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【LOTUS CUP JAPAN 2024】Rd.4.5 @モビリティリゾートもてぎ

2024/10/23



■予選
 JAF(日本自動車連盟)公認レース「LOTUS Cup Japan」、2024年シーズン第4戦/第5戦が、10月20日(日)、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された。前戦のスポーツランドSUGOラウンドから1カ月半のインターバルを経て迎えた最終ラウンドには、クラス1に5台、クラス2に5台、合計10台がエントリー。
クラス1の小林一景選手と笹嶋邦則選手、クラス2の佐藤文彦選手が今シーズン初参戦を果たした。

土曜日の練習走行は霧がでる局面もあったが、日曜日は雲ひとつない青空が広がり、コンディションはドライ。夏のような陽気から一転、路面温度が低く、絶好のレース日和となった。15分間の予選は、3年ぶりのロータス・カップ参戦を果たした小林選手が、最初のアタックラップで2’07.671の好タイムをマーク。しかし、その直後に、ポイントリーダーの荒田良浩選手がコンマ5秒以上更新する、2’07.020を叩き出した。1年ぶりの参戦となった笹嶋選手は2’08.244と、2分7秒台には届かない。上位3台がアタックを終えてピットに戻った一方、荒田選手とタイトルを争う清水友一選手は走行を続ける。しかし、清水選手のマシンはエンジンチェックランプが点灯しており、2.08.289と思うようにタイムを縮めることができない。このまま予選が終了し、荒田選手がポールポジションを獲得。2番手グリッドに小林選手、3番手グリッドに笹島選手、4番手グリッドに清水選手というオーダーとなった。
クラス2は、ポイントリーダーの飯田敏雄選手がアウトラップのVコーナーにおいて、オーバーレブによりエンジンブロー。そのまま緊急ピットインし、予選を終えることになった。早々に好タイムをマークしたのは第3戦菅生ラウンドはクラス1に参戦し、ポール・トゥ・ウィンを決めた橋本洋平選手。2番手以下を大きく引き離す、2’11.815という好タイムを叩き出した。

■コメント
Class1
予選1位 #15 荒田良浩
「正直、ポールポジションを獲れると思いませんでした。参加者にトラブルが多く、僕自身も最終コーナーでギヤが入らず、コンマ4秒くらいロスしていました。自分自身としても落胆しながらアタックを止めたんですが、ポールポジションだと言われて、『みんなどうしたんだろう?』と思ったほどです。決勝は皆さんがマシンを修理をしてくると思うので、タイム差もないですし、面白い戦いになりそうです」

予選2位 #2 小林一景
「ロータス・カップは2021年の最終戦もてぎ以来、3年ぶりです。エキシージに乗るのもそれ以来になります。予選は2回アタックしたんですが、1回目はミスしてしまって、2回目のアタックはセクター2でクラス2の車両に引っ掛かってしまいました。結果的に2番手タイムという感じです。ペースとクルマは悪くないので、なんとかスタートを決めて優勝を狙います」

予選3位  #43 笹嶋邦則
「昨年のもてぎラウンド以来の参戦になります。予選は手探り状態で、タイヤのグリップを使いきれませんでした。やはり1年ぶりだと、エキシージのドライブは難しいですね。決勝は周りの人を邪魔しないように、安全運転で行きます(笑)」

Class2
予選1位 #21 橋本洋平
「まぁまぁうまくいったかなって感じです。もてぎでエリーゼに乗るのは、おそらく10年以上ぶりなんです。本当に久々だったので、練習走行でも上手く走れませんでした。そうしたら、使うギヤを間違えていたんです(笑)。そこを直して、走り方も調整したら、良いタイムがだせました。飯田選手がトラブルでリタイアになったのは残念ですが、面白いレースを戦いたいです」

予選2位 #24 長澤宏昭
「アタックラップにオイルフラッグが出てしまったり、最終コーナーの手前でスリップを使っていたんですが、前を走るクルマがアタックを諦めてしまったり、あまり上手くいきませんでした。1分11秒前半のタイムが出せていたはずなので、少し悔しいです。飯田選手のトラブルが本当に残念です。チームメイトとして、最後まで一緒に戦いたかったです。決勝は橋本選手に置いてかれないように付いていって、チャンスを狙います」

予選3位 #24 西川昇吾
「みなさんやっぱり速いですね。アタックラップでどれだけまとめられるかが、課題だと感じました。もてぎは距離も長いので、1周を通して完璧に走るのが難しいですね。実はもてぎはカートでしか走ったことがないので、30分の練習走行だけだと、少し難しさを感じました。決勝1回目を練習として考えて、2回目の決勝でどれくらい行けるかですね」

 

