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LOTUS CUP JAPAN 2017 第5戦 レポート

2017/10/31

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■予選
JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2017年シーズン第5/6戦が10月28日(土)〜29日(日)に栃木県・ツインリンクもてぎで開催された。最終ラウンドとなる今回のレースにはクラス1が11台、クラス3が2台と合計13台がエントリー。世界ツーリングカー選手権(WTCC)と併催となり、28日土曜日に予選と第5戦、翌29日日曜日に最終戦として第6戦が開催される。

今回、ゲストドライバーとして自動車雑誌Tipoの佐藤考洋編集長が、#2 SYNTIUM LCI EXIGE Sをドライブ。クラス1はランキングトップの草野 誠二と、2位の長谷川 憲幸がわずか2点差で争っており、第5戦で草野が勝利すれば、最終戦を待たずにタイトルが決まる。一方、クラス3の秋葉有一は第5戦を走りきれば、こちらもタイトル獲得となる。

分厚い雲が立ち込めているものの、ドライコンディションのなか、午前11時15分に20分間の予選がスタートした。ポイントリーダーの草野は真っ先にコースインすると、最初のアタックラップで2’10.521をマーク。すると、その直後に長谷川が2’08.971とベストタイムを塗り替えてみせる。今回がエキシージSで初参戦の佐藤は2’11.482とまずまずのタイムで滑り出した。

予選中盤、「どうしてもポールを獲りたかった」と語る草野が、2’08.899と長谷川のタイムをわずかに上回り、リザルトボードのトップに躍り出た。長谷川はその後もアタックを続けるが、草野を上回れずに予選2番手。予選3番手は2’09.715を記録した滑川真央。残り2分を切った段階で2’10.420を叩き出した飯田敏雄が、荒田良浩と佐藤を抜いて4番グリッドを手にした。クラス3は2回目のアタックで2’23.745を記録した秋葉が、第3戦富士以来の参戦となった大屋彰利に大差をつけて、予選を終えた。

Class 1
予選1位 #55 草野誠二 選手
「クリアラップが取れない局面もあったんですが、ポールをどうしても獲りたかったので頑張りました。とにかく決勝は一番で1コーナーに飛び込みたかったので、なんとか獲得できて良かったです。決勝は私自身、雨があまり好きではないので、少し心配です。なんとか第5戦でタイトルを決めて、今晩は美味しいお酒が飲みたいですね。」

予選2位 #8 長谷川憲幸 選手
「予選は失敗してしまいました。出るタイミングを考えていたんですが、結果的にクリアラップを取ることが難しい状況になりました。色々考えていたんですが、上手くいかなかったですね。決勝はとにかく無事にフィニッシュできることを考えて頑張ります

予選3位 #5 滑川真央 選手
「タイムはまずまず満足できる内容だったんですが、上のふたりが速すぎましたね。彼らに届かなかったのが残念です。決勝は天気が少し心配ですが、まずは課題のスタートをしっかり決めて、順位をキープしたいです。最低でも表彰台を目指して走りたいと思います」

予選6位 #2 佐藤考洋 選手
「エキシージSでレースに出るのは、今回が初めてです。事前に練習を行い、昨日も2回走ったんですが、まだクルマに慣れているところです。すごく速いマシンなので、自分の技量だともう少し練習が必要ですね。タイムはこれまでのベストが出ているんですが、新品タイヤを履いているので、もう少し上げられるはずです。まとめ方や区間ごとの精度が、まだ合わせきれていない感じです。決勝は雨になってしまうと、まったく経験がないので、できればドライで走りたいです」

Class 3
予選1位#16 秋葉有一 選手
「本当は1周でアタックをやめるつもりだったんですが、アタックラップ中に少しタイムロスしたので、もう1回アタックしました。想定していたタイムが出たので、そこでピットに戻りました。決勝は天気が心配ですが、このレースでしっかりタイトルを決めたいです」

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■決勝 第5戦
LOTUS Cup Japan第5戦決勝レースが、10月28日(土)に栃木県・ツインリンクもてぎの10周で争われた。ダミーグリッドの段階で降り始めた雨はスタート時点で本降りになった。「スタートが鍵」と語っていた草野誠二だったが、予選2番手の長谷川憲幸が抜群の蹴り出しを決めてトップで1コーナーをクリアする。その後方では予選3番手の滑川真央が2コーナーでスピンを喫し、大きくポジションダウン。3位に荒田良浩、4位に飯田敏雄、5位に佐藤考洋が順位を上げている。

このレースで勝利しない限り、タイトル獲得の可能性を失う長谷川は、必死のアタックで草野を引き離しにかかる。対する草野もファステストを連発し、3周目終了時点で長谷川に1.206秒差にまで迫ってきた。ところが、徐々に雨足が強くなったことで、草野は思うようにペースを上げることができない。

コースの至る所でスピンやオーバーランが頻発する状況で、逆に安定したラップを刻んだ長谷川が草野との差を徐々に拡大。さらに草野が8周目の90度コーナーでリヤが流れてタイムロスを喫してまう。これで安全圏とも言えるアドバンテージを得た長谷川が、草野に6.229秒差をつけてフィニッシュ。シーズン2勝目を獲得し、タイトルの可能性を最終戦につなげている。

トップ争いの後方では、荒田、飯田、佐藤による3位争いが白熱化する。レース序盤は荒田が抜け出すが、4周目に飯田をパスした佐藤が少しずつ前との差を詰め、6周目の1コーナーで荒田のインを突いて3位に浮上。その後の周回も巻き返しをはかる荒田を抑え切った佐藤が、エキシージS初ドライブにも関わらず3位表彰台を手にした。4位は荒田、5位に飯田が続いている。秋葉有一がタイトルに王手をかけていたクラス3は、2位を走行していた大屋彰利が5周目の90度コーナーでクラッシュ。リタイアを余儀なくされたことで、このレースを制した秋葉の王座が確定している。

第5戦の決勝結果は、翌29日に行われる最終戦のグリッドポジションとなる。

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Class 1
優勝 #8 長谷川憲幸 選手
「平常心を心がけて、なんとかスタートが決まりました。雨のもてぎを走るのは初めてですし、コンディションの変化は少し怖かったです。何度か飛び出しそうにもなりました。とにかく次も勝つしかチャンスがないので、一番前でのフィニッシュを目指して頑張ります」

2位 #55 草野誠二 選手
「初めて走るもてぎのフルウェットを、全開で飛ばしたレースでした。自分なりに走れることも分かりました。明日はなんとか勝ちたいです」

3位 #2 佐藤考洋 選手
「雨が降ったことで、少しずつコンディションが悪化しました。このクルマをウェットで乗ったことがなかったんですが、少しずつ路面の状況をつかむことができました。その中でもクルマの特性に合わせて、落ち着いて走れたと思います。競った状況でだんだんクルマを理解したいったことで、相手のミスもあり、前に行くことができました。ロータスはやっぱり面白いですね。他にはない軽やかさがあって、操っている感があります。そしてマナーがすごくいいので、安心してレースを楽しめました。最終戦も落ち着いて戦いたいです」

Class 3
1位 #16 秋葉有一 選手
「1周目からコンディションがどんどん変化するレースでした。ブレーキングポイントを周回ごとに変える必要があったほどです。大屋選手がクラッシュしたことで、その後は気を引き締めて、セイフティランを心がけました。難しいコンディションでしたが、フィニッシュできて嬉しいです。参戦台数が少ないなかで、勝利はできていたんですが、自分の練習不足を痛感しました。もう少しプッシュが必要ですね。」

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2017.10.31