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SUPER GT 2019 第7戦 IN スポーツランドSUGO 300KM レースレポート

2019/09/24


 

9月21日(土)/22日(日)の2日間にかけて、スーパーGT 7戦「SUGO GT 300KM RACE」が開催されました。
全8戦で開催されるスーパーGTも、今大会を含み残すところあと2戦。ウェイトハンディが半分降ろされ、さらに熾烈な闘いとなる菅生ラウンドを、Cars Tokai Dream28はシンティアム・アップル・ロータスと共に闘い抜きました。

 

■公式練習走行

土曜日の9:00から始まった公式練習走行は、通常通りエースドライバーである加藤寛規選手がドライバーを担当しました。8月のテストでは様々なトライをしながらも、思うような成果を残せなかったチームは、1時間45分の走行時間を使って精力的にメニューをこなして行きました。しかしマシンのセッティングと共に、今回チームは気温の低さに悩まされました。8月のテスト時よりも下がることは想定済みでしたが、その気温16度、路面温度は21度と、予想よりも大幅に低かったのです。結果として公式練習走行では、加藤選手が出した1分20秒344がベストとなり、総合でも25番手という順位に沈みました。

 

■公式予選1回目

14:00から始まった公式予選1回目(Q1)は、全28台のマシンがA/Bグループに別れて走行しました。
AグループとなったSGT EVORA、Q1のアタックは加藤選手が務めました。ウォームアップを終えて4周目にアタックを開始した加藤選手は、まず1分20秒264をマーク。このときSGT EVORAの順位は9番手付近に留まっており、翌周のアタックでさらなる順位アップが期待されました。しかし最後のアタックはセクター1、セクター2共に更新ならず。なおかつライバルたちが順位を上げて行ったことで、最終的には13番手に。残念ながらSGT EVORAは、Q1を突破することができませんでした。ポールポジションは、1分16秒684という驚異的なタイムでコースレコードを更新した♯61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝 組)が獲得しました。

 


 

■決勝レース

日曜日は明け方こそ曇り空ながら、一時は日ざしが射すほどの天候となりました。
しかしグリッドウォークが始まる頃になると、空からは予報通りの雨粒がパラパラと降り注ぎました。そしてレースが始まる直前には、本格的な雨が降り出し、ペースカースタートが宣言されました。

A/Bグループの総合順位から27番手スタートとなったSGT EVORA。第一スティントのドライバーは、加藤寛規選手が務めました。セーフティカーは3周目を終えた頃にピットへと戻り、ホームストレートではグリーンシグナルが点灯。雨交じりの難しい路面の中で、300kmのレースがスタートしました。レースは序盤、タイヤ選択の違いで大きく順位が入れ替わりました。結果的にはスリックタイヤで勝負に出たチームが脱落。対してSGT EVORAはレインタイヤを選んでおり、加藤選手はここから追い上げを開始しました。

ドライコンディションでのスピードのなさに苦しんでいたCars Tokai Dream28。しかし決勝レースではこれがウソのように、SGT EVORAは周回を追うごとに速さを取り戻して行きます。序盤こそ混乱の中で順位を落とした加藤選手でしたが、5周目の時点で早くも17番手に躍り出ると、15周目には12位まで上り詰めます。ここからしばらく順位は変わらず、さすがにトップ10との差は埋まらないのかと思われました。しかし目の前が開けると、再びSGT EVORAは速さを発揮し、28周目にはとうとう10番手になったのです。まだライバルはルーティンのピットを終えておらず、これは純粋なSGT EVORAとドライバーの速さの証明となりました。そしてライバルたちのルーティンピットが始まりだそうとした、まさにそのときでした。GT300クラスの周回で数えて35周目、一台のGT500マシンが単独でグラベルにコースアウト。これを受けて翌周に、セーフティカーが導入されました。このとき抜群のタイミングで上位3台のマシンはピットイン。しかしエースでのロングスティントが必須であるCars Tokai Dream28は、予定通りマシンをコースにステイさせました。この時点でレースはまだ、半分を終えていなかったのです。

セーフティカーが入ると上位陣がこぞってピットイン。これでSGT EVORAは、見かけの順位ながらも3番手まで浮上します。そしてハイペースな走りでマージンを稼ぎながら、加藤選手は52周にピットインしました。選択したレインタイヤで好調なタイムを刻んだことを受け、チームは給油のみでSGT EVORAをコースへと戻しました。これによって順位も、5番手の好位置で復帰することができました。序盤こそハード目なレインタイヤと雨量のマッチングに手こずりながらも、高橋選手はその後レインタイヤでこれまでにない走りを見せました。そして68周目まで、13番手をキープしました。その後は終盤の混戦に巻き込まれながらも踏ん張りましたが、最終ラップにライバルの後塵を拝して、最終的には17位でチェッカー。しかしながらマシンは無傷のまま、予選よりも順位を上げてゴールをすることができました。

 


 

2019年のスーパーGTも、11月で最終戦を迎えます。
舞台となるツインリンクもてぎは、決してSGT EVORAが得意とするコースではありませんが、チーム一丸となって闘いますので、応援よろしくお願いします!

 


 

■チーフエンジニア 渡邊信太郎

「今回の予選に関しては、選択したタイヤがハードより過ぎました。逆に決勝に関しては、レインタイヤの選択が路面と合っていたため、本来SGT EVORAがもっているパフォーマンスがしっかり発揮できました。S/Cが入ったタイミングは残念でしたが、我々としては加藤選手が引っ張ることを前提としているので想定通りです。ジェントルマンドライバーにとって、あの雨で残り半分以上のレースを走るのは厳しいと思います。そんな状況ながら高橋選手は、SUGOでのテスト時よりも速さを発揮してくれました。本当にあと少しの速さで、ポイント獲得が見えたと思います。」

■ドライバー 加藤寛規選手

「予選の状況はどうしてこんなにタイムが出せないのか、本当にわからなくて悩みました! ただ今日のフリー走行でスリックタイヤを履いたときに気づきがあり、さらに決勝ではレインタイヤで速さも発揮できた。これで今回は、完全に我々が、スリックタイヤで選択ミスをしたのだとわかりました。高橋選手も、今までのレインレースのなかで、一番の頑張りを見せてくれたと思いますよ!」

■ドライバー 高橋一穂選手

「ウォータースクリーンがすごくて前は見えないし、まるで雨の渋滞をハイスピードで走るようなレースでした。GT500はドライの時であればあっという間に抜いて行くのですが、レインだとブレーキングポイントもほぼ同じ。予想以上に抜いて行くのに時間がかかる状況に対しても、もっとうまく対応したかった。こういう部分も、プロと比べた場合圧倒的に経験値が違いますね。レースは長くやってますけれど、総走行時間は意外と短いもので。まだまだ課題が多いですね。」

 

最終戦は11月2~3日、ツインリンクもてぎにて開催されます。
引続き、応援宜しくお願い致します!

 


ピットツアーにご参加頂き、誠にありがとうございました。