■第4戦決勝

LOTUS Cup Japan第4戦決勝レースが、10月20日(日)に栃木県のモビリティリゾートもてぎの10周で行われた。予選に続き快晴となり、コンディションはドライ。予選におけるエンジンブローが発生した飯田敏雄選手がリタイア、エンジンに不調を抱えている東浩平選手はピットスタートとなった。2台を除いた8台がグリッドに並び、午前10時05分に一斉にスタート。
荒田良浩選手がホールショットを決めるが、好スタートで迫った小林一景選手が、1周目に荒田選手をパス。荒田選手の直後にはスタートで笹嶋邦則選手を抜いた清水友一選手がピタリとつけた。このまま僅差のバトルが続くかと思われたが、トップの小林選手が1分7秒〜8秒台のタイムをコンスタントに刻み、少しずつ荒田選手との差を広げにかかる。

小林選手は大きなミスをすることなく、周回ごとにアドバンテージを拡大。2位の荒田選手との差を7秒498にまで広げ、トップでフィニッシュ。2021年の最終戦もてぎラウンド以来となるロータス・カップ勝利を飾った。レース中盤以降は、予選でのトラブルが再発した清水選手の背後に笹島選手が迫り、テール・トゥ・ノーズによる3番手争いを展開。笹島選手は最終ラップの第3コーナーでオーバーテイクを仕掛けたものの、アウト側に膨らみ万事休す。清水選手が3位のポジションを守り切り、最終戦にタイトル獲得の可能性を残した。ピットスタートからレース復帰を狙った東選手はコース復帰が叶わず、リタイアに終わっている。
クラス2は、エリーゼでもてぎ初参戦となった橋本洋平選手が、抜群の蹴り出しでレースをリードする。順調にラップを重ね、4周目終了段階で2番手につける長澤宏昭選手との差を2秒331差にまで広げて見せる。ところが、レース終盤、橋本選手のリヤタイヤの内圧が上昇し、ペースダウン。一気にその差を縮めた長澤選手が背後に迫ってきた。最終ラップまで緊張感のあるバトルが続くが、橋本選手がトップの座を守り切り、見事クラス2優勝を飾った。2位には0秒136差にまで迫った長澤選手、予選順位を守った西川昇吾選手が3位表彰台を得ている。



■コメント
Class 1
1位 #2 小林一景
「1周目でパスできたんですが、その後の2〜3周は荒田選手が近かったので、危ないな……と思いながら、このペースを維持すれば、離せるだろうと思って頑張りました。1分7〜8秒台を安定して刻めたので、引き離すことができましたね。そこから安定した方向に切り替えて、勝つことができました。エキシージは本当に速いので、タイヤが冷えていると怖いんですが、スリルがあって良いカテゴリーだとあらためて思いました」

2位 #15 荒田良浩
「さすがに年齢に勝てないですね(笑)。4〜5周目くらいから疲れるし、メガネは曇るしで……。もうあれ以上は無理です。エキシージで走るもてぎは、長いし、コーナーは多いし、キツいです」

3位 #10 清水 友一
「クルマが本調子ではないのですが、2戦目もこのままだと思います。とにかく走り切れるように頑張ります。もてぎは2年ぶりなんですが、あらためてタフなコースですね。昨日の練習走行と予選を走って迎えた決勝ですが、楽しく走れました」

Class2
>1位 #21 橋本洋平
「そのまま逃げられれば良かったんですが、後半は厳しかったです(笑)。ギリギリで勝つことができました。長澤選手にベタベタにやられて、それがけっこうなプレッシャーになりました。タイヤの内圧のセットが高すぎた気がします」

2位 #24 長澤宏昭
「橋本選手とバトルができて、すごく楽しいレースでした。7周目に一旦前に行ったんですが、ハーフスピンを喫してしまったんです。そこから立て直して追いかけ続けました。橋本選手はタイヤがきつそうで、最後は狙ったんですが、最終コーナーからの距離がなくて、並ぶだけで精一杯でしたね」

3位 #20 西川昇吾
「飯田選手が走っていれば、3位表彰台も難しかったと思っています。良くはないですが、表彰台に乗れたことは嬉しいです。レース全体を振り返ると、安定して走れるようになった感触があります。スタート前にリヤの内圧を落としたのが、後半もペースを落とさず走れた鍵でした」

■第5戦決勝

 LOTUS Cup Japan第5戦決勝レースが、10月20日(日)に栃木県のモビリティリゾートもてぎ、10周で行われた。第5戦のグリッドポジションは、第4戦の決勝結果に準ずる。クラス1の1番グリッドは小林一景選手、2番グリッドが荒田良浩選手、3番グリッドが清水友一選手。クラス2は1番グリッドが橋本洋平選手、2番グリッドが長澤宏昭選手、3番グリッドが長澤宏昭選手というオーダーで第5戦決勝を迎えた。第5戦での復帰を目指していた東浩平選手はトラブルが解消できず、無念のリタイア。最終戦を前に、クラス1はランキングトップの荒田選手と清水選手のポイント差が6点。清水選手が優勝し、荒田選手が3位以下となった場合に、逆転タイトルの可能性を残している。クラス2はトップの飯田選手と長澤選手がわずか3点差。長澤選手が2位以上に入ると、マシントラブルで欠場となった飯田選手を逆転し、王座を手にする。予選に続き雲ひとつない快晴が広がり、コンディションはドライ。
13時に8台が一斉にスタートを切った。3番グリッドから抜群の蹴り出しを見せた清水選手が、小林選手と荒田選手をアウト側から追い抜いてトップに立つ。

