオーダーで、第2戦決勝を迎えた。
開幕戦が行われた日中よりも気温が下がり、西日が差すなか、15時30分にこの日二度目となるスタート進行が開始。ところが、フォーメーションラップを終えた段階で、クラス2の坂田選手のロータス211にスロットルトラブルが発生し、急遽ピットへとマシンを戻すことになった。これを受けて再びセーフティカー先導でフォーメーションラップを実施。当初の予定から1周減の9周で決勝が行われることになった。坂田選手を除いた9台が再びグリッドに成立し、ブラックアウトでスタート。坂田選手もピットでトラブルを解消し、レース復帰を果たしている。
クラス1は清水選手が抜群の蹴り出しで、ホールショットを決める。なんとか荒田選手を引き離そうとするが、お互い一歩も譲らずテール・トゥ・ノーズの展開が続く。後方から清水選手の隙を狙い続けた荒田選手は、3周目のホームストレートでスリップに入ると、1コーナーアウト側から前に出る。そのままサイド・バイ・サイドの展開を制した荒田選手が首位に浮上。そのまま、残りのラップもポジションを守り切り、嬉しいシーズン初勝利を飾った。
桂選手と東選手による3番手争いは、序盤はフレッシュタイヤを履く桂選手が順調に走行。レース終盤、桂選手のペースが落ちたことを受けて、東選手が6周目に背後へと追いついて見せた。その後は周回ごとにポジションを入れ替える白熱の展開に。最終的に東選手が桂選手を突き放し、開幕戦のトラブルから一転、嬉しい3位表彰台を獲得した。
クラス2は、スタートを決めた長澤宏昭選手が、飯田敏雄選手と佐藤久実選手をかわしてトップに立った。一歩出遅れた飯田選手をかわし、佐藤選手が2番手につける。2周目、長澤選手のスリップに入った佐藤選手が1コーナーで並びトップに浮上。佐藤選手は2分を切るラップタイムで走行し、長澤選手以下を引き離しにかかる。4周目にはペースの上がらない長澤選手を捉えて、飯田選手が2番手にポジションを上げた。
少しずつ差をつめた飯田選手は、5周目のストレートで佐藤選手のスリップに入り、6周目の1コーナーで佐藤選手をパス。トップに立った飯田選手はペースを緩めることなく、トップでフィニッシュ。僅差の展開となった2位争いは佐藤選手が、長澤選手を抑え切った。最後尾から追い上げた坂田選手は、予選タイムを上まわるラップで追い上げるが、長澤選手に一歩届かず、4位に終わった。

■コメント
Class 1
1位 #15 荒田良浩
「しんどいレースでした。当分レースはいいかな…と思うほどでした(笑)。結果的にミスをしなかった方が勝ちましたね。私自身、なんとかミスをせず、タイヤ保たせながら、ギリギリで走り切りました。あらためて、エキシージは体力的に厳しいですし、本当にタフなレースです。今シーズン、清水選手とは1年間同じような展開になりそうです」
2位 #10 清水友一
「第2戦のほうが、開幕戦よりも断然ハードでした。300Rで5速に入らなくて、そこでグッと離されてしまったのが残念です、今シーズンは、今後も今回のような展開になるでしょうね。次の菅生は好きなサーキットなので、楽しめそうです」
3位 #22 東浩平
「面白いレースでした。桂選手には前半でかなり離されてしまいましたが、タイヤがタレてきたこともあって、少しずつ近づくことができました。一度抜いても、抜き返されたり、桂選手のテクニックにも驚かされました。最後の最後にもう一度前に行くことができて良かったです。正直、トラブルで2戦目は出られないと思っていたので、こうやってレースに出られて、バトルを楽しめたことに感謝しています」

Class2
1位 #47 飯田敏雄
「楽しかったです。すごく勉強になりました。予選からモヤモヤしていましたが、決勝1回目を走ったことで、色々とフィーリングを思い出しました。あらためて、1シーズン走っていないことの大きさを痛感しています。あらためて、継続は力なりだと実感しました。2レース目は疲れもありましたが、意外とリラックスできた気がします。菅生は大好きなので、楽しみです」
2位 #21 佐藤久実
「すごく疲れましたが、めちゃくちゃ楽しかったです。トップに立って、突き放したつもりだったんですけどね……(笑)。このレースは勝てると思ったんですが、追いつかれてしまいました。皆さん、本当に上手なんだと実感しました。皆さんジェントルで、レースマナーが良いことにも感心しました。接触しそうな状況でも、ちゃんと引きますし、すごく良いレースだと思います。また、機会があれば。ぜひ参加したいです」
3位 #24 長澤宏昭
「面白いレースになりましたね。スタートでまたトップに立って、場を盛り上げることができました(笑)。バトルがたくさんあって、本当に楽しかったです。佐藤選手はタイヤが厳しくなっているのが分かりましたが、ミスしてくれませんでしたね。菅生は苦手なサーキットですが、飯田選手には簡単に勝たせないように頑張ります」


沢山の応援、誠にありがとうございました!
次戦「LOTUS CUP JAPAN2024 RD.3 @ スポーツランドSUGO」は9月1日に開催!お楽しみに!

リザルトやポイントランキングは下記リンクよりご確認下さい。
http://www.lotus-cars.jp/motorsport/lotus-cup/results.html