逆転タイトルを目指した清水選手だったが、3周目のヘアピンコーナーで小林選手が清水選手をオーバーテイク。第4戦と同じようにペースを上げた小林選手が後続を引き離していく。2番手の清水選手との差を詰めた荒田選手がテール・トゥ・ノーズの展開に持ち込むが、パスするまでには至らない。中盤以降も順調に走行を続けた小林選手は、第4戦を再現するかのようにトップフィニッシュ。久々の参戦ながらも、2連勝を飾った。2位の清水選手は荒田選手を大きく引き離して、2位表彰台を獲得。しかし、3位でレースを走り切った荒田選手がクラス1王座を決めた。
クラス2は橋本選手がクラス1のマシンをも追い抜く抜群のスタートを披露し、レースをリード。しかし、レースペースで上まわる長澤選手が追いつき、6周目の第5コーナーでは前に出る。この時は橋本選手が守り切ったが、8周目の1コーナーでサイドバイサイドに持ち込むと、第3コーナーで長澤選手がオーバーテイク。
ついにトップに立った。長澤選手は残された周回も安定したペースを披露し、待望のシーズン初勝利。実に2年ぶりの優勝で、クラス2タイトルを手にした。2位には橋本選手、3位には第4戦に続き西川選手が入っている。




■コメント
Class 1
1位 #2 小林一景
「スタートで2台に並ばれた時は、まずいな……と思いましたが、1コーナーで2番手を死守することができました。そこからチャンスを狙いました。3周目で清水選手を抜いて、そこから後続を引き離すことができました。1戦目と同じように安定した走りができて良かったと思います。ロータス・カップはクルマが刺激的ですが、その中でトップになれて嬉しいですし、あらためて面白いカテゴリーだと実感しています」

2位 #10 清水 友一
「だいぶ刺激的なレースでしたね。スタートが上手くいって前に行けたのですが、小林選手と争っていると、荒田選手にも抜かれてる可能性があったので、あまり無理をしませんでした。以降は自分のペースを守って走りました。今シーズンは荒田選手といいバトルが何度もできて楽しかったです。2年ぶりの参戦になりましたが、ロータスは楽しいですし、来年も是非シリーズが続いてほしいです。参加者が和気藹々と切磋琢磨して、自分のレベルが上がっていくのは、本当に楽しいですから」

3位 #15 荒田良浩
「予選も含めて、全員が僅差で争っていたので、すごく楽しいレースになりました。ちょっとしたミスがあれば、ひっくり返るような展開だったんですが、レベルが高く誰もミスをしませんでしたね(笑)。今シーズンは、まずは全てのレースでポイントを獲得できたことが一番良かったです。ロータス・カップはクルマを磨くというよりも、自分達を磨いていくレースなので、もっともっと参加者が増えてほしいです。初心者だって、2年で絶対に上手くなりますから」

Class2
1位 #24 長澤宏昭
「タイトルを獲れたことと、そして何よりも橋本選手に勝てて、決められたことが嬉しいです。チームメイトの飯田選手は本当に残念でしたが、チーム全員で喜んでシーズンを締めくることができました。レースは2周目から接戦が続いて、お互いミスをせずに隙を探るような展開でした。今シーズンは賞典外がなくなり、橋本選手のように上手い方が選手権に参加したことで、参加者全員が刺激を受け、成長できた気がしています。ジェントルマンドライバーとして、階段をひとつずつ上がっていると実感しています。来年も継続参戦するつもりですし、是非シリーズを続けてほしいです」

>>2位 #21 橋本洋平
「厳しいレースでしたね。長澤選手がしぶとく攻めてきて、あれ以上は無理でした。クラス2は接戦なので、バトルが本当にハードです。ただ、今回争った長澤選手もそうですが、無理な攻め方はしないので、安心してレースが楽しめましたし、本当に面白かったです。今年はクラス1とクラス2を戦いましたが、速さや面白さが違っていて、それぞれに魅力があると感じました。エリーゼはコーナーリングスピードの高さや軽快さが魅了ですし、エキシージは一発のトラクションやスピードがあります。同じロータスでも別の楽しさや難しさがあって、魅力的なカテゴリーです」

3位 #20 西川昇吾
「第4戦よりはラップタイムも速くなりましたが、自分との戦いになりましたね。フィニッシュした段階での、前との距離も少なくなった印象で、少しだけバトルも楽しめました。シーズンを振り返ると、皆さんの雰囲気がとても良くて、手の内を見せ合って勝負をする感じが、本当に素晴らしかったです。居心地が良く、暖かく迎えていただいたことがとても印象的です。みんなで上手くなろうという、紳士のスポーツが体現されているシリーズだと思います」

1年間、沢山の応援、誠にありがとうございました!



リザルトやポイントランキングは下記リンクよりご確認下さい。
https://www.lotus-cars.jp/motorsport/lotus-cup/results.html